令和4年11月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年1月12日

財務省

令和4年11月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく1兆7,043億円	▲さんかく1兆781億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく1兆5,378億円	▲さんかく1兆1,135億円	(赤字幅拡大)
		輸出	9兆81億円	+1兆5,479億円	(+20.7%増加)
		輸入	10兆5,460億円	+2兆6,615億円	(+33.8%増加)
	サービス収支		▲さんかく1,664億円	+354億円	(赤字幅縮小)
第一次所得収支			3兆7,245億円	+1兆3,041億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく2,166億円	+282億円	(赤字幅縮小)
経常収支			1兆8,036億円	+2,541億円	(黒字幅拡大)

「経常収支」は、「第一次所得収支」が黒字幅を拡大したこと等から、黒字幅を拡大した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく1兆7,043億円の赤字(前年同月比▲さんかく1兆781億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字幅を拡大したことから、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく1兆5,378億円の赤字(前年同月比▲さんかく1兆1,135億円赤字幅拡大)

輸入額の増加が輸出額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を拡大した。

輸出:9兆81億円(前年同月比+1兆5,479億円[+20.7%]増加、21か月連続の増加)
輸入:10兆5,460億円(前年同月比+2兆6,615億円[+33.8%]増加、22か月連続の増加)

[参考1]令和4年11月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局12月27日付公表)

(1) 輸出:8兆8,371億円(確報値:前年同月比+1兆4,701億円[+20.0%]増加、数量:同▲さんかく3.6%減少、価格:同+24.4%増加)

「商品別」では、自動車(同+3,967億円[+38.3%]、数量:同+10.3%)、建設用・鉱山用機械(同+702億円[+64.1%])、船舶(同+602億円[+73.5%]、数量:同+22.3%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+4,999億円[+11.6%])、北米(同+4,507億円[+32.8%])等が増加。

(2) 輸入:10兆8,661億円(9桁速報値:前年同月比+2兆5,256億円[+30.3%]増加、数量:同▲さんかく4.6%減少、価格:同+36.6%増加)

「商品別」では、原粗油(同+5,022億円[+69.7%]、数量:同+8.1%)、石炭(同+4,107億円[+106.8%]、数量:同▲さんかく10.3%)、液化天然ガス(同+2,567億円[+51.9%]、数量:同▲さんかく5.4%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+1兆549億円[+26.9%])、中東(同+5,078億円[+56.9%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:100.38米ドル/バレル(前年同月比+22.3%)
円ベース:92,344円/キロリットル(前年同月比+56.9%)

(2) サービス収支:▲さんかく1,664億円の赤字(前年同月比+354億円赤字幅縮小)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を縮小した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(11月):934,500人(前年同月比+4,418.4%)

出国日本人数(11月):379,200人(前年同月比+632.4%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆7,245億円の黒字(前年同月比+1兆3,041億円黒字幅拡大)

「証券投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		11月	前月
直接投資		1兆9,303億円	1兆5,359億円
証券投資		▲さんかく5兆2,046億円	4,330億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく2兆3,788億円	▲さんかく1兆302億円
	中長期債	▲さんかく2兆6,083億円	▲さんかく192億円
	短期債	▲さんかく2,176億円	1兆4,824億円
金融派生商品		8,997億円	3,087億円
その他投資		2兆7,815億円	4兆2,912億円
外貨準備		5,312億円	▲さんかく6兆876億円
金融収支		9,381億円	4,813億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が9,381億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆2,605億円の資産増

本邦企業による海外企業の買収等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく1兆5,131億円の資産減

信託銀行(信託勘定)等が売り越しとなったことから、資産減(処分超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく1兆4,161億円の資産減

生命保険会社が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:3,302億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:8,657億円の負債増

電気機器等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:1兆1,922億円の負債増

中長期国債が買い越しとなったこと等から、負債増(取得超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

142.44円/米ドル(前年同月:114.13円/米ドル、前年同月比24.8%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

145.07円/ユーロ(前年同月:130.17円/ユーロ、前年同月比11.4%の円安)