松下幸之助と稲盛和夫、新旧「経営の神」に共通した理念とは?
- 2015年8月10日
- 経営
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毎回、有名企業を題材にマネジメントの基礎や戦略を解説してくれる、無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』。今回は、経営の神様と呼ばれる松下幸之助が、京セラ・稲盛和夫に影響を与えた「人の心」を中心とした経営理念について、ご紹介いたします。
トップマネジメントに必要なのは「考え方」
京セラの稲盛さんに経営を教えた人はいません。
ほとんど独学で、「人間として正しいことは何なのか」を基準にして考えてこられたようです。
そんななかでも経営の師匠がいました。
それが松下幸之助さんで、「ダム経営」の「健全な経営を行うために、資金、人材、技術等のダムをつくり余裕のある経営をして行こう」という話で、その方法を聞かれたとき「まず願うことですな。願わないとできませんな」という返答に、ハタと心打たれたと言っておられます。
経営を行う場合、ベストプラクティス(最も良いものを真似る)という方法は確かにありますが。
そのエッセンスとなると、自身の「気付き」意外にありません。
松下幸之助さんの言う「そう願うことですな」が大きな答えのようです。
それと、幸之助さんがよく言われる「血の小便が出るまで考えたことがありますか」という問いかけです。
物まねは大いに大切なことですが、そこからはあるべきことに対するあるべき「気付き」ができるかどうか。
経営は「願うこと」から始まるということに対する稲盛さんの感動がすごいことで、それが意味するものが経営のエッセンスと言えます。
さらに、気付いてからご自身で「考えて、考えて、考えてきた」から、今日の京セラがあります。
経営にとって「心」とは何でしょうか
事業とは「人」が、決められた目的のために行う活動です。
経営の中心は「人」です。
人には「心」があり、「感情」があります。
人は納得したとき、最大の「力」を発揮します。
この人の「心」を松下幸之助さんも稲盛さんもよく知っておられます。
パナソニックには「遵奉すべき七精神」があります。
「宗教は人々の悩みを救う聖なる仕事である。それに対して、事業経営も人間生活に必要な物資を生産提供する聖なる仕事。そこに事業経営の真の使命がある」という考え方をもとにして制定されています。
京セラには、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念があり、さらに経営哲学のエッセンスを箇条書きにまとめられて全従業員に「京セラフィロソフィ手帳」を配付されています。
経営理念は多くの会社で掲げられています。
パナソニックと京セラで違うのは、パナソニックが社名を変更した時、経営者が「七精神」はこれからも経営の核であることを訴え、京セラが「京セラフィロソフィ手帳」を社員に絶えず携帯させ、翻訳もされ海外の子会社に配布されています。
松下幸之助さんは「松下電器は何をつくっていますか」と問われたとき、「私の会社は、人をつくっています」といった話は有名です。
→ 次ページ「松下電器や京セラが根幹とした新しい組織形態とは」を読む
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