令和6年7月中国際収支状況(速報)の概要

令和6年9月9日

財務省

令和6年7月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく1兆155億円	▲さんかく5,813億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく4,827億円	▲さんかく5,899億円	(赤字転化)
		輸出	9兆4,171億円	+8,366億円	(+9.7%増加)
		輸入	9兆8,999億円	+1兆4,265億円	(+16.8%増加)
	サービス収支		▲さんかく5,328億円	+86億円	(赤字幅縮小)
第一次所得収支			4兆4,410億円	+8,916億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく2,325億円	+1,077億円	(赤字幅縮小)
経常収支			3兆1,930億円	+4,180億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「第一次所得収支」が黒字幅を拡大したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく1兆155億円の赤字(前年同月比▲さんかく5,813億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字に転化したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく4,827億円の赤字(前年同月比▲さんかく5,899億円赤字転化)

輸入額の増加が輸出額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は赤字に転化した。

輸出:9兆4,171億円(前年同月比+8,366億円[+9.7%]増加、8か月連続の増加)
輸入:9兆8,999億円(前年同月比+1兆4,265億円[+16.8%]増加、4か月連続の増加)

[参考1]令和6年7月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局8月29日付公表)

(1) 輸出:9兆6,127億円(確報値:前年同月比+8,885億円[+10.2%]増加、数量:同▲さんかく5.2%減少、価格:同+16.3%増加)

「商品別」では、半導体等電子部品(同+1,115億円[+25.2%])、自動車(同+982億円[+6.2%]、数量:同▲さんかく6.9%)、半導体等製造装置(同+803億円[+27.8%]、数量:同▲さんかく3.2%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+6,689億円[+15.1%])、北米(同+1,595億円[+8.3%])等が増加。

(2) 輸入:10兆2,414億円(9桁速報値:前年同月比+1兆4,559億円[+16.6%]増加、数量:同+4.4%増加、価格:同+11.6%増加)

「商品別」では、医薬品(同+1,550億円[+45.5%]、数量:同+10.8%)、通信機(同+1,244億円[+47.1%])、原粗油(同+1,026億円[+12.7%、数量:同▲さんかく8.0%])等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+8,029億円[+19.3%])、北米(同+2,353億円[+21.7%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:87.93米ドル/バレル(前年同月比+9.2%)
円ベース:88,326円/キロリットル(前年同月比+22.5%)

(2) サービス収支:▲さんかく5,328億円の赤字(前年同月比+86億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(7月):3,292,500人(前年同月比+41.9%)

出国日本人数(7月):1,048,800人(前年同月比+17.6%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:4兆4,410億円の黒字(前年同月比+8,916億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		7月	前月
直接投資		2兆9,602億円	1兆5,195億円
証券投資		5兆6,902億円	5,069億円
	株式・投資ファンド持分	9,007億円	▲さんかく5,852億円
	中長期債	▲さんかく4兆1,456億円	▲さんかく1兆8,668億円
	短期債	8兆9,352億円	2兆9,589億円
金融派生商品		6,788億円	9,931億円
その他投資		▲さんかく2兆14億円	▲さんかく2兆8,236億円
外貨準備		▲さんかく4兆9,955億円	▲さんかく4,326億円
金融収支		2兆3,323億円	▲さんかく2,367億円

「証券投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が2兆3,323億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆8,139億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:5,995億円の資産増

投資信託委託会社等が買い越しとなったことから、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく1兆9,001億円の資産減

銀行等(銀行勘定)が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:▲さんかく1,463億円の負債減

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債減(回収超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく3,012億円の負債減

電気機器等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:2兆2,456億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

158.06円/米ドル(前年同月:141.21円/米ドル、前年同月比11.9%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

171.09円/ユーロ(前年同月:155.94円/ユーロ、前年同月比9.7%の円安)