第8回 愚かで危険な「外国人=被害者論」
- 2014年7月10日
- 社会
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- 関岡英之
関岡氏にかかり始めた圧力「この連載の『公開を停止』しろ」
産経新聞は、「移民問題トークライブ」に関する7月8日付の報道に対して筆者が提起した4項目の質問(連載第6回記事参照)には答えようとせず、この連載の「公開を停止」しろと筆者に「圧力」をかけてくる。
新聞の活字は、ひとたび公刊されたら「公開を停止」することはできない。全国の人々の目に晒され、半永久的に保存され、情報戦に利用される。
一個人がそれに対抗しようと思ったら、インターネットで発信する以外に手だてがない。それすら認めないというのは、「言論の自由」の守護神を自称するはずのマスメディアにあるまじき態度ではないか?
マスメディアは、自分たちは不特定多数の人間に情報を一方的に発信する手段を意のままに操りながら、一個人に対してはこのように言論を封殺しようとしてくる。しかもそのやり方は、陰湿極まりない神経戦だ。
矢面に立って直接「圧力」をかけてくるのは、本来は志を同じくする『正論』編集長だ。「すべて自分の責任です」と言う。男らしくて立派な態度だが、「私が記事を書いたと考えていただいて結構です」とまで言い出したのには仰天した。実際に記事を書いた「ジャーナリスト」は恥をしれ。
おそらく、すべて『正論』編集長に責任を押しつける流れが社内で作られているのだろう。社内で孤立しているのは気の毒だと思うが、こちらは一個人、相手は大組織だ。こちらもやりたくてやっているのではない。
ことここに至っては、もはや『正論』から筆者に原稿が発注されることは金輪際ないだろう。それはもう仕方がない。今回の問題で妥協するくらいなら、著述業を廃業することになってもやむをえない。我が国が「移民国家」になってしまうのを黙認するくらいなら、私の言論人生命など取るに足らないものだ。
自己保身に勤しむ産經新聞の触れない移民政策問題の本質
今回の問題は、言論や報道の本質に関わっていると筆者は考えている。自己保身や組織防衛に汲々とするかのような産経新聞社の対応を見ていると、事の重大性がわかっていないとしか思えない。
『正論』編集部と我々パネリストが「日本を移民国家にしてよいのか」という集会を企画したそもそもの目的は、安倍内閣が推進している外国人労働者の受入れ拡大政策に警鐘を鳴らすためだ。
では、何が問題か? それはひとえに国内の治安、国家の安全保障を脅かし、日本の国柄を左右するからだ。
外国人労働者の待遇が悪いとか、受入れた日本企業が労基法違反をしているとか、「外国人の人権が侵害されている」などということでは断じてない。
それゆえに、産経新聞が7月8日の記事で、この「トークライブ」の総括として、以下のように報道したことは絶対に容認できないのだ。
関岡氏は「現在でも企業が外国人に安い残業代しか払わなかったり、パワハラがあったりと問題を起こしている。日本人が加害者にもなり得る」と訴えた。
「トークライブ」の中に、筆者のこの発言が存在したことはれっきとした事実である。だが、筆者を含め、「トークライブ」全パネリストの全ての発言の中から、この部分だけを切り取って報道するのは明らかに恣意的な情報操作だ。これは筆者個人のみならず「トークライブ」そのものを愚弄し、開催した意義を歪曲し、毀損するものだ。
また、当日、参加していない人々に対して間違ったメッセージを発信している。外国人問題に関心がある人がこの報道を読めば、これは左翼・リベラル勢力の集会かと勘違いするだろう。
→ 次ページ:「この産經新聞の報道を喜ぶのは、国内の左翼及びリベラル勢力である」を読む
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比較的にまともだと思っていた産経新聞がこの調子では、報道業界の腐敗ぶりは推して知るべしですね。
関岡氏の言論活動をこれで潰されるようなことがあれば、それこそ大問題であり、日本言論界にとっても大きな損失になると思います。
「正論」編集長のように組織内で戦う孤高の存在があることは、心強くもあり、同時にやり切れない思いになります。
関岡氏やこの編集長のような方々こそ、ジャーナリズムの中心であるべきなのは明らかです。
日本を取り戻すのはまだ遠いのでしょうか。
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