多摩ニュータウン事業は、高度経済成長による住宅難への対応と、それに伴う急速なスプロールの防止を目的として、良好な住宅市街地の形成を目指して行われました。
その後、時代の要請に応じて、業務施設を誘導し、多機能複合都市に発展していきました。
しかし現在、初期入居地区では、団地の老朽化、住民の高齢化、近隣センターの活力低下などの課題が顕在化し、再生が必要となっています。
今後、東京都は広域自治体として地元市を技術的に支援しながら、住宅の更新や道路の整備、地域包括ケアと連携したまちづくりなどに取り組むことで多摩ニュータウンの再生を実現していきます。
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初期入居地区における団地の老朽化・住民の高齢化
(老朽化した団地)
[画像:多摩ニュータウン:画像] 多摩ニュータウンの開発は長期間にわたって行われたため、初期入居地区ではまちびらきから40年以上が経過し、老朽化がみられます。
また、これらの団地の高齢化率は、東京都平均に比べて高くなっています。バリアフリー
(エレベーター未設置の住戸)
[画像:多摩ニュータウン:画像] エレベーターが設置されていない団地があるなどバリアフリー化が遅れています。(団地と道路の段差)
[画像:多摩ニュータウン:画像] 道路と団地の間に段差がある団地も多く、高齢者の外出の妨げとなってしまっています。近隣センターの活力低下
近隣センターは、団地内の住民の利便のため、日常の買い物等を行う場として整備されてきました。しかし、初期入居地区の近隣センターでは、ライフスタイルの変化などにより、空き店舗が増加しています。
多摩ニュータウン再生の必要性
魅力ある多摩ニュータウンを後世に受け継ぐために、これらの課題を解決し、確実に再生していく必要があります。
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・多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドラインの策定
東京都は、大規模住宅団地が、そのポテンシャルを活かしながら直面する様々な問題を解決し、地域の活力・魅力の向上につなげることができるよう、その再生のあり方について、学識経験者等による「多摩ニュータウン大規模住宅団地問題検討委員会」を平成23年6月に設置し、その検討結果をもとに、再生の方向性や取組方法などを示した「多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドライン」(PDFファイル668KB)を平成24年6月に取りまとめました。
・「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」の策定
東京都では、「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」を平成30年2月に策定しました。
このガイドラインは、「都市づくりのグランドデザイン」を踏まえ、2040年代の将来像を示すとともに、その実現に向けたまちづくりの方針や都の基本的な考え方などを取りまとめたものです。<関連リンク:多摩ニュータウン地域再生ガイドライン>
多摩ニュータウン地域再生ガイドライン
・諏訪二丁目住宅の建替え支援
東京都や多摩市等が進めている多摩ニュータウン再生の第一歩として、諏訪二丁目住宅の建替え事業が平成25年10 月に竣工しました。地元の多摩市は、建替組合に対して助成を行っており、東京都は、地元市を支援するため、その建設費の一部を補助しています。今回の建替え事業は、居住環境の改善のみならず、地域の活性化や福祉の充実にも寄与するなど、今後の団地再生のモデルともなるものです。
<関連リンク:諏訪二丁目地区の事業概要(PDFファイル287KB)>
・地元市の再生に向けた取組への技術支援
東京都は、「多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドライン」に基づき、地元市の多摩ニュータウン再生に向けたまちづくりの方向性や取組について技術支援を行っています。
多摩市では「多摩ニュータウン再生検討会議」を設置し、平成27年3月に検討結果をとりまとめ、多摩ニュータウン再生方針(案)として公表しました。
その後、検討の深度化を進め、多摩ニュータウン再生方針別ウインドウを開くをとりまとめ、平成27年10月に公表しました。<関連リンク:多摩ニュータウン再生方針が提言されました別ウインドウを開く>
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・「多摩ニュータウンの新たな再生方針検討委員会」について
多摩ニュータウンは、入居開始から50年以上が経過し、人口減少・少子高齢化の進行に加え、都市基盤や住宅・設備の老朽化など課題が顕在化しています。 令和5年10月、東京都は、「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」(平成30年2月策定)を改定し、新たな再生方針を策定することを目的に、学識経験者や地元市等を交えた検討を行うため、「多摩ニュータウンの新たな再生方針検討委員会」を設置しました。
〈参考リンク:(仮称)多摩ニュータウンの新たな再生方針〉・「諏訪・永山再生プロジェクト検討会議」について
東京都と多摩市は、諏訪・永山地区の再生を多摩ニュータウン全体の再生のモデルとするべく、同地区の核である京王・小田急永山駅周辺の再構築や、整備が進展している南多摩尾根幹線沿道の都有地の活用という2つのプロジェクトについて検討する「諏訪・永山再生プロジェクト検討会議」を設置し、各プロジェクトの推進を図っていきます。
・多摩ニュータウン地域再生に係る施設改修支援事業補助金
団地の活用を促進し、多摩ニュータウンにおける地域再生に寄与することを目指し、「多摩ニュータウン地域再生に係る施設改修支援事業補助金交付要綱」を制定しました。
施設の内外装費用等、事業者の方が団地の空き店舗や空き住戸に入居される際に負担する費用の軽減等を目的としています。<多摩ニュータウン地域再生に係る施設改修支援事業補助金交付要綱(PDFファイル300KB)>
・「南大沢駅周辺地区まちづくり方針」の検討
「多摩ニュータウン」エリアの西に位置する南大沢駅の周辺は、商業施設、生活利便施設、東京都立大学などが集まり、将来には、近隣地域で「南多摩尾根幹線道路」や「リニア中央新幹線」が整備されるなど、更なる発展が期待されています。
南大沢駅北側に位置する都有地は、現在アウトレットパークとして利用されているところ、その借地契約が令和7年に終了するため、今後の土地活用について検討を行うこととしています。
学識経験者・行政からなる「南大沢まちづくり方針策定等検討委員会」の意見等を踏まえ、この度、今後の当地区における基本方針や将来像を描いた「南大沢駅周辺地区まちづくり方針」を策定しました。
〈参考リンク:(南大沢駅周辺地区まちづくり方針)〉・「南大沢駅北側都有地活用事業」の事業予定者を決定しました
「南大沢駅北側都有地活用事業」については、令和6年1月に事業実施方針、2月に事業者募集要項を公表し、5月に事業応募者からの提案を受け付け、審査委員会において審査を行ってきました。このたび、審査委員会の審査結果を踏まえ、事業予定者を決定しました。
・都営住宅の建替え
多摩ニュータウンの諏訪団地では、学校跡地を種地として活用し、福祉施設との合築も行いながら、老朽化した住宅を順次、連鎖的に建替えていく予定です。最終的には、今後、整備が進む南多摩尾根幹線道路の沿道に用地を創出し、商業・産業施設を誘導することで、賑わいを生み出していきます。
<多摩ニュータウン諏訪団地の建替えについて(PDFファイル1.6MB)>
・南多摩尾根幹線の整備
南多摩尾根幹線は、一部区間は4車線で整備されているものの、大半は暫定2車線であることから慢性的な渋滞が発生しており、渋滞を避けようとして生活道路に通過交通が流入するなどの課題を抱えています。
そこで、平成27年2月、南多摩尾根幹線の早期整備を図るため、道路構造の基本的な考え方や今後の進め方を定める整備方針を策定しました。・マンション再生の支援
東京都では、老朽化したマンションが集積し、防災や活力などの課題を抱える地域を対象に、まちづくりと連携してマンションの再生を支援する新たな制度の構築に向けて取り組んでいます。
その一環である先行モデル事業の実施地区として、多摩市の諏訪・永山地区などを選定しました。まちづくりと連携した方策について地元自治体との意見交換などを進めており、今後の制度構築につなげていく予定です。・まちの魅力・再生の取組の情報発信
東京都では、多摩ニュータウンの魅力、価値、再生の取組などを国内外に発信し、多摩ニュータウンのブランドアップを目指しています。
[画像:パンフレット日本語] [画像:パンフレット英語]
<関連リンク:多摩ニュータウンの魅力別ウインドウを開く>
・多摩ニュータウンまちづくりステーションの開設について
このたび多摩ニュータウン再生に向けた情報発信拠点として「多摩ニュータウンまちづくりステーション」を第一次入居地区である永山の商業施設「グリナード永山」に開設します。
このステーションでは、多摩ニュータウンの再生に向けた東京都の施策の紹介のほか、多摩ニュータウンの魅力や歴史を知ることができる書籍・映像の展示等を行っていきます。
<参考リンク:多摩ニュータウンまちづくりステーションの開設について>
お問い合わせ先
多摩まちづくり政策部 多摩まちづくり推進課 多摩ニュータウン再生担当
(直通)03-5320-5473
多摩まちづくり政策部 多摩ニュータウン課 再生推進担当
(直通)03-5320-5472