令和4年10月中国際収支状況(速報)の概要

令和4年12月8日

財務省

令和4年10月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく2兆5,978億円	▲さんかく2兆1,498億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく1兆8,754億円	▲さんかく2兆344億円	(赤字転化)
		輸出	8兆9,892億円	+1兆9,062億円	(+26.9%増加)
		輸入	10兆8,646億円	+3兆9,407億円	(+56.9%増加)
	サービス収支		▲さんかく7,224億円	▲さんかく1,153億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			2兆8,261億円	+4,515億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく2,924億円	▲さんかく1,006億円	(赤字幅拡大)
経常収支			▲さんかく641億円	▲さんかく1兆7,988億円	(赤字転化)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字に転化したこと等から、赤字に転化した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく2兆5,978億円の赤字(前年同月比▲さんかく2兆1,498億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字に転化したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく1兆8,754億円の赤字(前年同月比▲さんかく2兆344億円赤字転化)

輸入額が輸出額を上回ったことから、「貿易収支」は赤字に転化した。

輸出:8兆9,892億円(前年同月比+1兆9,062億円[+26.9%]増加、20か月連続の増加)
輸入:10兆8,646億円(前年同月比+3兆9,407億円[+56.9%]増加、21か月連続の増加)

[参考1]令和4年10月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局11月29日付公表)

(1) 輸出:9兆22億円(確報値:前年同月比+1兆8,189億円[+25.3%]増加、数量:同▲さんかく0.3%減少、価格:同+25.7%増加)

「商品別」では、自動車(同+5,418億円[+81.0%]、数量:同+27.5%)、半導体等電子部品(同+913億円[+20.1%])、鉱物性燃料(同+844億円[+76.1%])等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+7,047億円[+16.6%])、北米(同+5,113億円[+37.5%])等が増加。

(2) 輸入:11兆1,684億円(9桁速報値:前年同月比+3兆8,944億円[+53.5%]増加、数量:同+5.7%増加、価格:同+45.3%増加)

「商品別」では、原粗油(同+6,005億円[+97.1%]、数量:同+9.9%)、液化天然ガス(同+4,783億円[+150.9%]、数量:同+9.9%)、石炭(同+4,750億円[+154.0%]、数量:同▲さんかく7.5%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+1兆6,284億円[+46.9%])、中東(同+6,572億円[+87.7%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:105.96米ドル/バレル(前年同月比+37.8%)
円ベース:96,684円/キロリットル(前年同月比+79.4%)

(2) サービス収支:▲さんかく7,224億円の赤字(前年同月比▲さんかく1,153億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したことから、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(10月):498,600人(前年同月比+2,154.8%)

出国日本人数(10月):349,600人(前年同月比+587.6%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:2兆8,261億円の黒字(前年同月比+4,515億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		10月	前月
直接投資		1兆5,359億円	1兆7,949億円
証券投資		4,330億円	5兆2,201億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく1兆302億円	3兆8,370億円
	中長期債	▲さんかく192億円	1兆8,315億円
	短期債	1兆4,824億円	▲さんかく4,483億円
金融派生商品		3,087億円	4,418億円
その他投資		4兆2,912億円	▲さんかく3兆9,385億円
外貨準備		▲さんかく6兆876億円	▲さんかく2兆6,307億円
金融収支		4,813億円	8,877億円

「直接投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が4,813億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:1兆8,672億円の資産増

本邦企業による海外子会社の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:1兆469億円の資産増

信託銀行(信託勘定)等が買い越しとなったことから、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく3兆291億円の資産減

生命保険会社が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:3,312億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:2兆771億円の負債増

卸売等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく3兆100億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

147.01円/米ドル(前年同月:113.10円/米ドル、前年同月比30.0%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

144.88円/ユーロ(前年同月:131.22円/ユーロ、前年同月比10.4%の円安)