砂マンダラ海光南方熊楠忌
岡井省二
槐
199812
返り花海光遠くなるばかり
山田弘子
円虹
199901
海光の段々畑鋤きにけり
小林輝子
風土
199907
七月の海光を背に忌を修す
田山登喜子
沖
199910
海光や巣箱の口のまくらがり
瀬戸悠
風土
200005
枇杷うれて海光まぶし安房の町
佐藤フクエ
春耕
200008
海光やオリーブの実の濃むらさき
水原春郎
馬醉木
200101
海光の先の先まで牡蠣の
松本松魚
円虹
200102
海光に濤の華とも百合鴎
金子浩子
馬醉木
200104
松手入して海光を透かせけり
三村純也
ホトトギス
200104
海光の弦引く二月来りけり
小形さとる
槐
200104
海光に墓所の明るく野水仙
武政礼子
雨月
200104
海光の届きて揺るる吊し雛
増田松枝
馬酔木
200106
海光に飾り冑の朱房かな
比田誠子
百鳥
200106
海光やウチワサボテンえっさかほい
河原珠美
海程
200107
揺れこぼる海光まぶし松手入
竹川貢代
春耕
200111
海光のみがく干大根の白
松本圭司
沖
200201
海光の良寛堂や草紅葉
足立登美子
春耕
200201
海光の日和つづきの返り花
長沼三津夫
朝
200202
水仙を海光もろとも切りにけり
島崎晃
遠嶺
200204
卓に置く水仙海光放ちけり
島崎晃
遠嶺
200204
存分に海光あびし猫柳
辻のぶ子
雲の峰
200204
海光の野鳥公園椿咲く
門伝史会
風土
200205
きさらぎの海光へ靴脱ぎにけり
西山美枝子
酸漿
200205
海光の椿の葉照建国日
山田美保
朝
200206
海光へ噴水息を溜めてをり
松原ふみ子
朝
200208
海光を微塵となせり胡麻莚
小野恵美子
馬醉木
200212
伊豆の海光寄せ来る避寒宿
稲畑汀子
ホトトギス
200301
岬鼻や海光受けし枇杷の花
小林美恵子
築港
200301
海光や丈のびのびと福寿草
永田二三子
酸漿
200305
海光へ翔けてこれより恋雀
岡本眸
朝
200305
海光はるかふらここを高く蹴り
富川明子
沖
200307
若葉寒いま海光に鳩翔たせ
松原ふみ子
朝
200308
海光に芭蕉玉解く番外寺
柴田近江
沖
200309
海光にビキニの裸身はばからず
丸川越司
円虹
200310
海光や両端見えぬ蜘蛛の糸
今瀬剛一
対岸
200311
父母の墓つつむ九月の海光よ
荒井千佐代
空
200312
海光の反射に読めず鴨の数
友田直文
苑
200404
神の意の海光とどくフリージヤ
岡本眸
濱
200404
海光や嘴争ひの夕千鳥
佐々木よし子
沖
200405
海光を背にそそり立つ芽吹山
白井墨絵
遠嶺
200408
海光に身を晒しゐる巣立鳥
生出紅南
百鳥
200408
海光の飛沫まじりの青嵐
長沼三津夫
朝
200408
枇杷熱るるにも海光の月日あり
新田巣鳩
馬醉木
200409
玉葱を吊るや海光の軒深く
林敬子
酸漿
200409
海光が合歓にあまねし爆心地
荒井千佐代
空
200410
晴れ渡る由比の海光蜜柑山
河合大拙
百鳥
200502
枯蔓を引けば海光広がれり
岩月優美子
槐
200503
海光に鴎の群るる恵方みち
吉川与音
濱
200503
学校は海光の中辛夷の芽
伊藤以玖子
対岸
200504
海光のあまねき芝生クリスマス
佐藤佐代子
朝
200504
英虞湾の海光集め石蓴干す
室伏みどり
雨月
200505
海光の目つぶしにあふ実朝忌
鹿野佳子
朝
200505
海光のまぶしく椿落ちにけり
城間芙美子
対岸
200506
海光にふくらみ午後の椿山
大沢美智子
沖
200506
海光のさざなみづくし鳥雲に
高橋さえ子
朝
200506
海光の冷えつつもはや飛燕かな
高橋さえ子
朝
200506
海光のいちにちありし茎立菜
飯塚ゑ子
火星
200507
海光をまとひて枇杷の熟るるなり
林敬子
酸漿
200508
海光に応へて花の吹雪けり
佐藤佐代子
朝
200508
海光を使ひ余して鳥の恋
足立幸信
狩
200509
海光やダリの石榴となつてをり
近藤喜子
槐
200511
海光に臘梅の香の解けゆく
稲畑廣太郎
ホトトギス
200601
海光へ近づいてゆく枯野かな
堀木基之
百鳥
200602
巌門をうららにくぐり夕海光
北川英子
沖
200606
野茨や須磨は海光溢れしめ
山田六甲
六花
200606
跳ねつぎて海光散らす若狭鯛
安達実生子
苑
200607
ことごとく海光を溜め梅匂ふ
岩垣子鹿
ホトトギス
200607
海光のひろごりやまぬ昼寝覚
水野恒彦
槐
200610
海光の切干乾く島聖堂
一瀬昭子
馬醉木
200701
海光の中の慰霊碑とべらの実
小林眞彦
遠嶺
200701
海光は酢甕包めり石蕗の花
水原春郎
馬醉木
200702
海光の野にも及びて二月かな
宮尾直美
朝
200702
海光のひやひや後の更衣
高橋さえ子
朝
200702
海光や鷺の巣蕊を広げたり
百瀬七生子
海光
200705
海光の耀ふ生簀水温む
近藤幸三郎
風土
200705
吊し雛揺れ海光の部屋に満つ
室伏みどり
雨月
200705
海光や幣新しき枯いちやう
安原ときこ
遠嶺
200705
焦げ臭き海光十二月八日
高橋さえ子
朝
200705
海光へ欅三本芽ぐみたり
米山喜久子
峰
200707
海光を集め菜の花畑となる
嶋田一歩
ホトトギス
200708
海光と架橋を視野の鱒づくし
杉山瑞恵
雨月
200711
海光に枝ひろげたる寒桜
足立武久
酸漿
200803
三陸の海光を背に若布干す
中村悦子
峰
200804
成人祝ぐ日なり海光燦々と
岡淑子
雨月
200804
ちち描きし軸に初日や海光も
荒井千佐代
空
200804
海光に吊玉葱の小屋つづく
窪田粧子
馬醉木
200807
海光の涯に青を踏みにけり
岩月優美子
槐
200807
航跡のあと海光の虹二重
吉野のぶ子
遠嶺
200809
海光に揺るる挿頭の百日紅
斉木永久
馬醉木
200810
木偶蔵に揺るる海光注連飾る
小林成子
璦
200903
海光に甘蔗の花の煌めけり
坂上香菜
璦
200903
海光の砂丘を駆くる冬帽子
大久保寛子
遠嶺
200903
海光やミモザの風に胸充たし
水原春郎
馬醉木
200904
海光と伝説の島鳥帰る
三宅文子
春燈
200907
海光に島々眩し夏の瀬戸
清水伊代乃
酸漿
200909
海光をはじく風車や鷹渡る
近藤敏子
沖
200912
和歌山の城の裏坂海光る
坪内稔典
船団
200912
海光のきらめける瀬戸小春凪
原桂子
笹
201003
玄冬や海光はじく方位盤
吉岡昭子
狩
201004
海光に蝶のまぎれて空白し
鎌倉喜久恵
あを
201006
海光の丘の館にミモザ咲く
塩見治郎
雨月
201007
海光に風とよもせり青岬
大西裕
酸漿
201007
海光を巻き上げてゐる鷹柱
大沼遊魚
倭彩
201009
海光に島の蜜柑の磨かれて
境幹生
狩
201012
宇和島の海光返すみかん摘む
井口淳子
璦
201101
海光をあますことなくみかん山
豊田都峰
京鹿子
201102
海光や漣ほどの秋の風
戸山田佳乃
ホトトギス
201103
海光に七連凧の高うねり
遠藤真砂明
沖
201103
磯山に海光とどく淑気かな
黒滝志麻子
末黒野
201104
海光に十字の窓や冬うらら
大木さつき
ホトトギス
201105
海光を蒐めて島の椿園
江木紀子
雨月
201106
海光る猿曳きサルを肩に置き
中林明美
船団
201107
花畑に海光あふれ島の春
黒滝志麻子
末黒野
201107
海光のさざなみ立てり春夕
藤井昇三
六花
201107
春の海光る礁のうへに鳶
有賀昌子
やぶれ傘
201108
手土産の海光放つ初鰹
野口喜久子
ぐろっけ
201108
麦秋の海光返し天主堂
吉田政江
沖
201108
海光の火山灰に散らばり落椿
熊切光子
末黒野
201108
聖玻璃に海光もゆる枇杷の花
水原秋櫻子
馬醉木
201111
海光へ三浦大根翼張る
大沢美智子
沖
201112
海光は十一月のさみしさに
山田天
雨月
201201
海光の歌碑へ直行バスの秋
遠藤真砂明
沖
201201
風光る海光るとき地の揺るる
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
運河沿ひ並ぶ倉庫に春海光
黒澤登美枝
峰
201204
藪椿海光に葉を重ね合ひ
村上絢子
馬醉木
201205
夏至過ぎの海光をただ眩しめり
藤原若菜
春燈
201210
海光のとどく校舎の棕櫚の花
伊勢きみこ
火星
201209
海光と潮の匂ひの中に稲架
荒井千佐代
沖
201301
海光に生れては消ゆる帰り花
河野美奇
ホトトギス
201304
斜張橋海光またぎ三月へ
吉田政江
沖
201305
海光の包む洋館花石榴
森清信子
末黒野
201310
海光を集むる砂丘とんぼ生る
土屋草子
ろんど
201311
与謝の海光かき分け鱸舟
豊田高子
万象
201312
海光に一人一世の初山河
遠藤真砂明
沖
201403
海光に磨かれてをり蜜柑山
板橋昭子
沖
201403
海光にゐて満ち足るる冬桜
箕輪カオル
鴫
201403
遠きほど散る海光や春浅し
大川ゆかり
沖
201404
海光に力こぞりて冬木の芽
林昭太郎
沖
201404
海光の包む洋館花石榴
森清信子
末黒野
201404
海光の山より笑ひ始めたり
中田みなみ
空
201405
海光に翼のごとき春ショール
多田文子
沖
201406
海光の彼岸桜へ十重二十重
田中臥石
末黒野
201406
真砂女忌や海光に立つ紫木蓮
安立公彦
春燈
201406
海光に萌ゆる里山五月来ぬ
石本秋翠
馬醉木
201407
鯵フライ海光映ゆるレストラン
川村文英
ろんど
201408
海光を返して枇杷の熟るるころ
松田明子
空
201408
仏陀立つあぢさゐ坂や海光り
森田利和
璦
201409
海光に万の向日葵応へたる
碇天牛
雨月
201409
海光の縞羅の寄せくるはしり枇杷
すずき巴里
ろんど
201409
白日の海光載せて桐一葉
小野恵美子
馬醉木
201412
海光の連れくる風や蜜柑照
伊藤純子
璦
201502
海光の綿虫連れて帰りたし
田中貞雄
ろんど
201503
海光に命透きゆく冬の蝶
水野恒彦
槐
201503
海光や初みくじの朱耀かす
中島讃良
ろんど
201504
翔ちしもの海光となる梅日和
近藤喜子
槐
201505
海光を乱さぬように目刺干す
藤沢秀永
鴫
201507
海光を羽裏にためて黒揚羽
字都宮敦子
鴫
201508
海光の沖より来たる夏燕
笹村政子
六花
201508
海光のふくらんでくる夏はじめ
吉田順子
槐
201508
海光の閑けさにある金魚玉
田順子
槐
201508
海光を纏ひて枇杷の色づきぬ
田賀楳恵
万象
201509
海光や鳶の高舞ふ花野道
松本三千夫
末黒野
201601
海光の滴る障子洗ひけり
小田司
馬醉木
201602
海光の白壁づたひ恵方とす
吉田政江
沖
201603
海光を山に引き込み寒椿
近藤喜子
槐
201604
存分に浴びる海光花菜畑
平野みち代
鴫
201605
鳥帰る眼に海光の痛きほど
田川美根子
沖
201606
歓声のごとき海光草萌ゆる
多田ユリ子
沖
201607
海光のとどく坂道ミモザ咲く
秋山蔦
春燈
201607
海光に溶けては出づる黄蝶かな
森清信子
末黒野
201607
海光の洗ふ礁の石蓴かな
岡野里子
末黒野
201607
沖遥か顕つ海光や涅槃像
水野恒彦
槐
201607
海光に干梅皺を深めけり
平田はつみ
馬醉木
201610
海光を背ナに浴びつつ避寒宿
稲畑廣太郎
ホトトギス
201701
マリンタワーの展望冬日と海光と
落合絹代
風土
201702
照り返す海光銀杏黄葉粲
岡田史女
末黒野
201702
海光の千々に弾むや大根干
布施政子
馬醉木
201704
海光の手許まぶしく雛飾る
和田照海
京鹿子
201705
海光に初蝶の色まぎれゆく
松田多朗
馬醉木
201705
海光に目つむる猫や花大根
荒井千佐代
空
201705
海光を纏ひまぶしき海苔の鎮
橋場美篶
末黒野
201705
海光に目つむる猫や花大根
荒井千佐代
沖
201706
ベイブリッジ春の海光はね散らす
窪みち子
空
201708
海光の溢るる駅や風薫る
石黒興平
末黒野
201709
蜜柑山みな海光の真正面
兵藤惠
沖
201802
海光に寒天干さる風乾き
松本三千夫
末黒野
201803
はるかより海光降れり白障子
栗坪和子
沖
201804
海光に松黒々と避寒宿龍
今橋眞理子
ホトトギス
201805
懸大根連なる先の海光る
渡辺美智子
末黒野
201805
海光のとどく洋館花ミモザ
森清堯
末黒野
201806
海光のまともや木の芽ひしめきて
森清信子
末黒野
201806
海光の岸辺に芽ぐむ桜かな
岡野里子
末黒野
201806
海光の棚田千枚畦を塗る
石崎和夫
沖
201807
海光をまとひて百合のひらくかな
岡田史女
末黒野
201810
浦町の海光浴ぶる秋の午後
笹村政子
六花
201812
海光をうけ金泥の石蕗の花
吉田順子
槐
201904
海光を弾く巨船や初御空
森清信子
末黒野
201904
海光を弾く流木多喜二の忌
中村世都
鴻
201905
海光に溶け入る春のかもめかな
岡野里子
末黒野
201907