一人で泊まるラブホテルのススメ「実践編」
- 2014年6月5日
- 文化
- 7,377 comments
- 古谷経衡
「平日極楽、金曜地獄、死んでも泊まれぬ土曜の夜」
というフレーズを知っているだろうか?うん、知るわけがないよね。私がいま作った「一人ラブホフリーク」を象徴的に現した言葉だからだ。元ネタは不謹慎ながら「ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア」からだが、「一人ラブホフリーク」にとって、金曜日の夜と土曜日の夜における宿泊が如何に困難であるか、を的確に表現したかったのである。
今更恐縮だが、ラブホテルに一人で泊まることを「一人ラブホ」と呼称し、何を隠そう筆者はその重篤なフリークなのであって、この「一人ラブホ」が如何に素晴らしいものであり且つ高度な社会的意味合いを有するかの詳細については、本連載の第一回目『一人で泊まるラブホテルのススメ』を参照されたい。
さて連載二回目の今日は、評判であった第一回目の記事を受けて、「では実際に、一人でラブホテルに泊まるのにはどのようなコツが要るのか。或いはどのような戦術的技巧を習得するべきなのか」という、主に初学者向けの「実践編」にあたる、というところであろう。
無論、「ちょっとごめんよ」という感じで暖簾をくぐって何食わぬ顔で受付のオバちゃんに代金を渡せば、今日から貴方も立派な「一人ラブホフリーク」の仲間入りであるが、ラブホ業界は一般のシティホテルやビジネスホテルと違って、地域にもよるが様々な慣習が存在する。「実戦」を経験する前に、図上演習としてこれらの「慣習」を頭の中に叩きこんでおこくことは無駄ではないであろう。
ステップその1『ラブホテルの種類や仕組みを知ろう!』
ラブホテルの宿泊(滞在)は、大きく分けて3つに分類される。概ね60分〜180分前後の「休憩」(ショートタイム)、概ね早朝から夕方までの「サービスタイム」、夜から朝・昼迄の「宿泊」という3つの形態に分かれる。ただし、地域やホテルによっては「サービスタイム」が存在しなかったり、「入室から10数時間〜保障」という「チェックタイム起算制」を導入している場合も増えており、現在ではラブホテルの滞在形態は多様化しているので注意されたい。
第一回目の記事『一人で泊まるラブホテルのススメ』でも触れたように、この国の一般の旅館業の多くが、「9時5時」で働く「模範的労働者」の生活スタイルを基準にしたもの(例、15:00チェックイン、翌10:00チェックアウト)である以上、筆者のような朝方に眠り昼過ぎに起きるという「典型的夜型徘徊人間」にとっては、滞在時間の拘束が少なく、明け方にチェックインして夕方まで惰眠を貪れる「一人ラブホ」が宿泊施設として第一の選択肢になるのは言うまでもない。となれば、「一人ラブホフリーク」にとって、必然的に狙っていくのは「サービスタイム」あるいは「宿泊」のどちらかである。120分とか180分しか滞在のできない「ショートタイム」は選択肢から全く外れるので、本稿では考慮しない。
・話を整理すると、
「一人ラブホフリークのラブホ利用」の形態は、
1)「サービスタイム」(滞在時間が長ければ長いほうが良い)
2)「宿泊」(チェックアウト時間が15:00など遅ければ遅い方が良い)
3)、上記1)、2)のいずれでもない「チェックアウト時間起算制」(この場合、滞在保障時間が長ければ長いほうが良い)
という条件に限局され、これに掛ける事の料金設定等々、という感じになる。この場合、最も禁忌すべき駄目なラブホは、そもそも「サービスタイム」が存在せず、休憩120分、宿泊が20:00チェックイン、10:00チェックアウトなどの2種類の体系しか無いとか言うやつで(都心のエキチカ、旧い物件には結構ある=殿様商売だから)、これならばシティホテルと何の代わり映えもなく、「滞在時間の自由」「夕方まで惰眠を貪れる」ことが最大のメリットである「一人ラブホ」の魅力が存在していないので、こういったラブホはまず、いくら料金が安くとも除外される。これらの情報は、ラブホ情報の大手ポータルサイト、略称「ハピホテ(ハッピーホテル)」等に掲載されているので、事前に滞在ターゲットとした街やIC(インターチェンジ)の周辺にあるホテルの「滞在体系」の入念なリサーチが必要であろう(ただし年末年始、GW、クリスマスなどの繁忙期には、これらポータルサイトの掲載情報は全く当てにならない=勝手に独自の滞在体系を臨時的にホテル側が設定する=から覚悟せよ)。
コメント
-
2015年4月24日
近代を超克する(1)「近代の超克」の問題意識を受け継ぐ
思想というものを考えていく上で、現代においては西欧からの影響を無視することはほとんど不可能...
おすすめ記事
-
2016年1月7日
世界一「同質的」な日本の大学生たち 〜なぜ大学から多様性が消えたのか〜多様性(ダイバーシティ)というのが、大学教育を語る上で重要なキーワードになりつつあります。 「... -
2014年9月4日
ネオリベ経済学の正体経済政策を理解するためには、その土台である経済理論を知る必要があります。需要重視の経済学であるケイ... -
2016年1月5日
「日韓合意」は安倍政権の致命的な失敗お正月早々みなさまをお騒がせしてまことに申し訳ありません。しかし昨年12月28日、日韓外相間で交わ... -
2014年10月20日
主流派経済学と「不都合な現実」現実にあるものを無いと言ったり、黒を白と言い張る人は世間から疎まれる存在です。しかし、その人に権力... -
2015年2月24日
あきらめこそ勝利の秘訣SPECIAL TRAILERS 佐藤健志氏の新刊『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は...
人気記事ランキング
お知らせ
-
2016年4月5日
宮脇睦氏の連載を開始しました。 -
2016年3月4日
GW休業のご案内(2016) -
2016年2月24日
小浜逸郎氏、顧問就任のお知らせ -
2015年12月8日
年末年始営業のご案内(2015-2016) -
2015年7月24日
岩田温氏の連載を開始しました。
プレスリリース
-
2015年6月4日
「まぐまぐニュース!」の連載がスタートしました。 -
2015年4月22日
「チャンネルAJER」の連載がスタートしました。 -
2014年12月18日
「ベンチャーサポート税理士法人」の連載がスタートしました。 -
2014年10月28日
「月刊WiLL」の記事の掲載がスタートしました。 -
2013年10月22日
株式会社ASREADを設立しました。
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。