令和5年12月中国際収支状況(速報)の概要

令和6年2月8日

財務省

令和5年12月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく2,677億円	+1兆2,480億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		1,155億円	+1兆3,544億円	(黒字転化)
		輸出	9兆5,384億円	+8,164億円	(+9.4%増加)
		輸入	9兆4,229億円	▲さんかく5,380億円	(▲さんかく5.4%減少)
	サービス収支		▲さんかく3,833億円	▲さんかく1,064億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			1兆2,624億円	▲さんかく4,447億円	(黒字幅縮小)
第二次所得収支			▲さんかく2,503億円	▲さんかく685億円	(赤字幅拡大)
経常収支			7,443億円	+7,348億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したことから、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく2,677億円の赤字(前年同月比+1兆2,480億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が黒字に転化したことから、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:1,155億円の黒字(前年同月比+1兆3,544億円黒字転化)

輸出額が輸入額を上回ったことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

輸出:9兆5,384億円(前年同月比+8,164億円[+9.4%]増加、2か月ぶりの増加)
輸入:9兆4,229億円(前年同月比▲さんかく5,380億円[▲さんかく5.4%]減少、9か月連続の減少)

[参考1]令和5年12月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局1月30日付公表)

(1) 輸出:9兆6,434億円(確報値:前年同月比+8,565億円[+9.7%]増加、数量:同+2.9%増加、価格:同+6.6%増加)

「商品別」では、自動車(同+4,673億円[+35.9%]、数量:同+20.2%)、船舶(同+1,212億円[+313.2%]、数量:同+424.7%)、自動車の部分品(同+452億円[+13.6%]、数量:同+6.4%)等が増加。
「主要地域別」では、対北米(同+4,242億円[+23.2%])、アジア(同+1,421億円[+3.0%])等が増加。

(2) 輸入:9兆5,745億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく7,103億円[▲さんかく6.9%]減少、数量:同▲さんかく3.1%減少、価格:同▲さんかく4.0%減少)

「商品別」では、石炭(同▲さんかく3,922億円[▲さんかく49.0%]、数量:同▲さんかく12.0%)、液化天然ガス(同▲さんかく1,598億円[▲さんかく19.6%]、数量:同+7.2%)、医薬品(同▲さんかく1,358億円[▲さんかく27.3%]、数量:同▲さんかく8.5%)等が減少。
「主要地域別」では、対大洋州(同▲さんかく3,606億円[▲さんかく29.8%])、北米(同▲さんかく867億円[▲さんかく6.9%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:90.22米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく5.1%)
円ベース:83,476円/キロリットル(前年同月比+1.1%)

(2) サービス収支:▲さんかく3,833億円の赤字(前年同月比▲さんかく1,064億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したことから、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(12月):2,734,000人(前年同月比+99.5%)

出国日本人数(12月):947,900人(前年同月比+119.3%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:1兆2,624億円の黒字(前年同月比▲さんかく4,447億円黒字幅縮小)

「直接投資収益」が黒字幅を縮小したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を縮小した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		12月	前月
直接投資		2兆2,162億円	1兆5,616億円
証券投資		1兆5,454億円	▲さんかく5兆5,198億円
	株式・投資ファンド持分	821億円	▲さんかく1兆4,767億円
	中長期債	2兆7,250億円	▲さんかく2兆8,748億円
	短期債	▲さんかく1兆2,616億円	▲さんかく1兆1,683億円
金融派生商品		1,757億円	7,198億円
その他投資		▲さんかく3兆4,380億円	3兆5,170億円
外貨準備		2,444億円	8,085億円
金融収支		7,437億円	1兆871億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が7,437億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:3兆249億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく1兆1,703億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:1兆839億円の資産増

信託銀行(信託勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:8,087億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく1兆2,524億円の負債減

食料品等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく1兆6,411億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

144.07円/米ドル(前年同月:134.93円/米ドル、前年同月比6.8%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

157.19円/ユーロ(前年同月:142.7円/ユーロ、前年同月比10.2%の円安)