食品ロス削減にまつわる企業の取り組み
日本にも、食品ロス削減に取り組むさまざまな企業があります。先進的な3企業の取り組みから、今後の食品ロス削減のおもな方向性を見ていきます。
企業の実例紹介01 (株)ライフコーポレーション 食品残渣を活用したバイオガス発電 近畿圏と首都圏で展開する食品スーパーマーケット「ライフ」。惣菜工場と連携したバイオガス発電施設に注目が集まっています。
惣菜工場の食品残渣を有効活用して発電 惣菜工場の隣にバイオガス発電施設を建設。毎日10トン発生していた食品残渣を活用することで、残渣を1トンに削減し、年間約70万キロワットを発電します。 地域の子ども食堂などに食品を寄贈 子ども食堂と、物流センターなどの拠点や店舗が連携。まだ十分に食べることができるものの販売できなくなった食料品を寄贈する活動を行っています。 食品ロス削減を店頭で呼びかけ 値引きされていた売り切り商品を、グリーンのシールで「一緒に食品ロスの解消を」という呼びかけに変更。陳列棚の手前から商品を購入する「てまえどり」も推奨しています。 食や環境に関する出前授業やイベントを開催 オリジナル環境冊子「いっしょに未来を考える。の本」を制作。出店地域の小学生や園児を中心に授業を実施。店頭では「食の大切さ」を考えるイベントを開催。 自治体と連携した商品開発 大阪府地域産の規格外の農産、畜産、林産、水産の原料と、それらの加工食品を「大阪産(もん)」としてブランド化。規格外みかんとレモンのお酒などを開発。
企業の実例紹介02 (株)日本アクセス 食品ロスを抑制する4つのフェーズ
1 ロスを出さない AIの導入で需要予測精度を向上し、DX化で的確な発注・管理を行い、食品ロスを削減。加えて、消費期限の長い商品・長期保存可能な梱包材の採用などの商品開発を通じた対策も行います。 2 売り切る 商品が滞留したり、納品期限オーバーとなったりした場合は、多様なチャンネルとの連携を活かして売り切る対策を展開。こうした商品を安価に販売する自社ECサイト「Smile Spoon」も好評です。 3 配る 認定NPO法人フローレンスと協働し、「こどもフードアライアンス」を立ち上げ、全国の「こども宅食」団体と協力して、売り切る見込みのない商品をはじめとする食品・日用品を提供。 4 リサイクルする 廃棄となった食品は、可能な限りリサイクル。拠点の近隣にあるリサイクル業者を探し、必ず訪問して信頼できる業者であることを確認した上で、飼料や肥料などへのリサイクルを委託します。
企業の実例紹介03 (株)中村商事 RE-WINE 廃棄課題を抱えたワインパミスを有効活用
食品添加物としての利用 ワインパミスをジャム状に仕上げた「23時は大人のジャム」。このジャムはワインよりも多くのポリフェノールを含み、ぶどうジャムとは異なる風味が味わえるユニークな一品に。 エコフィードとしての利用 山梨県で飼育されるダチョウのエサとしてワインパミスを活用。低脂肪・低カロリーながら高たんぱく質・高鉄分の「甲州ワインオーストリッチ」としてブランド化されました。 コスメ原料としての利用 ワインパミスから抽出したワインエキス、ぶどう葉エキス、ぶどう種子油に、奄美群島の海洋深層水の成分を加えたシートパック。シャンプーやトリートメントも人気です。
官民が連携して食品ロスを減らす国民運動
食べ残しの持ち帰り推奨 mottECO(モッテコ)
今週のまとめ
さまざまな業態の企業が取り組む食品ロス削減。消費者も理解を深めて、楽しみながらお得な買い物をすることで食品ロスを減らしていきましょう。社会貢献や福祉につながっていることにも注目です。
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