〜エピローグ〜お前のためにこそある!2
「なぁ、蘇りとか、来世とか、いろいろ言うやつ、いるけどさ、
多分、人生って、一回こっきりだと思うんだ。
その人生をどう生きるのかってのはさ、お前が判断したらいいと思うんだけどさ...」
バスが到着する時間が分かったようだ。
笠井さんが戻ってくる。
「長谷川さ、俺、思うんだけどさ、
お前の人生って
お前のためにこそあると思うよ?
お前の信じる道を前を向いて進んで、
そのお前を信じない子供はいないと思う。忘れるなよ、
お前の今はたった一回しかないんだからな」
小声で、後悔するなよ、と言った時、
笠井さんは到着した。
呆然とした。
僕、これ程の男と一緒に仕事してたのか...。
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これが、フジテレビを迷いなく僕が辞めた理由。
一言の反論も出来なかった。
僕は、
後悔したくない。
そう思った。
3人の子供の父親だからこそ、
我慢して、理不尽を受け入れて、
ただ、悲しそうな顔をしてる父親を見せるのはなにか違う。
そう思った。
お世話になったフジテレビには最大限の感謝をしつつ。
でも、やっぱり、僕から「表現すること」を奪ったら、
何も残らない。カスしか残らない。
分かってる。
こんな面倒くさいアナウンサー、誰も使わないって。
でも、
でも!
僕はナレーションだってできる。
実況だってできるぞ!
何より、僕は日本全国、1700箇所以上の取材を繰り返し、
2500以上のニュース伝えてきた!
どこかの局で、リポーターでも募集してないか?!
自分の体験をみんなに伝えることだってできる!
講演とかあれば、結構上手にしゃべれるぞ!
僕の培ったプレゼンテーションの力、
企業の研修とかで聞きたいところ、ないかな!?
怪しげなプレゼンコンサルタントなんかより、
間違いなく、僕の方がうまいぞ(たぶん)!
僕はアナウンサーではなくなった。
でも、僕の根幹にある、表現する力は
絶対に失われてなんかないはずだ。
会社員でなくなった以上、
僕の翼にはもう枷(かせ)はないと信じる。
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今、僕は無職です。
でも大丈夫。
僕の家族は、このブログを通じて、
今、笑ってます。
37歳、無職の家庭で、
こんなに明るい家庭、ないんじゃないか?
さぁて、取り返す旅に出るとするか。
フジテレビ社員の肩書は失ったんだ。
せっかくだ。
それ以外、全部取り返してやる!
名誉も、マイクも、信頼も、友人も!
その上で、家族も守ってやる!
「僕で良ければ行きましょうか?」
あの日、たった一言から始まった、
僕のジャーニー。
僕はあの日の言葉を全く後悔していない。
僕の第2の人生の冒険は...
きっと始まったばかりだ!!
さて、ハローワーク行って失業保険、申請してこよっと♪