令和5年5月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年7月10日

財務省

令和5年5月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく1兆4,276億円	+6,924億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		▲さんかく1兆1,867億円	+7,514億円	(赤字幅縮小)
		輸出	7兆2,412億円	▲さんかく2,109億円	(▲さんかく2.8%減少)
		輸入	8兆4,279億円	▲さんかく9,623億円	(▲さんかく10.2%減少)
	サービス収支		▲さんかく2,409億円	▲さんかく590億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			3兆6,319億円	+5,267億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく3,418億円	▲さんかく1,299億円	(赤字幅拡大)
経常収支			1兆8,624億円	+1兆891億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく1兆4,276億円の赤字(前年同月比+6,924億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が赤字幅を縮小したことから、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:▲さんかく1兆1,867億円の赤字(前年同月比+7,514億円赤字幅縮小)

輸入額の減少が輸出額の減少を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を縮小した。

輸出:7兆2,412億円(前年同月比▲さんかく2,109億円 [▲さんかく2.8%]減少、27か月ぶりの減少)
輸入:8兆4,279億円(前年同月比▲さんかく9,623億円[▲さんかく10.2%]減少、2か月連続の減少)

[参考1]令和5年5月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局6月29日付公表)

(1) 輸出:7兆2,920億円(確報値:前年同月比+406億円[+0.6%]増加、数量:同▲さんかく6.4%減少、価格:同+7.4%増加)

「商品別」では、自動車(同+4,608億円[+66.3%]、数量:同+37.1%)、建設用・鉱山用機械(同+150億円[+11.7%])、科学光学機器(同+146億円[+8.3%])等が増加。
「主要地域別」では、対北米(同+1,484億円[+11.2%])、中東(同+672億円[+37.0%])等が増加。

(2) 輸入:8兆6,739億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく9,436億円[▲さんかく9.8%]減少、数量:同▲さんかく5.1%減少、価格:同▲さんかく4.9%減少)

「商品別」では、原粗油(同▲さんかく2,318億円[▲さんかく21.7%]、数量:同▲さんかく6.7%)、石炭(同▲さんかく1,985億円[▲さんかく32.1%]、数量:同▲さんかく17.7%)、液化天然ガス(同▲さんかく1,905億円[▲さんかく31.6%]、数量:同▲さんかく19.9%)等が減少。
「主要地域別」では、対アジア(同▲さんかく2,923億円[▲さんかく6.8%])、中東(同▲さんかく2,911億円[▲さんかく23.3%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:86.33米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく19.9%)
円ベース:73,504円/キロリットル(前年同月比▲さんかく16.1%)

(2) サービス収支:▲さんかく2,409億円の赤字(前年同月比▲さんかく590億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したことから、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(5月):1,898,900人(前年同月比+1,191.4%)

出国日本人数(5月):675,700人(前年同月比+404.2%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆6,319億円の黒字(前年同月比+5,267億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		5月	前月
直接投資		2兆549億円	2兆2,953億円
証券投資		▲さんかく6,750億円	▲さんかく6兆3,489億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく3兆7,337億円	▲さんかく4兆5,299億円
	中長期債	2兆5,230億円	▲さんかく3兆4,441億円
	短期債	5,357億円	1兆6,251億円
金融派生商品		6,159億円	6,583億円
その他投資		▲さんかく1兆9,140億円	6兆2,696億円
外貨準備		7,317億円	1,297億円
金融収支		8,134億円	3兆39億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が8,134億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆1,390億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく9,512億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:3兆1,639億円の資産増

銀行等(銀行勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:841億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:2兆7,825億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:6,409億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

137.37円/米ドル(前年同月:128.78円/米ドル、前年同月比6.7%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

149.02円/ユーロ(前年同月:136.13円/ユーロ、前年同月比9.5%の円安)