青蜜柑川どう見ても膨れゐる
杉浦典子
火星
199901
等距離にある短編と青みかん
林朋子
船団
199902
青蜜柑かたっぱしから爪立てて
荻野美佐子
船団
199903
同棲をケロリと認め青みかん
近藤千雅
船団
199907
運ためす輪投げ三役青みかん
柿沼盟子
風土
199912
遥かなるわたつみの声青蜜柑
上田希実
遠嶺
200002
青蜜柑アンモナイトをなでし手の
中原幸子
遠くの山
200010
放哉の墓に小さき青蜜柑
水原春郎
馬醉木
200101
一箇づつ給食皿の青みかん
阿部晶子
澪
200101
子にもある頑な心青蜜柑
赤未真理
ぐろっけ
200102
抱きぐせは唯我独尊青蜜柑
辻村拓夫
船団
200103
地球儀の国名古し青蜜柑
岡清秀
船団
200105
青蜜柑描きて妻を喜ばす
金子つとむ
俳句通信
200111
見送りのてのひらに載せ青蜜柑
田辺レイ
狩
200112
剥く皮の海星のかたち青蜜柑
槐布由子
銀化
200112
水軍の裔てふ故郷青蜜柑
越智秀子
雲の峰
200112
嬰の顔見られる今日の青蜜柑
荒幡美津恵
遠嶺
200112
青みかん車中に剥いて旅はじめ
濱地恵理子
朝
200202
海原を風通ひけり青蜜柑
菊地恵子
酸漿
200211
青蜜柑小波の上陽の踊る
森理和
あを
200211
バス旅行だれか剥いてる青みかん
関章子
百鳥
200212
好きな子の名のまた変はり青みかん
近藤倫子
ぐろっけ
200212
青蜜柑ころがる島の防波堤
木村みかん
鴫
200301
青みかんもいで誰もが盗人に
竹下昭子
ぐろっけ
200301
青みかん梯子下りたり上ったり
佐田昭子
ぐろっけ
200301
コロッケのおまけにもらう青みかん
陶山泰子
ぐろっけ
200302
耶蘇島を売り出す噂青蜜柑
塩路隆子
花衣
200307
接待にいただく島の青蜜柑
中野たけみ
雨月
200311
だしぬけの詰問電話青蜜柑
数長藤代
鴫
200401
その課題次週持ち越し青蜜柑
須佐薫子
帆船
200404
海沿ひの参詣道の青みかん
河崎尚子
火星
200412
青蜜柑声は記憶に残るもの
玉川梨恵
鴫
200501
消灯の机に残る青蜜柑
瀬下るか
鴫
200501
島一つ跨ぐ架橋の青蜜柑
松本恒子
ぐろっけ
200501
青蜜柑弁当箱の上にあり
青池亘
百鳥
200501
まだ青き籠に盛りたる青蜜柑
秋千晴
空
200502
湯の小屋の前は海峡青蜜柑
梅村達子
帆船
200502
橋脚が島の半分青蜜柑
七種年男
沖
200502
老いまじく爪立てて剥く青みかん
伊藤白潮
鴫
200511
故郷の山河の匂ひ青蜜柑
杉本綾
苑
200601
食たりて心飢うる世青蜜柑
山口天木
雨月
200601
青蜜柑島がそろそろ重くなる
鷹羽狩行
狩
200611
噴湯の鼓動めく音青蜜柑
梅原美子
濱
200612
海の紺葉裏に透けて青蜜柑
木内美保子
六甲
200612
きやうだいの往キ来尠し青蜜柑
生方義紹
春燈
200701
一秒の現在は過去青みかん
前川明子
鴫
200701
海の風しかと握るや青蜜柑
林友次郎
遠嶺
200701
鉢巻の舟の出てゆく青みかん
梶浦玲良子
六花
200701
顔中がピアスの娘青蜜柑
高橋大三
ぐろっけ
200702
未来とはかく光るもの青蜜柑
上崎暮潮
ホトトギス
200704
青みかん人に時間の湧き出す
天野きく江
槐
200710
青みかん奮ひ立たせる気の弱り
栗原公子
沖
200710
青みかん部屋の空気の入れかはり
代田幸子
沖
200711
図書館の音読する子青蜜柑
水谷ひさ江
六花
200711
青みかん子が世に一書出すと言ふ
大畑善昭
沖
200712
青蜜柑句座に暫しの静寂あり
国永靖子
ぐろっけ
200712
天日を取り合つてゐる青蜜柑
岩月優美子
槐
200801
休日の鏡の中の青蜜柑
高田令子
鴫
200801
伊予街道ゆけば山みな青蜜柑
齋部千里
ぐろっけ
200801
青蜜柑窓すれすれの予讃線
木内美保子
六花
200801
青蜜柑陽射しの中の六地蔵
大村真佐子
遠嶺
200802
しまなみ海道島のいくつや青蜜柑
田宮勝代
酸漿
200809
近道を来て匂ひけり青蜜柑
小山漂葉
酸漿
200811
新しき苗字に慣れず青蜜柑
石川かおり
璦
200812
師の句碑を望むあしたや青蜜柑
林友次郎
遠嶺
200812
潮騒の乗り来る風の青蜜柑
飯田角子
酸漿
200812
青蜜柑未知の世界へ投げてみる
岩月優美子
槐
200901
雲生るる大和うるはし青蜜柑
山田春生
万象
200901
青蜜柑かたはらに子の旅程表
清水晃子
遠嶺
200902
青蜜柑豊かに育ち揚羽来る
中里信司
酸漿
200911
垣根ごし触れむばかりの青蜜柑
早崎泰江
あを
200911
青蜜柑その一言の嬉しさよ
副田氷見子
炎環
200912
祖母の忌の長命の叔父青みかん
数長藤代
鴫
200912
二階より手の届きさう青みかん
國保八江
やぶれ傘
200912
青みかん手つかずあの日見合の日
藤野寿子
あを
200912
誰からも好かるる男の子青蜜柑
今井松子
遠嶺
201001
航跡の瀬戸に交はる青蜜柑
大崎紀夫
やぶれ傘
201003
休日は素顔の少女青蜜柑
高橋秋子
狩
201011
無口なりし夫に供ふる青蜜柑
浜口高子
火星
201011
旅終へし鞄の底の青蜜柑
浜口高子
火星
201011
大家族たりし生立ち青みかん
藤原照子
沖
201012
青みかん幼き頃の向う傷
岩永充三
沖
201012
青蜜柑剥けば幼き日々のこと
山本孝夫
璦
201101
青蜜柑通夜の廊下を転がれり
竪山道助
風土
201101
青みかん手向けの神へ一つ置く
宮井知英
空
201101
青蜜柑シェフは酸味に使ひけり
年森恭子
ぐろっけ
201101
あたらしき卒塔婆の下の青みかん
竹内弘子
あを
201101
青蜜柑手にして唇の歪み来る
大橋敦子
雨月
201108
差羽鳴く盆地育ちの青蜜柑
布川直幸
峰
201109
青みかん川添ひにある道の駅
中山静枝
峰
201110
鉢物にして初なりの青みかん
仁平則子
峰
201110
深々と葉色と競ふ青蜜柑
鳥居おさむ
ろんど
201110
海風の停車駅なり青蜜柑
古川夏子
空
201112
青蜜柑普陀落山に着きにけり
中田禎子
槐
201201
忌の明けや爪たてて剥く青蜜柑
大川八重子
火星
201201
利かん気は今もそのまま青蜜柑
割田容子
春燈
201211
叶はない夢などはなし青蜜柑
割田容子
春燈
201211
青蜜柑程よき数となりにけり
三輪慶子
ぐろっけ
201211
遠に見え相模に入りぬ青蜜柑
酒井秀郎
返り花
201211
教室のたれかがむける青みかん
山田六甲
六花
201211
青蜜柑船の行き交ふ瀬戸の海
菊地崇之
かさね
201301
2023年10月19日
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