ガリボリラーメン
ガリポリラーメン(カリポリラーメン、ガリボリラーメン、ゲリボルラーメン)とは、トルコの地中海岸に広まる郷土料理。
概要[編集 ]
ラーメンと名がつくが、元来スープはなく、日本では揚げそばに類する料理である。特産のオリーブオイルで揚げられた麺に、羊肉や鶏肉と、ナスや玉ねぎ、きゅうり、豆類にピスタチオ、アーモンド、ヘーゼルナッツなど木の実であえた餡をかけることが多い。
麺[編集 ]
主に小麦が使用されるが、もち米の場合もある。かつては中央アジア料理の影響で太麺が多かったが、20世紀以後のガリポリラーメンは、縮れた平打ちの細麺を使用することが多い。
麺自体に羊や鶏などの骨を使用した濃厚なだしが練り込まれる。このため味が濃厚に染みており、馬上でそのまま麺だけ食べることも可能であった。揚げて乾燥していることから保存が効き、保存食としても用いられる。日本国内では、ほぼ麺のみの形態であり、極めて安価で販売される。
この麺は、かつては棒状の塊を餡につけて手で食べる方法が多かったが、欧州からフォークやナイフが伝わると共に、丸い揚げ麺に餡をかける様式が主となっている。屋台では伝統的な手でつける形状で供される。馬にこぼすと馬が暴れて落馬する危険があるため、馬上専用の食器が用いられた。一般的な屋台では、この馬上用食器を紙製にした容器(ウスツーンデ クパーシ)に餡を入れて渡される。
つけ合わせ[編集 ]
20世紀初頭には、ガリポリの肉屋と呼ばれたウィストン・チャーチルら、イギリス人の進出により、鶏肉や羊肉が使用されるようになった。クリスマスまでには帰れる、という願いをこめて、ローストチキンを使用する例もみられた。オーストリア産の牛肉やカンガルー肉(アンザック)も使われることがある。
イスラム教国のため日本人・イギリス人向け以外では豚肉はほとんど用いられない。牛肉もトルコ本土では少なく、魚介を用いるダーダネルス海沿岸を除いては、羊肉が一般的である。
ハラール[編集 ]
餡の味付けにはヨーグルトもよく用いられる。トルコでは酒に関する戒律がゆるいためワインなど酒類が使われることもあり、サウジアラビアやイランなど戒律の厳しい国では、一部のガリポリラーメンはハラルの条件を満たさない、というファトワを出し注意を呼びかけている。
また日本で売られているガリポリラーメンには、豚骨だしのものがあり、ムスリムが購入する場合は注意を要する。
現地での呼称[編集 ]
トルコ国内では、ガリポリはゲリボルと発音される。しかし日本では、食品や商品にあるまじき語感になるため、ゲリボルラーメンと呼ばれることは、ほとんどない。ハサンと共に、日本では英語読みされることが多い地名の一つである。代わりにカリポリ、ガリボリなどと呼ばれる場合はある。