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琴桜 初賜杯!祖父と同じ27歳 大関5場所目でつかんだ栄冠

[ 2024年11月25日 04:45 ]

大相撲九州場所千秋楽 ( 2024年11月24日 福岡国際センター )

初優勝を果たし、賜杯を手に支援者らと喜ぶ琴桜
Photo By 代表撮影

21年ぶりの大関相星決戦は大関・琴桜(27=佐渡ケ嶽部屋)が豊昇龍(25=立浪部屋)をはたき込みで下し、14勝1敗で初優勝を果たした。相撲一家に育ち、今年の夏場所から祖父のしこ名を継承。祖父と同じ27歳、大関5場所目での初Vとなった。今年66勝で初の年間最多勝も達成し飛躍の一年を締めくくった。来年1月の初場所(12日初日、東京・両国国技館)では豊昇龍とともに綱獲りに挑む。

約半世紀の年月を経て「琴桜」が賜杯を手にした。これも運命か。大関昇進から5場所、27歳での初優勝は祖父と同じ。夏場所から祖父のしこ名を継承した琴桜は「そろそろ優勝しないと先代(祖父)に怒られる。間に合って良かった。満足しているわけではないが、自分の中で目標を一つ達成できた」と感無量の表情を浮かべた。

豊昇龍と21年ぶりの大関相星決戦。高ぶりを抑えながら土俵に上がる。相手の突き、押しをあてがうと左から崩し、左をのぞかせた。豊昇龍の右上手投げを残すと足を滑らせバランスを崩した相手をはたき込んだ。「がむしゃらにやったので覚えていない。相手が土俵に落ちて勝ったと実感しました」

佐渡ケ嶽部屋には07年に他界した祖父の遺影、不知火型の綱が飾られている。琴桜は「他の力士となれ合うといざという時に力が出ない」と言う。「鬼になれ」の教えを胸に出番前から近寄りがたい雰囲気を漂わす。初場所の優勝決定戦で横綱・照ノ富士に屈した。場所後に大関昇進を決めても「負けた悔しさの方が強かった」と言う。勝利への執着心は誰よりも強い。

8月の夏巡業はぎっくり腰で思うような調整ができず秋場所は8勝止まり。悔しさのあまり風呂場で絶叫するなど追い込まれていた。それでも腐らず相撲に向き合い、はい上がった。納得のいかない相撲を取った時は部屋に戻って四股を踏む。後援会関係者との会食があっても一人退席して踏み続ける日もあった。「しっかり辛抱してやれば賜杯を抱けるんだと実感しました」と胸を張った。

2歳でまわしを締め、祖父の膝の上で朝稽古を見守った。雪駄(せった)で小学校に通い、先生を困らせたことも。そんな少年が年間最多勝と初優勝の実績を引っさげ、25年は綱獲りに挑む。祖父は大関初優勝から27場所を経て32歳で横綱に昇進した遅咲きだった。「先代にも師匠にもないような相撲を取っていければ。自分らしく強い気持ちで臨みたい」。琴桜が気持ちも新たに祖父に並ぶ最高位を目指す

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