月刊 経団連2025年10月号
特集 アフリカの内発的・持続的発展に向けて 企業におけるハラスメント防止対策
巻頭言
さらなる女性活躍推進を目指して
2025年の夏季フォーラムでは、「人口減少下でも輝く日本経済・社会の未来図」を統一テーマとして活発な議論が交わされた。私も参加した分科会の中で、主に女性活躍推進の観点から労働生産性向上に向けた伊藤忠商事の取り組みを紹介させていただいた。
特集
アフリカの内発的・持続的発展に向けて
「地球最後のフロンティア」として高いポテンシャルを秘めるアフリカ。2025年は、大阪・関西万博に45を超すアフリカの国々が公式参加を果たし、8月20日〜22日にかけて「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」が横浜で開催されるなど、アフリカへの注目が高まっている。
本特集では、現下の国際情勢におけるアフリカの位置付け、アフリカの社会課題やポテンシャル、アフリカの内発的・持続的な発展に向けて、日本が果たすべき貢献についてを議論するとともに、TICAD9での経団連の取り組みを報告する。
座談会:アフリカの内発的・持続的発展に向けて日本の積極姿勢を示す
- 丸山 則夫(特命全権大使アフリカ開発会議(TICAD)担当)
- 大橋 徹二(経団連アフリカ地域委員長/コマツ特別顧問)
- 加留部 淳(経団連アフリカ地域委員長/豊田通商シニアエグゼクティブアドバイザー)
- 椿 進(Asia Africa Investment and Consulting(AAIC)代表パートナー)
- ■しかく 現下の国際情勢におけるアフリカの位置付けとは
- アフリカの存在感が強まる中、日本は連携強化を
- ■しかく アフリカの社会課題とその解決策
- 急増する若い世代の雇用へのアクセス確保と教育が大きな課題
- 急速に進む都市化への対応と「平和と安定」の維持
- ■しかく アフリカのポテンシャルを活かすために必要なこと
- 「アジェンダ2063」との整合性、第三国との連携
- ■しかく アフリカとの共創を通じて政府が果たす役割
- 継続的な人材育成を
- TICADの機能強化と枠組みづくり
- ■しかく アフリカとの共創を通じて企業が果たす役割
- アフリカとの人材交流と日本企業の進出拡大
提言「アフリカの内発的・持続的発展に向け、今こそ日本の積極姿勢を示すべき-TICAD9に臨むにあたって-」のポイント
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/041.html
(経団連国際協力本部)
- 基本的方向性【三つの共創の推進】
- 具体的施策その1【四つのインフラ整備】
- 具体的施策その2【六つの分野における社会課題の解決】
第9回アフリカ開発会議(TICAD9)
―アフリカ地域委員会の大橋、加留部委員長が参加
(経団連国際協力本部)
- TICAD9に参加、多数のアフリカ政府要人と懇談
- アフリカとの共創に向けた経団連からの提案
- アフリカとの経済関係強化に向けて取り組みを推進
アフリカの経済発展の実現に向けて
https://www.keidanren.or.jp/en/journal/2025/10_Coelho.html
テオドリンダ・ローザ・ロドリゲス・コエーリョ(駐日アンゴラ共和国特命全権大使)
- 日本とアフリカ大陸は価値観を共有
- 日本との経済関係の強化
- TICADの重要性
- 特別なパートナーとしての日本への期待
特集
企業におけるハラスメント防止対策
2025年6月に労働施策総合推進法等改正法案が成立し、顧客・取引先からのハラスメント(カスタマーハラスメント)等を防止する措置の実施が企業の義務となる。
職場におけるハラスメントは人権を侵害するあってはならない行為であり、ひとたびハラスメントが発生すれば、被害者や職場に負の影響を及ぼすだけでなく、対応の巧拙が企業のレピュテーションリスクにつながりかねない。企業は、改正法の施行を見据え、ハラスメント防止対策の強化に取り組む必要がある。
本特集では、ハラスメントに関する法制度の概要や改正法への対応策のほか、カスタマーハラスメント防止対策を積極的に推進している企業・団体の事例を紹介する。
特集2:企業におけるハラスメント防止対策
ハラスメント防止対策の意義
原 昌登(成蹊大学法学部教授)
- なぜ防止対策が必要なのか
- 企業に対する法的な要請
- リーガルリスクを避けるために
改正労働施策総合推進法
―カスタマーハラスメント法と企業の実務対応策
中井 智子(中町誠法律事務所弁護士)
- 改正労働施策総合推進法の概要
- 改正法にみるカスタマーハラスメントの概念
- 講ずべき措置の具体的な内容
- 企業がとるべき対応
携帯電話販売業界におけるカスタマーハラスメント対策について
俣野 通宏(全国携帯電話販売代理店協会専務理事)
- 業界の特性
- アンケート等で実態を把握
- 業界共通の対策マニュアルの策定
- 事例収集と分析で対処法を蓄積し、予防につなげる
JR東日本グループのカスタマーハラスメント対策
井嶋 道雄(東日本旅客鉄道サービス品質改革部マネージャー)
- 方針策定の背景
- カスハラに該当する行為とは
- 社員教育および環境整備の取り組み
- 社会的意義と今後の展望
一般記事
【提言】
「人権尊重経営」の推進
―「ビジネスと人権」に関する経団連の考え方と政府への期待
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/056.html
西澤 敬二(経団連審議員会副議長、企業行動・SDGs委員長/損害保険ジャパン顧問)
秋池 玲子(経団連審議員会副議長、企業行動・SDGs委員長/
ボストン コンサルティング グループ日本共同代表)
眞鍋 淳(経団連企業行動・SDGs委員長/第一三共会長)
- 企業の自主性を基本とする人権尊重の取り組み
- 今後の課題と政府に求められる企業支援
連載
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スタートアップ連携のベストプラクティスを探る3
ブランド体験価値を高めるデジタルサービスを追求する
母里 明陽(アシックス事業開発部部長、アシックス・ベンチャーズ社長) -
あの時、あの言葉
心に残る三つの言葉
橋本 雅博(経団連教育・大学改革推進委員長/住友生命保険会長) -
Essay「時の調べ」
不揃いな光
堀江 栞(画家)
新会員紹介
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社長石倭 行人
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代表取締役橋本 正徳
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社長小室 淑恵