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狩山四段 2度目の相入王目前の熱戦で永瀬九段を破る 藤井棋王挑戦へ16強

[ 2024年6月28日 10:33 ]

将棋の藤井聡太棋王(21)=王将など7冠=への挑戦権を争う、第50期棋王戦挑戦者決定トーナメントの永瀬拓矢九段(31)と狩山幹生四段(22)による対局が27日、東京・将棋会館で指され、持将棋指し直しの末、28日午前午前0時45分、狩山が勝利した。午前10時の対局開始から14時間45分後。2度目の相入王が目前の熱戦になり、持ち時間4時間の将棋の終局時刻としては異例の遅さだった。

持将棋となった最初の将棋は振り駒の結果、永瀬の先手。戦型は角換わりへ進んだ。左辺の囲いに収まった永瀬王に対し、狩山は右王を選択。永瀬が左辺に馬を作って狩山王を追うと、中段へ逃げ出した。131手目、永瀬による飛車のタダ捨てにも目もくれず、132手目で先に入王。永瀬も157手目に入王し、24点法による持将棋が確定する182手まで指し、持将棋が成立した。

終局は午後8時24分で、消費時間は永瀬が3時間52分、狩山は3時間59分。規定により先後を入れ替えて、狩山が持ち時間1時間になるように双方に59分ずつを加算して30分後の午後8時54分から指し直した。

狩山の先手で始まり、戦型は相掛かりになった。9筋の香を犠牲に1歩を得た永瀬が飛車、銀、桂の攻めで8筋の突破を図る。角も入手し、大駒3枚で攻め立てるが、受け将棋で鳴らす狩山が頑強に抵抗。121手目、またも中段へ逃げ出すと、永瀬も1筋から王を入王を目指して進軍した。

ところが狩山は111手目の飛車に続いて145手目、自陣の相手成銀を取ってすぐさま147手目、馬の両取りに駒台へ置いたばかりの銀を打ち付ける。4枚ある大駒のうち3枚目を入手した。

持将棋成立の条件は王以外の大駒を5点、小駒を1点として数え、双方24点以上になること。23点以下なら負けになる。

つまり持将棋における大駒の価値は高く、永瀬は172手目、敵陣3段目に王を進めたが187手目時点で20点、狩山は34点あったため挽回は難しいと判断して投了を告げた。

勝った狩山は挑戦者争いの16強に進出した。岡山県倉敷市出身で21年、大山康晴15世名人以来81年ぶりの同市出身棋士になった。棋風も大山の「負けない将棋」を受け継ぐ21歳が大物食いを果たした。

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