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広瀬八段、連勝王手!先行許すも頑強受けで耐えきった

[ 2020年3月7日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第5局第2日 ( 2020年3月6日 大阪市中央区・KKRホテル大阪 )

第5局を制し、ライトアップされた大阪城を背に、ポーズを決める広瀬八段(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

挑戦者・広瀬章人八段(33)が渡辺明王将(35)に162手で勝ち、3勝2敗で初めての王将位へ王手をかけた。相矢倉の脇システムから渡辺に先行を許したが、攻め将棋の広瀬が頑強な受けで耐えしのぎ、今期初めてリードを奪った。終局は午後7時36分。第6局は13、14日に佐賀県上峰町の大幸園で指される。

対局場隣に棋士らが集う控室では「分からない」「終局が見えない」との嘆きが漏れた。対局場から望む大阪城天守閣がライトアップ照明で青白く浮かび上がっても、指し手の真意を測りかねるとともに、今期一番の熱戦への称賛の言葉が相次いだ。

125手目さんかく2五香で渡辺が、134手目しろさんかく8八銀で広瀬が今期初、両者1分将棋へ突入。正座の前傾姿勢が深くなり、特に渡辺は将棋盤に覆いかぶさるほど読みに没頭した。控室での形勢判断の針が広瀬へ傾きだしたのは、広瀬王が渡辺の追っ手をかいくぐり五段目へ進出した150手目。渡辺の前傾姿勢が元に直り、間もなく静かに投了を告げた。

「(2日目に)形勢を悪くした。指し方が下手だったのかな」。広瀬は喜びより非勢を語り勝利を確信できたのは156手目しろさんかく3八王と敵陣深く進入して詰みのないことを確認できてからと明かした。

一昨年末の竜王以来となるタイトル奪取への執念が、勝利をたぐり寄せた。92手目しろさんかく8二飛(第1図)。さんかく2四歩と王頭に火が付いてもさらに構わずしろさんかく6三歩。飛車の横利きを通す辛抱を結実させた。攻め将棋の広瀬が受けて受けてつかみとった今期初のブレーク。後手番での勝利で通算3期目のタイトルへにじり寄った。

過去68期の王将戦7番勝負で第5局を2勝2敗のタイで迎えたのは15期ある。改めて3番勝負となり、第5局を勝った側がシリーズを制したのは9期。つまり勝率6割。近いようで遠いあと1勝とも言えそうだ。

「次局へ向けてしっかり準備したい」と広瀬。決戦は1週間後だ。

▼広瀬章人八段 先に香車を1枚得したがしばらく指したら形勢が悪くなってしまった。最後は際どい場面がたくさんあり、さんかく2八歩にしろさんかく3八王とかわして詰まないような気がした。

▼渡辺明王将 寄せの方針がちぐはぐだった。受けるなら受ける、攻めるなら攻めるとはっきりさせるべきで終盤は中途半端な指し方をしてしまった。(第6局が)来週すぐあるので最後まで精いっぱい頑張りたい。

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