令和5年7月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年9月8日

財務省

令和5年7月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく4,673億円	+1兆5,307億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		682億円	+1兆2,525億円	(黒字転化)
		輸出	8兆5,558億円	▲さんかく536億円	(▲さんかく0.6%減少)
		輸入	8兆4,876億円	▲さんかく1兆3,061億円	(▲さんかく13.3%減少)
	サービス収支		▲さんかく5,355億円	+2,782億円	(赤字幅縮小)
第一次所得収支			3兆5,781億円	+4,863億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく3,390億円	▲さんかく1,339億円	(赤字幅拡大)
経常収支			2兆7,717億円	+1兆8,831億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく4,673億円の赤字(前年同月比+1兆5,307億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が黒字に転化したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:682億円の黒字(前年同月比+1兆2,525億円黒字転化)

輸出額が輸入額を上回ったことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

輸出:8兆5,558億円(前年同月比▲さんかく536億円 [▲さんかく0.6%]減少、2か月ぶりの減少)
輸入:8兆4,876億円(前年同月比▲さんかく1兆3,061億円[▲さんかく13.3%]減少、4か月連続の減少)

[参考1]令和5年7月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局8月30日付公表)

(1) 輸出:8兆7,243億円(確報値:前年同月比▲さんかく287億円[▲さんかく0.3%]減少、数量:同▲さんかく3.2%減少、価格:同+3.0%増加)

「商品別」では、鉱物性燃料(同▲さんかく1,197億円[▲さんかく60.0%])、半導体等製造装置(同▲さんかく1,042億円[▲さんかく26.6%]、数量:同▲さんかく33.8%])、半導体等電子部品(同▲さんかく767億円[▲さんかく14.8%])等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく6,753億円[▲さんかく13.3%])等が減少。

(2) 輸入:8兆7,906億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく1兆3,844億円[▲さんかく13.6%]減少、数量:同▲さんかく4.4%減少、価格:同▲さんかく9.6%減少)

「商品別」では、石炭(同▲さんかく3,593億円[▲さんかく44.8%]、数量:同▲さんかく9.0%)、原粗油(同▲さんかく3,393億円[▲さんかく29.7%]、数量:同▲さんかく2.9%)、液化天然ガス(同▲さんかく3,326億円[▲さんかく42.3%]、数量:同▲さんかく17.4%)等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく5,448億円[▲さんかく11.6%])、大洋州(同▲さんかく3,837億円[▲さんかく32.5%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:80.47米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく30.8%)
円ベース:72,053円/キロリットル(前年同月比▲さんかく27.6%)

(2) サービス収支:▲さんかく5,355億円の赤字(前年同月比+2,782億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(7月):2,320,600人(前年同月比+1,505.1%)

出国日本人数(7月):891,600人(前年同月比+220.8%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆5,781億円の黒字(前年同月比+4,863億円黒字幅拡大)

「証券投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		7月	前月
直接投資		3兆5,986億円	1兆6,409億円
証券投資		2兆3,628億円	▲さんかく2兆3,935億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく2兆7,606億円	▲さんかく1兆7,398億円
	中長期債	1,702億円	3兆2,388億円
	短期債	4兆9,533億円	▲さんかく3兆8,925億円
金融派生商品		8,517億円	1兆1,518億円
その他投資		▲さんかく4兆7,826億円	4,235億円
外貨準備		2,648億円	▲さんかく2,775億円
金融収支		2兆2,953億円	5,452億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が2兆2,953億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:3兆3,545億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく1兆8,379億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく1兆7,972億円の資産減

銀行等(銀行勘定)が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:▲さんかく2,440億円の負債減

海外企業による本邦企業への出資の回収等がみられ、負債減(回収超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:9,227億円の負債増

銀行等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく1兆9,674億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

141.21円/米ドル(前年同月:136.63円/米ドル、前年同月比3.4%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

155.94円/ユーロ(前年同月:139.31円/ユーロ、前年同月比11.9%の円安)