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洪水吐き拾弐景
《第六景》 百谷ダムの完全自然調節のゲートレス洪水吐き
解説:箱石 憲昭
写真提供:ダム愛好家夜雀
1973年度に完成した百谷ダム。
常用洪水吐
きの敷高を
常時満水位
に、
非常用洪水吐
きの敷高を
サーチャージ水位
にあわせた、完全自然調節の
ゲート
レス
洪水吐
きを採用した最初のダムである。
流域面積
が小さく洪水到達時間が短い地点でのダム計画が多くなり、
洪水調節
を確実に行うために採用されるようになった形式である。筆者がダムの水理設計に関わりはじめた20数年前は、ゲートレスの常用洪水吐きを「穴」に、ゲートレスの
越流
式の非常用洪水吐きを「坊主」に例え、このタイプのダムを「穴あき坊主ダム」と呼んでいた。が、事例が増えて当たり前になってしまったためか、最近はあまり聞かない。普段は貯留しない洪水調節専用の流水型ダムが「
穴あきダム
」と呼ばれるようだが、これには少々違和感がある。
非常用洪水吐きの幅の広い越流部と、幅の狭い下流河道のすり付けは、越流頂を堤体上流側に円弧状に張り出させ、下流に向かって幅を絞り込むことにより対応している。現在では堤趾導流方式によって対応することが多いが、堤趾導流方式が登場するのはこのあとのことである。
(これは、「
月刊ダム日本
」からの転載です。)
[関連ダム]
百谷ダム
(2015年6月作成)
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