なつま釣り
なつま釣り(-つ-)は釣り業界で一、二の人気を争う珍魚釣りのひとつである。
以下、本ページでは、釣りの対象であるなつまについて詳述する。
概略[編集 ]
なつまは、世界の温帯域に広く分布しているナツマ科の魚類であるとされる。
なつまは非常に警戒心が強く、人の気配を少しでも感じると逃げてしまうため目撃例は少ない。生活環やその他の特徴からひなまと近縁であると考えられている。
なつまは主に、逃げ水といわれる、夏場に多く見られる特殊な水域に生息している。誕生から産卵を行い死亡するまで1日、長くても1週間程度である。食物はとらないが体内に共生藻がおり、それから養分を得ているものと思われる。卵は乾燥環境にもよく耐え、翌年の繁殖期まで不活性状態で待機する。
こうした生態から、なつまは極度に目撃例の少ない幻の魚として知られている。その肉が高値で取引されているとする噂が絶えないが、その真相は不明である。なつまは非常に美味で滋養に富み、夏ばての特効薬になるなどと言われるが、この点についての研究は進んでいないのが実情である。
信仰とナツマ[編集 ]
古来からナツマは信仰の対象となっており、世界中の神話や物語の中に登場している。これは、なつまがほとんど見ることができないが、確実に存在しているという神秘性に由来していると思われ、各地で「手に届かないもの」や「天空」の象徴とされている。
古代日本では夏季の限られた時期現れるといわれ各地でこの魚を釣る神事が行われた。「夏」とは本来「なつまつりのころ」といっていたものが短縮したものである。現在の神社に存在する鳥居や夏祭りにおいて使われる神輿はひなまやなつまを捕獲する追い込み漁のための漁具をかたどったものである。
アジア各地にそれらに類する行事が現在でも残っており、なつまの分布域の広さを推測することができる。