令和5年11月中国際収支状況(速報)の概要

令和6年1月12日

財務省

令和5年11月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく6,994億円	+9,461億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		▲さんかく7,241億円	+7,969億円	(赤字幅縮小)
		輸出	8兆6,239億円	▲さんかく4,043億円	(▲さんかく4.5%減少)
		輸入	9兆3,481億円	▲さんかく1兆2,012億円	(▲さんかく11.4%減少)
	サービス収支		247億円	+1,493億円	(黒字転化)
第一次所得収支			2兆8,949億円	▲さんかく7,392億円	(黒字幅縮小)
第二次所得収支			▲さんかく2,700億円	▲さんかく536億円	(赤字幅拡大)
経常収支			1兆9,256億円	+1,533億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく6,994億円の赤字(前年同月比+9,461億円)赤字幅縮小)

「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:▲さんかく7,241億円の赤字(前年同月比+7,969億円赤字幅縮小)

輸入額の減少が輸出額の減少を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を縮小した。

輸出:8兆6,239億円(前年同月比▲さんかく4,043億円 [▲さんかく4.5%]減少、3か月ぶりの減少)
輸入:9兆3,481億円(前年同月比▲さんかく1兆2,012億円[▲さんかく11.4%]減少、8か月連続の減少)

[参考1]令和5年11月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局12月27日付公表)

(1) 輸出:8兆8,196億円(確報値:前年同月比▲さんかく172億円[▲さんかく0.2%]減少、数量:同▲さんかく5.6%減少、価格:同+5.8%増加)

「商品別」では、鉄鋼(同▲さんかく481億円[▲さんかく11.6%]、数量:同▲さんかく7.0%])、半導体等製造装置(同▲さんかく334億円[▲さんかく10.6%]、数量:同▲さんかく18.7%])、船舶(同▲さんかく329億円[▲さんかく23.1%]、数量:同▲さんかく12.7%])等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく1,946億円[▲さんかく4.1%])、中南米(同▲さんかく47億円[▲さんかく1.2%])等が減少。

(2) 輸入:9兆5,999億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく1兆2,945億円[▲さんかく11.9%]減少、数量:同▲さんかく3.4%減少、価格:同▲さんかく8.8%減少)

「商品別」では、石炭(同▲さんかく3,809億円[▲さんかく48.0%]、数量:同▲さんかく7.6%)、液化天然ガス(同▲さんかく2,557億円[▲さんかく34.1%]、数量:同▲さんかく3.9%)、原粗油(同▲さんかく1,406億円[▲さんかく11.5%]、数量:同▲さんかく7.8%)等が減少。
「主要地域別」では、対大洋州(同▲さんかく4,185億円[▲さんかく36.9%])、アジア(同▲さんかく3,330億円[▲さんかく6.7%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:93.85米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく6.6%)
円ベース:88,741円/キロリットル(前年同月比▲さんかく4.0%)

(2) サービス収支:247億円の黒字(前年同月比+1,493億円黒字転化)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は黒字に転化した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(11月):2,440,800人(前年同月比+161.2%)

出国日本人数(11月):1,027,100人(前年同月比+170.9%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:2兆8,949億円の黒字(前年同月比▲さんかく7,392億円黒字幅縮小)

「証券投資収益」が黒字幅を縮小したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を縮小した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		11月	前月
直接投資		1兆5,616億円	1兆6,279億円
証券投資		▲さんかく5兆5,198億円	3兆9,989億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく1兆4,767億円	▲さんかく1兆7,568億円
	中長期債	▲さんかく2兆8,748億円	3兆2,594億円
	短期債	▲さんかく1兆1,683億円	2兆4,963億円
金融派生商品		7,198億円	8,370億円
その他投資		3兆5,170億円	▲さんかく5兆102億円
外貨準備		8,085億円	3,113億円
金融収支		1兆871億円	1兆7,649億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が1兆871億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆1,251億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく3,579億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(回収超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく1兆1,711億円の資産減

銀行等(銀行勘定)が売り越しとなったこと等から、資産減(回収超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:5,635億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:1兆1,188億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:1兆7,037億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

149.83円/米ドル(前年同月:142.44円/米ドル、前年同月比5.2%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

161.94円/ユーロ(前年同月:145.07円/ユーロ、前年同月比11.6%の円安)