令和4年度中国際収支状況(速報)の概要

令和5年5月11日

財務省

令和4年度中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
			金額	前年度比
貿易・サービス収支			▲さんかく23兆3,367億円	▲さんかく16兆9,165億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく18兆602億円	▲さんかく16兆5,170億円	(赤字幅拡大)
		輸出	99兆6,207億円	+13兆9,834億円	(+16.3%増加)
		輸入	117兆6,809億円	+30兆5,004億円	(+35.0%増加)
	サービス収支		▲さんかく5兆2,765億円	▲さんかく3,995億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			35兆5,591億円	+6兆5,508億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく2兆9,968億円	▲さんかく5,608億円	(赤字幅拡大)
経常収支			9兆2,256億円	▲さんかく10兆9,265億円	(黒字幅縮小)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を拡大したこと等から、黒字幅を縮小した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく23兆3,367億円の赤字(前年度比▲さんかく16兆9,165億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字幅を拡大したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく18兆602億円の赤字(前年度比▲さんかく16兆5,170億円赤字幅拡大)

輸入額の増加が輸出額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を拡大した。

輸出:99兆6,207億円(前年度比+13兆9,834億円[+16.3%]増加)
輸入:117兆6,809億円(前年度比+30兆5,004億円[+35.0%]増加)

[参考1]令和4年度分貿易統計(通関ベース:財務省関税局4月27日付公表)

(1) 輸出:99兆2,262億円(確報値:前年度比+13兆3,525億円[+15.5%]増加、数量:同▲さんかく3.9%減少、価格:同+20.2%増加)

「商品別」では、自動車(同+3兆44億円[+28.0%]、数量:同+4.9%)、鉱物性燃料(同+1兆351億円[+83.9%])、鉄鋼(同+6,266億円[+15.1%]、数量:同▲さんかく5.5%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+5兆4,192億円[+10.9%])、北米(同+3兆5,205億円[+21.5%])等が増加。

(2) 輸入:120兆9,770億円(9桁速報値:前年度比+29兆5,167億円[+32.3%]増加、数量:同▲さんかく1.6%減少、価格:同+34.4%増加)

「商品別」では、原粗油(同+5兆6,762億円[+70.8%]、数量:同+6.8%)、石炭(同+4兆9,970億円[+139.5%]、数量:同▲さんかく1.9%)、液化天然ガス(同+3兆8,867億円[+77.6%]、数量:同▲さんかく1.3%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+11兆4,236億円[+26.4%])、中東(同+6兆2,822億円[+64.8%])等が増加。

[参考2]原油価格(石油連盟の資料により財務省で算出)

ドルベース:102.69米ドル/バレル(前年度比+33.0%)
円ベース:87,207円/キロリットル(前年度比+59.9%)

(2) サービス収支:▲さんかく5兆2,765億円の赤字(前年度比▲さんかく3,995億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(令和4年度):8,521,776人(前年度比+2940.1%)

出国日本人数(令和4年度):4,254,288人(前年度比+606.2%)

(出典:日本政府観光局(JNTO)の資料により財務省で算出)

[参考4]2023年1月速報の旅行収支(受取)は、基礎データの改訂に伴い、2,516億円から3,087億円へと改訂(これに伴い、経常収支、サービス収支の計数も改訂)。

2.第一次所得収支:35兆5,591億円の黒字(前年度比+6兆5,508億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

II金融収支

金融収支の内訳
		4年度	前年度
直接投資		18兆3,316億円	17兆7,074億円
証券投資		▲さんかく8兆6,365億円	▲さんかく16兆496億円
	株式・投資ファンド持分	4兆1,540億円	5,250億円
	中長期債	▲さんかく8,267億円	▲さんかく19兆3,641億円
	短期債	▲さんかく11兆9,637億円	2兆7,895億円
金融派生商品		3兆7,910億円	1兆6,914億円
その他投資		1兆7,721億円	8兆5,283億円
外貨準備		▲さんかく6兆4,870億円	6兆2,012億円
金融収支		8兆7,713億円	18兆787億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が8兆7,713億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:23兆3,290億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:2兆6,817億円の資産増

投資信託委託会社等が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく8兆9,621億円の資産減

生命保険会社が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:4兆9,974億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく1兆4,722億円の負債減

電気機器等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく8兆1,354億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考5]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の期中平均レート)

135.43円/米ドル(前年度:112.38円/米ドル、前年度比20.5%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの期中平均レート)

140.97円/ユーロ(前年度:130.53円/ユーロ、前年度比8.0%の円安)