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疑似ウイルス中和試験で明らかにされた野生株およびワクチン株ポリオの抗原性の違い

疑似ウイルス中和試験で明らかにされた野生株およびワクチン株ポリオの抗原性の違い

2019年8月26日

Evaluation of antigenic differences between wild and Sabin vaccine strains of poliovirus using the pseudovirus neutralization test.

Minetaro Arita and Masae Iwai-Itamochi

Scientific reports, 9:11970, 2019

小児麻痺(ポリオ)流行に対する日本における集団免疫を評価・維持するために、ポリオウイルスに対する中和抗体の保有率調査が行われてきました。しかし、近年、2型ポリオウイルスの管理基準が厳格になり、中和抗体価測定試験におけるウイルスの使用が制限され、試験を継続するための方法論が模索されています。

今回、国立感染症研究所と富山県衛生研究所との共同研究により、疑似ウイルスを用いた中和抗体価測定試験法を開発しました。疑似ウイルスは、感染性ウイルスを産生しないため、ウイルスが伝播するリスクがありません。結果、ワクチン株のカプシドを持った疑似ウイルスを用いた中和試験は、感染性ウイルスを用いる従来法と一致した測定結果を与えることを明らかにしました。この成果は、厳格なウイルス管理条件の下で中和抗体保有率調査を継続できる見通しを与えるものと期待されます。

[画像:virology-2019-9.png]

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