令和5年3月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年5月11日

財務省

令和5年3月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく5,127億円	▲さんかく2,723億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく4,544億円	▲さんかく3,045億円	(赤字幅拡大)
		輸出	8兆7,880億円	+3,071億円	(+3.6%増加)
		輸入	9兆2,424億円	+6,117億円	(+7.1%増加)
	サービス収支		▲さんかく582億円	+322億円	(赤字幅縮小)
第一次所得収支			3兆3,610億円	▲さんかく5,304億円	(黒字幅縮小)
第二次所得収支			▲さんかく5,703億円	▲さんかく1,546億円	(赤字幅拡大)
経常収支			2兆2,781億円	▲さんかく9,573億円	(黒字幅縮小)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を拡大したこと等から、黒字幅を縮小した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく5,127億円の赤字(前年同月比▲さんかく2,723億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字幅を拡大したことから、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく4,544億円の赤字(前年同月比▲さんかく3,045億円赤字幅拡大)

輸入額の増加が輸出額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を拡大した。

輸出:8兆7,880億円(前年同月比+3,071億円[+3.6%]増加、25か月連続の増加)
輸入:9兆2,424億円(前年同月比+6,117億円[+7.1%]増加、26か月連続の増加)

[参考1]令和5年3月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局4月27日付公表)

(1) 輸出:8兆8,240億円(確報値:前年同月比+3,655億円[+4.3%]増加、数量:同▲さんかく8.1%減少、価格:同+13.6%増加)

「商品別」では、自動車(同+3,874億円[+38.3%]、数量:同+17.8%)、半導体等製造装置(同+274億円[+7.4%]、数量:同▲さんかく3.2%)、非鉄金属(同+218億円[+10.9%]、数量:同+15.2%)等が増加。
「主要地域別」では、対北米(同+1,611億円[+9.8%])、中南米(同+1,104億円[+38.1%])等が増加。

(2) 輸入:9兆5,791億円(9桁速報値:前年同月比+6,557億円[+7.3%]増加、数量:同▲さんかく2.6%減少、価格:同+10.2%増加)

「商品別」では、石炭(同+1,334億円[+28.4%]、数量:同▲さんかく16.4%)、原粗油(同+744億円[+8.6%]、数量:同+0.4%)、石油製品(同+605億円[+35.3%])等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+4,231億円[+10.3%])、北米(同+1,257億円[+11.4%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:85.35米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく7.1%)
円ベース:72,423円/キロリットル(前年同月比+8.2%)

(2) サービス収支:▲さんかく582億円の赤字(前年同月比+322億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したことから、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(3月):1,817,500人(前年同月比+2,648.7%)

出国日本人数(3月):694,300人(前年同月比+882.3%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆3,610億円の黒字(前年同月比▲さんかく5,304億円黒字幅縮小)

「証券投資収益」が黒字幅を縮小したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を縮小した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		3月	前月
直接投資		4,783億円	1兆7,315億円
証券投資		7兆1,081億円	▲さんかく1兆5,528億円
	株式・投資ファンド持分	4兆336億円	▲さんかく2兆1,602億円
	中長期債	1兆9,166億円	3兆2,845億円
	短期債	1兆1,578億円	▲さんかく2兆6,771億円
金融派生商品		1,250億円	▲さんかく3,864億円
その他投資		▲さんかく5兆6,761億円	3兆537億円
外貨準備		1,562億円	4,461億円
金融収支		2兆1,915億円	3兆2,921億円

「証券投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が2兆1,915億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:1兆6,186億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:4,439億円の資産増

信託銀行(信託勘定)等が買い越しとなったことから、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:4兆7,409億円の資産増

銀行等(銀行勘定)が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:1兆1,403億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく3兆5,897億円の負債減

銀行等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:2兆8,243億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

133.85円/米ドル(前年同月:118.51円/米ドル、前年同月比12.9%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

143.37円/ユーロ(前年同月:130.61円/ユーロ、前年同月比9.8%の円安)