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2012年6月5日火曜日

EAGLEの図面からアクリ屋ドットコムさんに頼むアクリル外装部品のサイズを簡単に得る方法

この記事あの記事で外装に関する話題に触れたわけですが、基板との関係に触れていない事に気付いて簡単に紹介してみたくなりました。

EAGLE V6からは、新しく基板上のコンポーネントのサイズが計測できるようになりましたが、実際に試してみたところ、現状では実際の設計に役に立つ動作をしているように思えませんでした。
EAGLE内で完結して外装まで注文できる形になると良いのですが、あまりうまくいきません。

ここではEAGLEで基板設計した後で、アクリ屋ドットコムさんに頼むアクリル外装部品のサイズを簡単に得る方法を紹介する事にします。

まず初めに、EAGLE上でボードファイルを開き、dxf.ulpを実行します。


オプションダイアログが表示されます。
3つのチェックボックスの全てのチェックを外して下さい。
これは、後で用いるRootPro CAD Freeの動作と関連があります。


OKボタンを押したら書き出しが実行されます。
次に書き込んだファイルをRootPro CAD Freeで読み込みます。


オプション選択ダイアログが表示されますが、デフォルトのままで構いません。


読み込みが完了すると以下のようにEAGLEのボードファイルで見たような画面が表示されます。
これで下準備は完了です。


さて、アクリ屋さんですが、セミオーダー加工時に指定可能なサイズは0.5mm単位となっています。

基板設計時に明確に決めておかないとズルズルとインチ系のままになっている事が多いわけですが、今回の基板も例にもれずインチ系のグリッドに穴やら基板外形が乗っています。あらら。

この場合、完璧主義に陥ってインチ系でぴったり合うようにフルオーダーしても良いのですが、費用対効果がバランスしないでしょう。

今回の場合、基板設計時点でぼんやりと外装アクリル付けようかなぁと考えていました。
以下がその時のスケッチです。


スケッチと言うにはお粗末ですが、それでもスケッチはスケッチです。
このスケッチは「アクリ屋ドットコムさんのセミオーダー加工で対応可能な範囲だ。」という事を示唆しています。

さて、アクリルの穴位置と外形は、先に述べたように0.5mm単位での指定になっています。
先ほどインポートしたCADデータとスケッチを基にサイズを決めていきます。

図形メニューの寸法から長さ寸法を選択します。


インポートした図面の穴位置中央にカーソルを持っていくと、センターが取り出されます。
うーん、これは便利だ。

基板端からの計測ももちろん可能です。
もし、基板端が図形として期待通りに認識されなかった場合、EAGLEでの書き出し時にチェックボックスの選択を外したかどうかを確認して下さい。


ここからがポイントです。
セミオーダーフォームから色々試してみたところ、以下の事がわかりました。
アクリル板端からの話はどこにも書いていなかったような・・・。
  • アクリル板端から4mmの位置に対して、直径3.2mmの穴をあける事ができない。
  • アクリル外形や穴位置の指定は0.5mm単位である。
  • 穴系は0.1mm単位で幅広く選ぶ事ができる。
上記を踏まえて、以下のような基板に対してどうすべきか考えました。

  • 基板外形はいったん無視。穴位置の関係さえ守れば基板とアクリル板は結合可能である。
  • 0.5mmグリッドに乗らない穴は、近い位置に丸めてアクリル加工穴とする。
  • 近い位置に丸めた穴は、本来の位置とのズレを吸収する意味で穴径を大きくする。
以下が設計した内容です。

今回は基板の中心を原点と見做してアクリル外形サイズを少し大きめにとりました。
期待した穴位置には設計ルール上の制限で穴が開けられない事がわかったからです。

重要なのは、基板にあいている穴の相対位置の関係を維持する事ですね。
これさえ外さなければ、絶対に作ったアクリル板の穴位置とズレる事はありません。

最後にアクリ屋ドットコムさんのサイトで設計した後、出てきた図面を基に検証します。
いくら安いとはいえ、加工枚数が少なければ一枚1000円近くします。
一発で決めたいですよね?

試しに検証してみましょう。

例えば、水平方向を見ると基板側では96.52mmとなっています。
概ね96.5mmと見做す事ができるので、設計したアクリルの穴位置を計算して
110.5 - (7.0 * 2) = 96.5mmとなり、期待通りというわけです。


垂直方向を見ると、50.80mmなので、概ね51.0mmと見做します。
設計したアクリルの穴位置を見ると61.0 - (5.0 * 2) = 51.0mmとなります。
本来の穴位置に対しての誤差は51.00 - 50.80 = 0.2mmとなります。

中心位置が外側に0.1mmずつ広がっていると考え、穴径は基板側の3.2mmに対して
0.1mm拡げた3.3mmを直径とすれば、「まぁ入るでしょ」という計算です。

ロータリーエンコーダーの穴位置は、止め穴から内側へ5.08mmという基板設計側の情報を基に決めてあります。
これも双方の穴位置の関係が命なので、アクリル外形に惑わされないようにするのがポイント。

ずいぶんといい加減なもんですが、こんな感じで
  • EAGLEからRootPro CADにデータを渡して
  • RootPro CAD上で手軽にサイズ測定して
  • アクリ屋ドットコムさんに発注
という一連の流れが完成です。

切断端面の加工に細目仕上げを選択して5枚の製造を依頼しました。
お値段は以下のように一枚約800円です。


私は自宅に機械加工の道具を持ち合わせていません。
自分で苦労しながら穴をあけて残念な感じになる事を考えると安いものです。

2011年1月9日日曜日

電気設計と基板設計の検証方法

今回は電気設計と基板設計の検証方法に関するトピックです。


最近の設計業務では画面上で設計を入力して、そのまま出図というケースも珍しくありません。
が、実際に基板が上がってくると、「うわっ!何ここのパターン!」とか、「これじゃあダメだよね。」ということが珍しくありません。

How to use Eagle3DEagle 3Dを用いた基板設計改善の効果(基板の完成予想図を使って失敗を最小限にする)ではEagle3Dを使った簡単な事前確認を取り上げましたが、今回は少し異なるアプローチを御紹介します。

使用するのはトレーシングペーパーとプリンターです。
私はKOKUYOのセ-T49Nを使用しています。


最近のプロセッサは高速に動作するようになってきていますので、「あー、このクロックラインはダメでしょ。」とか「ちょっと!グランドなんでそんなに細いの!」なんて事になると致命的です。
クロックがおかしければプロセッサはなんともなりませんし、電源が発振したら動くものも動きません。色んな部品がきちんと動作しない状態でデバッグしようものなら、一体何を見ているのかわからなくなってしまいます。

そこで登場するのがこれ。


非常に古典的な手法ですが、私はトレーシングペーパを使っています。
メリットはやはり実際に見て、感じて、書き込めるというところでしょうか。



画面上で確認した後で、実際にトレーシングペーパに印刷して重ねて見てみると意外なミスを発見したりすることがあります。特に層間の問題を発見するには都合が良いです。
「アナログのあの部分とデジタルのあの部分が近くないか?」とか、そういったケースです。


ちなみに、トレーシングペーパーに印刷する時には濃度設定を行ってから印刷して下さい。
最近のプリンタはインクをたっぷり使って綺麗に印刷するのですが、トレーシングペーパにはインクの量が多すぎます。

濃度設定は最小濃度で丁度良いくらいです。

印刷して持ち歩けばカフェで息抜きがてらに赤入れをしたりできるので便利。
気分転換にもなります。

こういった事前検証は全網羅する為のものではなく、あくまで「よりよい結果を生むための取り組みの1つ」と捉えるのが良いと思います。

ネットに対する最小線幅の設定自体が間違っていたり、ネットに適切なアトリビュートが割り当てられていない事もあるでしょう。DRCで逃してしまうミスを最終的にキャッチする手段として有効です。

また、製造時に起きそうな無用な不具合を避ける事にも使用できます。
例えば、このパッドとビアをもう少し話すと良さそうだなぁとかそんな具合。

画面上の作業ではどうしても単調になりがちです。
上記のようなアプローチを設計フローに盛り込む事で、いつもと違った視点を持つ事ができるようになります。

2010年5月30日日曜日

CoCreate Modeling Personal Edition

筺体設計に欠かせない3次元CADですが、個人ではなかなか手を出せない価格だったりします。

そんなとき嬉しいのがCoCreate Modeling Personal Edition

http://www.ptc.com/offers/tryout/pe2.htm

ですが、今日現在Windows7上では動かないようです。
ライセンス関係のプログラムに互換性の問題があるようです。
XP互換モードでも同様。

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