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新型コロナウイルス:国立感染症研究所が開発した細胞で分離に成功

新型コロナウイルス:国立感染症研究所が開発した細胞で分離に成功

2020年1月31日

国立感染症研究所ウイルス第三部で、新型コロナウイルスの分離に成功しました(図1)。使用した細胞はVeroE6/TMPRSS2細胞(TMPRSS2というプロテアーゼを発現している)です。臨床検体を接種後、細胞の形状変化を観察し、多核巨細胞の出現を捉えました。

細胞上清中のウイルスゲノムを抽出して、ほぼ全長のウイルスゲノムの配列を確定しました。これは、最初に発表されたウイルスの遺伝子配列と99.9%の相同性がありました。

分離したウイルスを用いて、ウイルス感染機構及び病原性の解析、ウイルス検査法・抗ウイルス薬・ワクチンなどの開発を進める予定です。また、新型コロナウイルス対策に役立てるため、ウイルスと細胞は国内外に広く配布する予定です。

以下の写真は、「感染症 画像・映像アーカイブ」の記事で一般に配布しております。

[画像:2019nCoV-200130monos_niid.jpg]

図1:当研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像。粒状の粒子の上にコロナウイルス特有の冠状のスパイクタンパク質が観察できます。

[画像:2019nCoV-200130cellculture_niid.jpg]

図2:VeroE6/TMPRSS2細胞に出現した新型コロナウイルスによる細胞変性像。画面の中央に多数の核の集積像(多核巨細胞像)が確認できます。

[画像:2019nCoV-200130fluoro_niid.jpg]

図3:2019-nCoVに感染した細胞の蛍光抗体染色像

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