令和4年9月中国際収支状況(速報)の概要

令和4年11月9日

財務省

令和4年9月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく2兆1,028億円	▲さんかく1兆6,505億円	(赤字幅拡大)
	貿易収支		▲さんかく1兆7,597億円	▲さんかく1兆5,207億円	(赤字幅拡大)
		輸出	8兆8,275億円	+1兆9,066億円	(+27.5%増加)
		輸入	10兆5,872億円	+3兆4,273億円	(+47.9%増加)
	サービス収支		▲さんかく3,431億円	▲さんかく1,298億円	(赤字幅拡大)
第一次所得収支			3兆2,226億円	+8,852億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく2,104億円	+214億円	(赤字幅縮小)
経常収支			9,093億円	▲さんかく7,439億円	(黒字幅縮小)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を拡大したこと等から、黒字幅を縮小した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく2兆1,028億円の赤字(前年同月比▲さんかく1兆6,505億円赤字幅拡大)

「貿易収支」が赤字幅を拡大したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を拡大した。

(1) 貿易収支:▲さんかく1兆7,597億円の赤字(前年同月比▲さんかく1兆5,207億円赤字幅拡大)

輸入額の増加が輸出額の増加を上回ったことから、「貿易収支」は赤字幅を拡大した。

輸出:8兆8,275億円(前年同月比+1兆9,066億円[+27.5%]増加、19か月連続の増加)
輸入:10兆5,872億円(前年同月比+3兆4,273億円[+47.9%]増加、20か月連続の増加)

[参考1]令和4年9月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局10月28日付公表)

(1) 輸出:8兆8,202億円(確報値:前年同月比+1兆9,797億円[+28.9%]増加、数量:同+3.8%増加、価格:同+24.2%増加)

「商品別」では、自動車(同+7,173億円[+122.3%]、数量:同+49.3%)、鉱物性燃料(同+1,073億円[+86.7%])、半導体等電子部品(同+929億円[+20.4%])等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+8,445億円[+20.6%])、北米(同+5,583億円[+45.8%])等が増加。

(2) 輸入:10兆9,145億円(9桁速報値:前年同月比+3兆4,372億円[+46.0%]増加、数量:同▲さんかく1.7%減少、価格:同+48.5%増加)

「商品別」では、原粗油(同+6,603億円[+100.8%]、数量:同+5.1%)、液化天然ガス(同+5,457億円[+164.2%]、数量:同▲さんかく1.6%)、石炭(同+4,771億円[+168.8%]、数量:同▲さんかく8.4%)等が増加。
「主要地域別」では、対アジア(同+1兆3,552億円[+38.5%])、中東(同+7,409億円[+93.8%])等が増加。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:110.79米ドル/バレル(前年同月比+50.0%)
円ベース:97,511円/キロリットル(前年同月比+91.0%)

(2) サービス収支:▲さんかく3,431億円の赤字(前年同月比▲さんかく1,298億円赤字幅拡大)

「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は赤字幅を拡大した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(9月):206,500人(前年同月比+1,065.3%)

出国日本人数(9月):319,200人(前年同月比+509.6%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆2,226億円の黒字(前年同月比+8,852億円黒字幅拡大)

「直接投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		9月	前月
直接投資		1兆7,949億円	1兆5,992億円
証券投資		5兆2,201億円	▲さんかく1兆6,713億円
	株式・投資ファンド持分	3兆8,370億円	▲さんかく2兆9,993億円
	中長期債	1兆8,315億円	▲さんかく9,174億円
	短期債	▲さんかく4,483億円	2兆2,454億円
金融派生商品		4,418億円	1,160億円
その他投資		▲さんかく3兆9,385億円	6,989億円
外貨準備		▲さんかく2兆6,307億円	4,878億円
金融収支		8,877億円	1兆2,306億円

「証券投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が8,877億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:2兆5,086億円の資産増

本邦企業による海外子会社の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:8,689億円の資産増

投資信託委託会社等が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:▲さんかく2兆9,506億円の資産減

生命保険会社が売り越しとなったこと等から、資産減(処分超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:7,137億円の負債増

海外企業による本邦企業の増資引受け等がみられ、負債増(実行超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:▲さんかく2兆9,680億円の負債減

電気機器等の業種において売り越しとなったことから、負債減(処分超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく4兆7,821億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

143.14円/米ドル(前年同月:110.17円/米ドル、前年同月比29.9%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

141.89円/ユーロ(前年同月:129.81円/ユーロ、前年同月比9.3%の円安)