SDRドングルの受信感度 その2

  • 2025年10月02日
  • 12:18
先日Xastir+TH-D74での運用とdirewolf+SDRドングルで受信状況の比較をしてみましたが、SDR自体の周波数のズレを補正したりゲインを指定したりできるという事を教えていただきました。

まずは周波数ズレ補正から

JH4XSYのLinux日記
携帯電波のダウンリンク周波数を使用してどの程度ズレているか観測できるそうです。
こちらのサイトのリンクにあるLTE-Cell-Scannerをラズパイにダウンロードして実行してみました。

LTE-Cell-Scannerの説明には770MHz〜780MHzをスキャンする。若しくは近所にある基地局の周波数が解ればその周波数単独でスキャンする(778MHz)と記載されていますが、当然日本とは違うだろうと思って各携帯会社の周波数(ダウンリンク)を調べてあちこちスキャンしてみましたが、全く電波を掴みませんでした。
アンテナはハンディー機付属のホイップを使っていたので、これがダメなのかと思い、屋根の上に上げたモービルホイップに繋ぎ変えてもダメ。最終的にTinySAについてきたオマケのロッドアンテナを付けると携帯電波をキャッチできました。

SDR調整/ロッドアンテナ
ただ、キャッチできたのは778MHzだけをスキャンした時です。
他の周波数は全然掴みません。何故でしょうね?

考えても判らない事はとりあえず放置。

スキャンした結果がこれです。
SDR調整/スキャン結果
説明によるとPRのところがoneになっているCrystalcorrectionFacterの数値を使うとの事。
今回の場合だと0.99999589913167052924

PPM補正値の計算
(1-0.99999589913167052924)×ばつ1,000,000≒4.1

4.1PPMのズレが実際どの程度影響するんだろうとチョット疑問でした。
144.66MHzだと590Hz程度のズレになると思いますが、FMのフォーンだとこの程度のズレでは全く問題無く交信できますしね。

もう一つ、簡単な観測方法
ターミナルに rtl_test -p と入力すると観測できるそうです。

SDR調整/-p最初
cumulative PPMの後ろの数値がズレを表わしているだそうです。最初はとんでもない数値が表示されますが、しばらく放置しておくと落ち着いてきます。

SDR調整/-p最終
1時間程放置した結果、6PPM程度のズレとの結果です。

先のスキャン結果は4、今回は6 どちらが正しいのかよく解りませんが、144MHz帯で4と6の差は300Hz程度だと思うので、どちらでも良さそうな気がします。とりあえず6PPMを採用してみる事にしました。

次にゲインですが、rtl_test -t で出てくる数値を使用するそうです。

SDR調整/-t結果
rtl_test -tを入力して出てきたSupported gain valuesの後に続いている数値がゲイン調整に使用できる数値だそうです。
上側の赤枠が現在使用しているドングルで、下の赤枠は別のドングルです。
製品によって使用できる数値が違うようです。

校正
SDRドングルの周波数校正やゲイン調整は使用するソフト側の設定で行うそうです。
今回の場合はDirewolfの起動コマンドの中に記載することになります。
前回、Direwolf+SDRドングルの受信専用iGateを作った時は「OSNさんの無線室」に記載されていたコマンドをそのまま使用していましたが、この中にも補正値が記載されていました。

sudo rtl_fm -M fm -f 144.66M -p 36 -s 24000 -g 42 - | direwolf -c /usr/share/doc/direwolf/conf/direwolf.conf -B 1200 -d u -r 24000 -D 1 -

-p 36 → PPM補正
-g 42 → ゲイン指定

PPMに関しては私のドングルは4〜6PPMのズレだったので、結構な差があります。
36ppmだと144.66MHzの場合5kHz程の補正でしょうか。まあ、それでもFMフォーンなら元の帯域が広いので交信できますが。

補正値を修正してはたして効果があるのか疑問を抱きながらもとりあえず36→6に修正してテストしてみました。

調整前との比較
SDR調整/p36g42
こちらは調整前の物です。
青〇が自宅 iGateが拾ったもの、それ以外は大阪市内等のiGateに拾われています。

SDR調整/p6g42
PPM調整した結果
少し良くなったようです。特に南東側にある隣の団地を過ぎると谷底に下りていきますので、直接波が届かない場所ですが、何とか拾えているようです。

PPM値を今回は6として入力していますが、「プラス6」なのか「マイナス6」なのか判らなかったので、両方試したところ「マイナス6」だと全然ダメでしたので最終的に「プラス6」にしています。

次にゲイン指定です。
元々「-g 36」になっていましたが、今回使用しているドングルの調整値は最大で「19.7」ですので「-g 19.7」に修正

SDR調整/p6g19.7
先ほどよりもさらに良くなりました。
因みに、ゲインを上げすぎるとノイズも高くなるので、少し下げてみたらどうかと3段階程下げてみましたが、結果は悪くなりました。

最終的に以下のようにしました。
sudo rtl_fm -M fm -f 144.66M -p 6 -s 24000 -g 19.7 - | direwolf -c /usr/share/doc/direwolf/conf/direwolf.conf -B 1200 -d u -r 24000 -D 1 -

と言ってもやはりちゃんと無線機を接続している場合と比較するとかなり感度は落ちますけど。
iGate比較/TH-D74
Xastir+TH-D74の場合。

コメント

ごあいさつ

はじめましてJP3NKRと申します。
APRSの事を調べていてて、
見覚えのあるコールサインが目に留まったので、
APRSの記事を少し拝見させていただきました。
貴局のI-GATE局に時々お世話になっております。
当局も最近I-GATE局に興味を持ち、
状況を見てI-GATE局を立ち上げたのですが、
記事を拝見させていただくと、
同じような時期にはじめられたのかな?と思います。
当局はまだまだ分かっていない部分がありまして、
ご迷惑をお掛けすることがあるかもしれませんが、
ご指摘や実験等のお邪魔になる時は、
ご一報いただければと幸いです。

当局の設備と状況を少しご紹介させていただきます。
当局もラズパイ3モデルBでDIREWOLF V1.7です。
現在はラズパイゼロとSDRドングルで実験して、
ケース作りの途中で止まっています。
(フレンド局からの依頼分なので要望確認で立ち止まっています。)
運用中のものはIC-901でGP(X-30)から10W送信です。
はじめはPICTNCでデジピート局から始めたのでビーコンを出していましたが、
今はPICOTNCを経てDIREWOLFでI-GATE局という事で、
APRS-IS向けパケット送出だけでRFの方のビーコンは止めています。
先月から双方向の設定にも挑戦してどうやらうまく動作している様で、
現在はゲート越のメッセージを送信する設定にしています。
早速、長崎のモービル移動局からメッセージを頂いたり、
フレンド局が出張先から送って頂いたりして動作確認が出来ています。
フレンド局が近くでデジピート局を稼働していただいているのもあり、
ご存じかと思いますが摂津にもデジピート局さんがいらっしゃるので、
当局は今はデジピート機能は停止しています。

電波的にはお近くですし、まずはご挨拶まで。
今後とも宜しくお願い致します。


DE JP3NKR でした。

Re: ごあいさつ

JP3NKR-10さん
ご丁寧な挨拶ありがとうございます。
こちらは周囲を山に囲まれた環境ですので、ほぼ私専用iGateとなってます。
他局の電波を受信できるのは夜間のみという状況で、単なる自己満足だけなのですが山登りをする時は、万が一の場合役立つかなと思ってやってます。
今後ともよろしくお願いします。
  • 2025年10月04日(07:08)
  • かつお URL
  • 編集

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ご返信ありがとうございます。
私も自己満足です。
そこはホビーという事で^_^;
こちらこそよろしくお願い致します。

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プロフィール

かつお

Author:かつお
3.11震災を機にアマチュア無線を始めました。
私立文系出身、事務方サラリーマンなので理屈は分からないですが、「とりあえずやってみる」であれこれ実験して遊んでます。

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