爆発反応装甲
爆発反応装甲(ばくはつはんのうそうこう)とは過激化するバラエティ番組・コントに対応すべく新しく開発されたお笑い芸人や売れない芸能人用の衣装である。元祖爆発オチ。
概要[編集 ]
第一次お笑いブーム以降、過度の発展を遂げるお笑い業界において、従来の漫才などのお笑いではとてもではないが眼の肥えた観客を笑わせられなくなったテレビ局と放送プロダクション、構成作家達が作り上げた究極のお笑いアイテムの一つである。この装置はプロデューサーがスイッチ一つで芸人の着ている装甲、つまり服に仕込まれた爆薬が爆発を起こし、それ自体をもって観客や視聴者に笑いを提供する事が可能である。どんなにつまらない芸人でもステージの真ん中で何の脈絡も無く、大爆発する様は一種のシュールな不条理劇にもとられるが、それでも沈静化したステージでは非常に効果的な手段であった。「誰もが一流のリアクション芸人になれる」という事から別名リアクティブアーマーとも呼ばれる。
実戦で用いられたのはドリフターズによるものが最初だといわれている。もともと八時だよ全員集合や大爆笑など笑いのテコ入れなど全く必要なかったドリフターズであったが、その性質上、健康な男子を実験に使用せざるを得なかったという点がある。結果として、爆発後のアフロヘアーなどもありこの実験は成功裏に終わった。
もっとも著名な使用例はダチョウ倶楽部の上島竜平である。彼は通常の数倍の爆薬をつけたリアクティブアーマーを着用し、番組に出演している。このとき、プロデューサーが爆破のスイッチを押そうとした時に上島がそれに気付き、「押すなよ!押すなよ!絶対押すなよ!」と中止を訴えた事は非常に有名である。もちろん、「絶対押すなよ」のタイミングで爆破が敢行された。皮肉にも爆発反応装甲の非道さと有効性が確立し広く知れ渡る一因になった事件である。これ以降、番組において若手芸人が爆発反応装甲の着用を求められた場合には互いに押し付け合い、「俺が着るよ」「いやいや俺が。」「じゃあ俺も」「どうぞどうぞ」のやりとりで押し付け合っている。
爆発反応装甲は現在ではあらゆる笑いの場で使用されており、それは落語などの伝統芸能でも例外ではない。笑点において余りにもつまらない回答があった場合、円楽師匠の合図の下、山田君が爆破のスイッチを押し、落語家の足元の座布団が大爆発を起こして吹き飛ばすシーンは大変有名である。特に菊蔵師匠は2007年度だけで58回も爆破されており、一躍爆発落語家として人気を得ている。またNHKのお笑いオンエアバトルなどの芸人同士で競い合う番組では放送の基準に満たなかった得点しか得られなかった芸人は番組最後にまとめて爆破される。M-1グランプリなどでは数百人まとめて吹き飛ばすため、現在では年の瀬の風物詩になりつつある。
問題点[編集 ]
このように万能を誇る爆発反応装甲だが、無効となる例も多い。まずふかわりょうのようにあまりにもリアクションの少なすぎる芸人には爆発反応装甲といえども笑いを獲得する事は非常に難しい。また南海キャンディーズのしずちゃんの場合、爆薬の量を上島竜平の数倍にした特注の爆発反応装甲(普通の人間なら木っ端微塵になる)をつけたとしても傷ひとつつける事が出来ず、全く笑いが取れなかった。むしろ客席から拍手が沸き起こるなど、しずちゃんの乙女心以外は何も傷つけられなったという皮肉な結果となっている。