桜島線
桜島線(さくらじません)は、かつて鹿児島県 垂水市の海潟温泉駅(実質的には垂水駅)と桜島町(現鹿児島市)の桜島駅を結んでいた鉄道路線(地方交通線)。桜島住民の生活圏である鹿児島市に容易にアクセスできる桜島フェリーから客を奪うことができず、また、観光路線にもなりきれなかったことから、1987年(昭和62年)に大隅線と同時に廃止された。
路線データ(廃止時)[編集 ]
- 管轄:日本国有鉄道
- 区間:海潟温泉 - 桜島
- 軌間:1067mm
- 駅数:6(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
運行形態[編集 ]
西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)から国分経由で桜島線内に乗り入れる急行列車の導入計画もあったが、桜島フェリーに速達性で劣る(桜島フェリーは15分で鹿児島港〜桜島港を結ぶ)ことから実際には行われず、普通列車が1日5〜6往復走る程度だった。線路名称上の起点は海潟温泉駅であるが、すべての列車は垂水駅に乗り入れていた。廃止当時は鹿屋や志布志からの直通列車が1日1往復ずつ乗り入れていた。
歴史[編集 ]
- 1961年4月13日 垂水 - 海潟間が古江線として開業。
- 1972年9月9日 海潟 - 桜島間が開業し、桜島線が全通。同時に海潟駅が海潟温泉駅に改名し、古江線も大隅線に改名。
- 1984年6月22日 第2次特定地方交通線として廃止承認。
- 1987年3月14日 全線廃止。
駅一覧[編集 ]
(垂水駅 -) 海潟温泉駅 - 牛根桜島口駅 - 大隅古里駅 - 東桜島駅 - 赤水駅 - 桜島駅
牛根桜島口駅と東桜島駅の間には複数のトンネルがあった。また、赤水 - 桜島駅間は溶岩道路の景観を損ねることのないよう比較的海側を通っていた。
エピソード[編集 ]
- 桜島は降灰の多さや地形などの理由により土石流が多く、橋梁が危機にさらされることも多かった。昭和59年の土石流災害では野尻川にかかる橋梁が破壊され(この時は並行する国道224号の橋も破壊されている)、半年間の運行休止を余儀なくされた。これ以外でも降灰などによる運転見合わせも多く、桜島線自体の稼働率が低かったことが赤字を助長していた。
- 国道224号の野尻橋前の遮断機は、桜島線の踏切から転用されたものである。この遮断機は野尻川で土石流の危険があるときに危険防止のために作動する。
- 桜島と鹿児島市街地を結ぶ架橋計画があり、この計画が実現した場合は桜島駅から鹿児島駅に接続予定であった。