NEWS&TOPICS
- HOME
- NEWS&TOPICS
- アズキの多元的な栽培植物化の過程を解明
アズキの多元的な栽培植物化の過程を解明
2025年09月30日更新学科レポート
[アクティブラーナーズコース]
岡山理科大学基盤教育センター那須浩郎准教授と山東大学、セントルイス・ワシントン大学、オレゴン大学などとの共同研究の成果がPNAS誌(米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。
国際研究チームは、東アジアの栽培植物と農耕の起源を探求する一環として、中国の黄河流域で最古となる9000年前頃のアズキの炭化種子を発見しました。アワ・キビ・イネなどの栽培植物を伴うことから、アズキも、雑穀やイネと同様にこの頃から栽培が開始されていた可能性が示されました。さらに、中国、韓国、日本で出土したアズキのサイズの時系列変化を調べたところ、4000年前頃までには各地でそれぞれ種子サイズの大型化が見られ、各地で独自にドメスティケーション(栽培植物化)が進んでいたことが明らかになりました。
このことは、アズキが東アジアのどこかひとつの地域で進化したのではなく、各地で多元的に進化していた可能性を示唆します。ただし、進化の過程には地域差が見られ、中国や韓国よりも日本のアズキの方が急激に大型化しており、当時の環境条件と食文化が影響した可能性を指摘出来ました。
先行研究の遺伝学的研究の結果では、アズキの日本起源が示されていますが、この結果と統合すると、3000年前以降のどこかの時点で日本のアズキが大陸に伝わり、日本の赤くて大きいアズキが大陸でも好まれたため広まり、現在は日本起源のアズキしか栽培されなくなったと考えることができます。
このことは、アズキが東アジアのどこかひとつの地域で進化したのではなく、各地で多元的に進化していた可能性を示唆します。ただし、進化の過程には地域差が見られ、中国や韓国よりも日本のアズキの方が急激に大型化しており、当時の環境条件と食文化が影響した可能性を指摘出来ました。
先行研究の遺伝学的研究の結果では、アズキの日本起源が示されていますが、この結果と統合すると、3000年前以降のどこかの時点で日本のアズキが大陸に伝わり、日本の赤くて大きいアズキが大陸でも好まれたため広まり、現在は日本起源のアズキしか栽培されなくなったと考えることができます。