令和5年6月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年8月8日

財務省

令和5年6月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく295億円	+1兆3,316億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		3,287億円	+1兆4,335億円	(黒字転化)
		輸出	8兆6,302億円	+429億円	(+0.5%増加)
		輸入	8兆3,016億円	▲さんかく1兆3,905億円	(▲さんかく14.3%減少)
	サービス収支		▲さんかく3,582億円	▲さんかく1,018億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			1兆6,825億円	▲さんかく1,670億円	(黒字幅縮小)
第二次所得収支			▲さんかく1,441億円	▲さんかく1,536億円	(赤字転化)
経常収支			1兆5,088億円	+1兆110億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が黒字に転化したことから、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく295億円の赤字(前年同月比+1兆3,316億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が黒字に転化したことから、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:3,287億円の黒字(前年同月比+1兆4,335億円黒字転化)

輸出額が輸入額を上回ったことから、「貿易収支」は黒字に転化した。

輸出:8兆6,302億円(前年同月比+429億円 [+0.5%]増加、2か月ぶりの増加)
輸入:8兆3,016億円(前年同月比▲さんかく1兆3,905億円[▲さんかく14.3%]減少、3か月連続の減少)

[参考1]令和5年6月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局7月28日付公表)

(1) 輸出:8兆7,438億円(確報値:前年同月比+1,299億円[+1.5%]増加、数量:同▲さんかく4.8%減少、価格:同+6.6%増加)

「商品別」では、自動車(同+5,206億円[+49.7%]、数量:同+30.6%)、建設用・鉱山用機械(同+607億円[+45.8%])、船舶(同+370億円[+32.8%]、数量:同+18.8%])等が増加。
「主要地域別」では、対北米(同+2,061億円[+12.4%])、中東(同+659億円[+30.0%])等が増加。

(2) 輸入:8兆7,007億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく1兆2,881億円[▲さんかく12.9%]減少、数量:同▲さんかく6.0%減少、価格:同▲さんかく7.4%減少)

「商品別」では、原粗油(同▲さんかく4,191億円[▲さんかく36.2%]、数量:同▲さんかく14.8%)、石炭(同▲さんかく2,608億円[▲さんかく37.5%]、数量:同▲さんかく10.8%)、液化天然ガス(同▲さんかく1,956億円[▲さんかく33.2%]、数量:同▲さんかく22.0%)等が減少。
「主要地域別」では、対中東(同▲さんかく4,897億円[▲さんかく35.4%])、大洋州(同▲さんかく3,382億円[▲さんかく31.4%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:82.00米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく29.8%)
円ベース:71,831円/キロリットル(前年同月比▲さんかく25.0%)

(2) サービス収支:▲さんかく3,582億円の赤字(前年同月比▲さんかく1,018億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(6月):2,073,300人(前年同月比+1621.6%)

出国日本人数(6月):703,300人(前年同月比+310.0%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:1兆6,825億円の黒字(前年同月比▲さんかく1,670億円黒字幅縮小)

「直接投資収益」が黒字幅を縮小したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を縮小した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		6月	前月
直接投資		1兆6,409億円	2兆549億円
証券投資		▲さんかく2兆3,935億円	▲さんかく6,750億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく1兆7,398億円	▲さんかく3兆7,337億円
	中長期債	3兆2,388億円	2兆5,230億円
	短期債	▲さんかく3兆8,925億円	5,357億円
金融派生商品		1兆1,518億円	6,159億円
その他投資		4,235億円	▲さんかく1兆9,140億円
外貨準備		▲さんかく2,775億円	7,317億円
金融収支		5,452億円	8,134億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が5,452億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆3,086億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:798億円の資産増

生命保険会社等が買い越しとなったことから、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:2兆3,708億円の資産増

銀行等(銀行勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:6,676億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:1兆8,196億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく8,680億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

141.19円/米ドル(前年同月:133.86円/米ドル、前年同月比5.5%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

153.13円/ユーロ(前年同月:141.55円/ユーロ、前年同月比8.2%の円安)