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音声広報CD「明日への声」トラックナンバー4 vol.104(令和7年(2025年)7月発行)

(イントロダクション:女性ナレーター)

年齢にかかわらず誰もがなり得る認知症については、一人ひとりが「自分ごと」として考える必要があります。認知症になってからも、本人の意思が尊重され、住み慣れた環境で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症や認知症の本人についての理解を深めましょう。そもそも認知症とは?どんな症状?症状が出たらどうする?そのような疑問にお答えします。この音声は10分程度でお聞きいただくことができます。

(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)

Q1:「認知症」とはどのようなものですか。

A1:「認知症」とは、様々な病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、記憶、判断力などの認知機能が低下して、社会生活に支障を来した状態をいいます。65歳以上の高齢者を対象にした2022年度の調査の推計では、認知症の人は全体のおよそ12%、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害の人はおよそ16%で、両方を合わせると、3人に1人が認知機能にかかわる症状があることになります。なお、軽度認知障害のかた全てが認知症になるわけではありません。年をとれば誰でも、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが苦手になったりしますが、このような「加齢によるもの忘れ」と「認知症」は異なるものです。

Q2:認知症になる原因は何ですか。

A2:認知症の原因にはいくつかの種類があり、その代表的なものは、次のとおりです。

くろまるアルツハイマー型認知症
長い年月をかけて脳内にたまった異常なたんぱく質によって神経細胞が破壊され、脳に萎縮が起こるアルツハイマー病が原因となり、発症する認知症です。初期には、昔のことをよく覚えていますが、最近のことを忘れてしまいます。徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていったり、状況に応じた判断が困難になったりします。
くろまる血管性認知症
脳梗塞や脳出血によって一部の神経細胞に十分な栄養や酸素がいき渡らなくなる脳血管障害が原因となり、発症する認知症です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な危険因子です。脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。また、障害を受けた部位によって症状が異なります。
くろまるレビー小体型認知症
「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が脳内を中心に蓄積しながら、神経細胞が破壊されるレビー小体病が原因となり、発症する認知症です。現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなったりといった症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。 2013年の厚生労働省の調査では、認知症患者のうち、アルツハイマー型認知症がおよそ7割、血管性認知症がおよそ2割を占めています。

Q3:認知症の初期症状について教えてください。

A3:公益社団法人認知症の人と家族の会が作成した「家族がつくった「認知症」早期発見のめやす」では、認知症の初期症状として次のようなものをあげています。

くろまるもの忘れがひどい

  • 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる。
  • 同じことを何度も言う・問う・する。

くろまる判断・理解力が衰える

  • 料理、片付け、計算、運転などのミスが多くなった。
  • 新しいことが覚えられない。

くろまる時間・場所がわからない

  • 約束の日時や場所を間違えるようになった。
  • 慣れた道でも迷うことがある。

くろまる人柄が変わる

  • 些細なことで怒りっぽくなった。
  • 周りへの気づかいがなくなり頑固になった。

くろまる不安感が強い

  • ひとりになると怖がったり寂しがったりする。
  • 外出時、持ち物を何度も確かめる。

くろまる意欲がなくなる

  • 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった。
  • 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった。

Q4:認知症かなと思ったらどうすれば良いですか?

A4:自分自身のほか、家族や同僚、友人など「もしかして認知症では」と思われる症状に気付いたら、一人で悩まず専門医や専門家に相談しましょう。主な相談先は次のとおりです。

くろまる市町村などに設置されている地域包括支援センターなどの相談窓口

くろまるかかりつけ医

くろまる医療機関のもの忘れ外来

くろまる公益社団法人認知症の人と家族の会

Q5:認知症の予防について教えてください。

A5:我が国が推進する認知症予防の取組における「予防」とは、認知症にならないということではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするということです。認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症や血管性認知症は、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と関連があるとされています。例えば、バランスの良い食事を心掛け、定期的な運動習慣を身に付けるなど、ふだんからの生活管理が認知症のリスクを下げると考えられています。

(エンディング:女性ナレーター)

政府は、2024年に認知症施策推進基本計画を取りまとめ、認知症になってからもできることや、やりたいことがあり、地域で仲間とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという「新しい認知症観」を示しました。認知症の人を含めた国民一人ひとりが、その個性と能力を十分に発揮しながら、共に支えあって生きることが重要です。 認知症を自分ごととして理解し、自分自身や家族が認知症であることを、周囲に伝え、自分らしい暮らしを続けていくためにはどうするべきか、一緒に考えていきましょう。詳しくは「政府広報 認知症」で検索してみてください。

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