北
北(きた)とは、多くの先進国が集まっているのをいいことに南に圧政を敷き、不利益を強要している地域のことである。
概要[編集 ]
第二次世界大戦以降、多くの植民地が独立したが、その多くはオセアニア・南アメリカ・アフリカに位置していた。しかし旧宗主国の搾取を受けていたために経済発展をする基盤がなく、工業化もままならないことが多かった。今に至るまでほとんどは世界経済を牽引するほどの力を持てていないが、それでも国際連合においては一国一票、多数決の原則がとられているので理想は実現されている。その内情なんて、誰も気にしない。
歴史[編集 ]
アメリカ[編集 ]
コロンブスによる探検、ヴェスプッチによる新大陸発見に端を発して、まずスペインが植民地建設を開始した。南アメリカには多くの無料労働力が存在していたため、これを用いて大規模な開発が行われた。しかもこれは、スペイン政府によってエンコミエンダ制として公認され、無料労働力を合法的かつ殺人的に酷使した。無料労働力は主にプランテーションにおける労働力とされていたが、プランテーションは商品作物の単一栽培を旨としたため、後世のモノカルチャー経済、それに伴う経済的困窮を準備した。さらに天然痘・インフルエンザを持ち込むことで先住民を激減させることに成功した。
19世紀にはシモン=ボリバルらクリオーリョにより南アメリカ諸国は独立したが、結局のところコーヒー栽培など既存のプランテーションを利用するほかなく、20世紀に至っても経済的には主要な買い手である西欧諸国に依存した。今日では、ブラジルに顕著であるが、工業化を行うためにアマゾンなどの森を切り倒そうとすると、「地球温暖化を防止せよ」「環境保全は経済発展に先立つ」「よくそんなことが言えますね!」などと経済発展済みの国々から糾弾されるために、十分な経済発展が阻害されている。
アジア[編集 ]
ここでは、東南・南アジアに絞って説明する。
東南アジアは古くから香料貿易によって発展した地域だったが、ポルトガルの進出以降ほとんどの地域が西欧諸国に支配された(支配を逃れたタイでさえ、緩衝地帯とするという政治上の理由で残されたものであった)。資源・利益の獲得を目的として、イギリスは海峡植民地において錫・ゴムのプランテーションを行い、オランダはジャワ島で強制栽培制度を実施した。土地も狭く、工業化も進展しなかったため、現在は観光業などに頼らざるを得ない国もある。
南アジア、特にインドでは、イギリスから大量の綿製品が流入したことで伝統的手織り綿織物産業が破壊され、以降綿・藍などのプランテーションを行う原料輸出国に転落した。しかもインドの民族運動であるシパーヒーの反乱を鎮圧してから事実上イギリスの直轄地となり、ベンガル分割令などで宗教対立が煽られ、さらに民族運動を支援するのを建前として、まずインド国民会議を、これが反英化すると全インド=ムスリム連盟を設立させて対立をインド内部に抑え込んだ。ガンディーの運動もむなしく、結局宗教別にパキスタン・インドへと分裂し、カシミール紛争も残った。世界2位の人口を有する同国は、核開発も進めるなど先進技術を持つが、発電を化石燃料に頼り続けているために先進国からのバッシングを受けている。「よくそんなことが言えますね!」
アフリカ[編集 ]
ベルリン会議以降本格化したアフリカ分割により、民族分布も無視した国境線が引かれ、しかも鉱山開発のようなモノカルチャー経済を押し付けたため民族紛争・経済困窮が準備された。1960年にはその多くが独立したが、気候も厳しく、人種差別も残っていて経済発展が抑制された。そのうえ旧宗主国の執着により、コンゴのようにベルギーが介入して大量の死傷者が出るコンゴ動乱が起き、ルワンダで起こった内戦に至っては、100万人の死傷者が出る大規模なものだったにもかかわらず、資源産出も少なく、国際的影響も少ない地域だとみなされたために国際連合からも無視された。ごく一部の例外を除き、アフリカのほぼ全域は先進国への経済的従属が続いている。
打開策[編集 ]
地球温暖化などの問題を引き起こして経済発展を遂げてきた先進国が、同様の手法を取ろうとする発展途上国にはそれを認めないという大変合理的な判断がなされていることによるもので、現実的には解決不能な問題といってよい。現代社会では、先進国こそ正義であって、他国・他地域は搾取の対象なのである。