インドネシア・スラバヤ大学訪問団と会議を開催
インドネシアのスラバヤ大学訪問団(5名)が本学を訪問し、交流促進を目的とした会議を開催した。中山と斎藤が会議に出席した。
これから発展が期待できる大きな大学であり、センターとしてスポーツや医学系の共同研究の可能性について議論した。センター教員が所属する医療保健学部でMOUを近日中に締結する予定である。
研究センター
インドネシアのスラバヤ大学訪問団(5名)が本学を訪問し、交流促進を目的とした会議を開催した。中山と斎藤が会議に出席した。
これから発展が期待できる大きな大学であり、センターとしてスポーツや医学系の共同研究の可能性について議論した。センター教員が所属する医療保健学部でMOUを近日中に締結する予定である。
本シンポジウムでは、運動器慢性疼痛の治療戦略における運動療法の第一選択治療としての位置付けを踏まえ、双方向モバイルアプリを活用した運動療法に焦点を当てることが目的である。2021年に発刊された『慢性疼痛診療ガイドライン』によれば、薬物療法や手術的治療に先立ち、すべての患者に対して運動療法の実施が推奨されている。このガイドラインでは、運動療法単独または患者教育、認知行動療法との併用が強く推奨されている。
双方向モバイルアプリを介した運動療法は、通院と通院の間の院外でのリハビリ実施状況や疼痛の変化をアプリを通じて把握することで、疼痛の生物心理社会的モデルの枠組みの中で運動療法の効果をより高めるための新たな手段として注目されている。また、急性期において患部に対して直接的なアプローチが困難な場合でも、患部以外の部位に対する運動療法の適用により、中枢性の疼痛抑制メカニズムを活用し、患部の疼痛軽減や疾患の慢性化の予防が期待できる。このため、運動療法は急性期でも適用可能であり、早期からの積極的な取り組みが重要である。双方向モバイルアプリを利用した運動療法により、患者は自宅での運動を行い、そのデータをリアルタイムで治療者と共有できるため、炎症期からの運動療法の継続が容易になる。これにより、慢性痛の発生予防及び患者の生活の質の向上が期待される。
基盤C(22K11404):腰痛を慢性化させる神経基盤の解明:筋シナジーに基づく新たなバイオマーカーの開発(2022年4月 - 2025年3月)
立石科学技術振興財団 研究助成(A) 経皮的脊髄刺激による下肢筋協調パターンの変調:動作向上のニューロモジュレーション (2024年4月 - 2025年3月)
若手研究 神経・筋協調性の筋放電休止期による評価を基準としたACL損傷予防プログラムの開発(2021年4月 - 20254年3月)
プロサッカーチームとの共同研究について
サッカーでの走行中、ハムストリングスは脚の振り戻し時に最大の長さ、力、および活性化を示す。この段階で、ハムストリングスは屈曲する股関節と急速に伸展する膝を減速させる役割を担っている。そのため高速走行に伴う激しい遠心性収縮が筋肉損傷(肉離れ)を引き起こすリスクを高めるとされている。最近では、GPSや主観的な運動負荷評価(s-RPE)を用いたデバイスが広く利用されるようになり、運動負荷と傷害の関係を調査する研究が進んでいる。プレシーズントレーニング期間中の慢性的な運動負荷が高い選手は、シーズン中のHSIリスクが低減するとの仮説がある。本研究の目的は、プレシーズントレーニング中の慢性的な運動負荷と肉離れの関係を調査することである。
この研究は、日本のエリートプロサッカー選手を対象とした後ろ向きコホート研究である。2021年から2023年のGPSデータおよび主観的データを基に、70人の選手のデータを分析した。プレシーズントレーニング期間中の運動負荷は、過去4週間の平均負荷として定義した。統計解析には単変量および多変量ロジスティック回帰分析を使用し、混乱因子を調整した。
2021年から2023年までで70人のアスリートにおいて、20人の肉離れの発症があった。肉離れを経験した選手は平均19.2±13.7日を欠場し、平均15.5±11.9日をリハビリに費やした。ロジスティック回帰分析の結果、スプリント距離およびスプリント回数の低下が肉離れと有意に関連していることが示された。スプリント距離とスプリント回数のカットオフポイントはそれぞれ842mと33.5回であった。
プレシーズントレーニング期間中に高い運動負荷を維持することで、シーズン中のHSIリスクを低減できる可能性がある。今回の研究結果は、アスリートのフィットネスやHSIの予防に役立つ知見を提供するものであり、今後のトレーニングプログラムの設計において重要な指針となるであろう。
上記の研究については、現在論文執筆中であり7月中に国際誌への投稿を行う予定である。
以下の研究課題を国際誌(JOSPT open)へ投稿した
Neuromechanical Justification of Physical Performance Tests for a Return to Running: A Muscle Coordination Analysis. Hiroki Saito*, PT, PhD, Ayu Yamano, PT, Nanae Suzuki, PT, Kazuya Matsushita, PT, Msc, Hikaru Yokoyama, PhD, Atsushi Sasaki, AT, PhD, Tatsuya Takahashi, MD, Sakiko Ito, PT, PhD, Takashi Nakayama, PT, PhD, Kimitaka Nakazawa, PhD
ランニング復帰のための妥当な検査を健常人にて検討した。研究目的は走行と、走行復帰(RTR)によく用いられる様々な身体能力テスト(PPT)関連のタスク間での共通の筋シナジーを調査し、PPTが走行の神経力学をどれだけ再現できるかを検証することである。方法は健康な男性10名が参加し、走行と9種類のPPT関連タスク(歩行、片脚ホップ(最大距離の30%、60%、100%)、片脚スクワット、様々なバランスタスク)を実施した。下肢および体幹の16個の筋肉の活動を記録し、機械学習の1つである非負値行列因子分解を用いて走行とPPT関連タスク間の共通の筋シナジーを分析した。走行と各PPT関連タスクの間で、共有されるシナジーの割合と時間的パターンを比較した。 結果として、全てのPPT関連タスクは走行と共通の筋シナジーを示したが、特に歩行(75% [40%-100%])、最大距離の30%での片脚ホップ(60% [20%-100%])、およびステップアップダウン(63% [0%-100%])は他のタスクと比べて有意に高い割合の共有シナジーを示した(図参照)。すなわち歩行、30%の片脚ホップ、ステップアップダウンの課題は走行行動の再現性が高いと考えられ今後の研究の動作課題として適切であることが示唆された。