令和5年8月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年10月10日

財務省

令和5年8月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく1兆524億円	+2兆682億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		▲さんかく7,495億円	+1兆7,113億円	(赤字幅縮小)
		輸出	7兆8,935億円	▲さんかく2,079億円	(▲さんかく2.6%減少)
		輸入	8兆6,430億円	▲さんかく1兆9,192億円	(▲さんかく18.2%減少)
	サービス収支		▲さんかく3,029億円	+3,568億円	(赤字幅縮小)
第一次所得収支			3兆6,387億円	▲さんかく3,173億円	(黒字幅縮小)
第二次所得収支			▲さんかく3,065億円	▲さんかく1,459億円	(赤字幅拡大)
経常収支			2兆2,797億円	+1兆6,050億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく1兆524億円の赤字(前年同月比+2兆682億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:▲さんかく7,495億円の赤字(前年同月比+1兆7,113億円赤字幅縮小)

輸入額の減少が輸出額の減少を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を縮小した。

輸出:7兆8,935億円(前年同月比▲さんかく2,079億円 [▲さんかく2.6%]減少、2か月連続の減少)
輸入:8兆6,430億円(前年同月比▲さんかく1兆9,192億円[▲さんかく18.2%]減少、5か月連続の減少)

[参考1]令和5年8月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局9月28日付公表)

(1) 輸出:7兆9,945億円(確報値:前年同月比▲さんかく660億円[▲さんかく0.8%]減少、数量:同▲さんかく5.2%減少、価格:同+4.7%増加)

「商品別」では、鉱物性燃料(同▲さんかく1,618億円[▲さんかく63.7%])、半導体等製造装置(同▲さんかく1,262億円[▲さんかく36.3%]、数量:同▲さんかく45.4%])、有機化合物(同▲さんかく361億円[▲さんかく19.2%])等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく4,019億円[▲さんかく8.8%])、大洋州(同▲さんかく170億円[▲さんかく6.7%])等が減少。

(2) 輸入:8兆9,323億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく1兆9,187億円[▲さんかく17.7%]減少、数量:同▲さんかく7.2%減少、価格:同▲さんかく11.3%減少)

「商品別」では、石炭(同▲さんかく4,151億円[▲さんかく48.6%]、数量:同▲さんかく14.3%)、液化天然ガス(同▲さんかく3,782億円[▲さんかく43.0%]、数量:同▲さんかく9.6%)、原粗油(同▲さんかく3,179億円[▲さんかく24.2%]、数量:同▲さんかく1.4%)等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく6,198億円[▲さんかく12.9%])、大洋州(同▲さんかく4,960億円[▲さんかく39.7%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:82.08米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく27.0%)
円ベース:73,500円/キロリットル(前年同月比▲さんかく23.2%)

(2) サービス収支:▲さんかく3,029億円の赤字(前年同月比+3,568億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(8月):2,156,900人(前年同月比+1,169.5%)

出国日本人数(8月):1,201,200人(前年同月比+210.9%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆6,387億円の黒字(前年同月比▲さんかく3,173億円黒字幅縮小)

「直接投資収益」が黒字幅を縮小したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を縮小した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		8月	前月
直接投資		3兆2,249億円	3兆5,986億円
証券投資		9兆1,133億円	2兆3,628億円
	株式・投資ファンド持分	6,380億円	▲さんかく2兆7,606億円
	中長期債	2兆3,031億円	1,702億円
	短期債	6兆1,722億円	4兆9,533億円
金融派生商品		1兆2,487億円	8,517億円
その他投資		▲さんかく11兆2,719億円	▲さんかく4兆7,826億円
外貨準備		6,729億円	2,648億円
金融収支		2兆9,879億円	2兆2,953億円

「証券投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が2兆9,879億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:3兆1,087億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく590億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:2兆28億円の資産増

信託銀行(信託勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:▲さんかく1,161億円の負債減

海外企業による本邦企業への出資の回収等がみられ、負債減(回収超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく6,971億円の負債減

電気機器等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく3,002億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

144.77円/米ドル(前年同月:135.24円/米ドル、前年同月比7.0%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

157.88円/ユーロ(前年同月:136.88円/ユーロ、前年同月比15.3%の円安)