君の名は。
君の名は。(きみのなは、英:Your name)は、2016年に日本で公開され、日本のみに留まらず世界中で大ヒットを記録した「社会派アニメーション映画」である。現代日本を取り巻く環境をリアルに、忠実に再現したことから、監督の新海誠にはアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞が与えられた。
ストーリー[編集 ]
太平洋戦争を経験し、高度経済成長、バブル期を過ごして、失われた20年に突入しかけたところで定年退職を迎えた立花瀧は、退職金を使って四ツ谷に一軒家を立てるなど充実した生活を送っていたものの、80歳を目前にして認知症を発症、老人ホームに入所し余生を過ごすこととなった。その頃、瀧の初恋相手でもある宮水三葉は、夫に旅立たれ未亡人となっていた。息子夫婦と同居するが、こちらも同じく認知症に陥り、やはり老人ホームに入所した。
老人ホームで退屈に過ごしていた二人であるが、ある日突然体が入れ替わってしまう。周囲は「いよいよここまでボケが進んだか」と呆れ半分で見ていたが、当事者二人は間違いなく入れ替わったと確信を抱いた。しかしながら悲しいかな、認知症を患っている二人は果たして誰と入れ替わったのかが思い出せず、止む無く入れ替わった時には日記などで痕跡を残すようにした。だがこれもまた悲しい性、認知症ということでまともに読める字すら書けずに手がかりを掴むことができない。その中で、時間をかけながらようやくお互いのことが分かり始めたところで入れ替わることはなくなり、入れ替わりの証さえも消えてしまった。
怪しんだ瀧はホームを脱走、道中小学生やら若い女性やらをひき殺したような気もするような運転で、なんとか岐阜県は飛騨にたどり着く。そこで三葉が3年前に点滴に毒物を入れられるも辛うじて生き延びたのち、老人ホームの屋上から職員に投げられて死んでいる事実を知った瀧は、都合よく入れ替われたため、なんとかその過去を変えようと奔走する。
役所や警察に、「あの職員は人を殺す!」などと訴えるが、そもそも痴呆老人である彼女を信じる者などいないため、実力行使に出てなんとかその職員を職務から外すことに成功した。直接会った二人は、互いの名前も覚えていない。そこで同じタイミングで「君の名は。」と尋ねた。しかし認知症の悲しき末路、覚えているわけもなく、結局名前を尋ねあうことどころか自分の名前すら思い出せずに、ずっと何かを探しながら、物語は幕を閉じる。
概要[編集 ]
現在も高齢社会であり、今後は超高齢化社会が訪れる日本。介護の問題はすでに露呈している中で、現代日本の課題点を浮き彫りにしたこの作品は、NHKなどの番組で取り上げられるほどの反響を得、感化された高齢者が、モデルとなった老人ホームなどを訪れる「聖地巡礼」を行い、一大ブームを巻き起こて流行語大賞にノミネートされるほどに至った。
本作は物覚えの悪い高齢者が何度も何度も映画館に通って見る、いわゆる「リピーター」の影響も大きくのも特徴で、興行収入では千と千尋の神隠しに続く日本歴代二位の興行収入をマークしている。
一部からはおくりびとのパクリではないかと指摘されたり、「売れる要素を詰め込みまくったクソ映画」などと酷評されたりしたが、高齢者が新聞の投書などで批判を送りまくって封じ込めるなど、異例ずくめの映画となった。