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奈良新聞掲載記事集

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奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

奈良県での柿生産

奈良県は柿の栽培面積と出荷量で和歌山県に次いで全国第二位を誇ります。栽培面積は約1800ヘクタールで、大和高田市よりもやや広いくらいです。出荷量は約2万5千トンで、年間に奈良県でとれる柿を横に並べていくとおよそ1億個で1万キロメートルにもなり、奈良〜フランス・パリよりも長くなります。
ここで柿がどのように栽培されているかについて説明します。秋の収穫後、冬の間に枝を切って芽の数を減らす剪定(せんてい)、5月につぼみの数を減らす摘蕾(てきらい)、7月に実をさらに減らす摘果(てきか)が行われます。実の数を減らして栄養を集中させることで、大きくて甘い柿ができます。ほかにも肥料やたい肥をまいたり、病害虫の防除や除草作業があります。秋に実が色づいて収穫の時期になると、実が傷つかないよう細心の注意を払いながら品種ごとに収穫され、選果場等で品質や大きさで等級・階級分けされます。なお、渋柿の品種はそのままでは渋くて食べられないので、施設で渋抜きされます。その後、市場、卸売業者、小売業者をとおして消費者のみなさんの手元に届きます。
奈良県では、渋柿の「刀根早生(とねわせ)」や甘柿の「富有(ふゆう)」の栽培が多く、品種の構成が偏っていることで収穫作業などが集中し、問題となっています。そこで、県では「刀根早生」と「富有」の間の時期に収穫できる新品種の育成を進めています。
また、柿の生産現場では労働力不足が問題となっています。そこで、作業が楽になるように低い木に仕立てる技術の導入を検討しています。柿では一般的に種をまいて育てた台木に増やしたい「富有」などの品種の枝を接ぎ木して苗木を作りますが、この台木に『わい性台木』を使うことで低い木となります。また、苗木を通常よりも狭く植え、隣りあった苗木を連結して低く仕立てる『ジョイント栽培』という技術もあります。

【豆知識】

柿は季節になるとスーパーだけでなく、直売所でも買うことができます。軒先で販売している生産者もあり、県内で開かれる様々なイベントでも買うことができます。また、県内で柿の収穫体験ができる観光農園もいくつかあります。
奈良県で作られている主な柿の出回る時期と特徴を紹介しますので、ご自身の好みの品種を見つけてみてはいかがでしょうか。
・刀根早生(9月中旬〜10月末頃)・平核無(10月中旬〜11月10日頃)
渋柿ですが渋抜きされてから出回ります。形は四角に近くやや小さめです。果肉はジューシーで甘いです。種は入っていません。
・富有(11月〜12月上旬)
甘柿で、形は丸くて大きいです。「刀根早生」に比べてやや固めの食感で、甘いです。通常種が入っています。
・冷蔵柿(12月中旬〜2月)
「富有」をフィルムで包装して冷蔵保存したもので、冬にも柿を味わうことができます。

(写真:ジョイント栽培の様子)

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令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

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平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
(注記)過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

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