音声広報CD「明日への声」トラックナンバー3 vol.104(令和7年(2025年)7月発行)
(イントロダクション:女性ナレーター)
初夏から秋にかけては、台風や前線の影響で、大雨、洪水、暴風、高潮などによる自然災害が発生しやすい季節です。防災気象情報を有効に活用し、早め早めの防災行動をとるようにしましょう。この音声は10分程度でお聞きいただくことができます。
(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:日本の大雨や台風による災害について教えてください。
A1:大陸と海にはさまれた日本には、季節の変わり目に梅雨前線や秋雨前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮などをもたらします。近年に顕著な災害を起こしたものだけでも、多くのかたが亡くなった、「平成29年7月九州北部豪雨」、「平成30年7月豪雨」、「令和元年東日本台風」、「令和2年7月豪雨」などがありました。
Q2:台風による大雨などの災害から命を守るためにはどのようにすれば良いですか。
A2:国や都道府県では、台風などによる大雨、洪水、暴風、高潮などが引き起こす被害を防ぐために、砂防設備の整備や、川の氾濫を防止するための治水工事、防潮堤の整備などの防災対策を行っています。災害から命を守るためには、国や都道府県が行う対策などの「公助」だけでなく、私たち一人ひとりの「自助」として、災害に対する備えをしておく、危険を感じたら早めに避難するなど、自らの命を守るための防災行動を起こすことが重要です。
Q3:「自助」のために役立つ情報はありますか。
A3:気象庁が発表している気象警報・注意報などの「防災気象情報」があります。防災気象情報には次のものを随時提供しています。
- 1警報・注意報
- 気象警報を発表するような激しい現象は、ひとたび発生すると命に危険が及ぶおそれがあります。そうした現象が予想される数日前から、気象庁では「早期注意情報」や「気象情報」を発表し、その後の危険度の高まりに応じて「注意報」、「警報」、「特別警報」を段階的に発表しています。市区町村は、その警報などを受けて、ハザードマップなどに基づく危険な区域の住民に対して、高齢者等避難、避難指示などの発令を検討します。
- ➁土砂災害警戒情報
- 雨が降り出したら、大雨や洪水の「警報」、さらに「土砂災害警戒情報」にも注意しましょう。この「土砂災害警戒情報」は、「警報」の発表後、土砂災害発生の危険度がさらに高まったときに都道府県と気象庁が共同で発表しており、命を奪うような土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況であることを伝える情報です。
- 3キキクル
- 気象庁では、「キキクル」という名前で、地図上のどこで危険度が高まっているかがリアルタイムで分かる「大雨・洪水警報の危険度分布」も提供しており、パソコンやスマートフォンから確認できます。テレビやラジオなどの気象情報で注意報や警報が発表されたときや、急に激しい雨が降ったときは、家族や周りのかたと一緒にキキクルのページにアクセスして、最新の情報を入手しましょう。また、キキクルのプッシュ型通知サービスに登録しておけば、登録した地域で大雨や洪水の危険度が高まったときに自動で通知されるようになります。キキクルのページと併せて、是非活用してください。なお、自治体から高齢者等避難や避難指示が発令された場合には、キキクルの危険度にかかわらず、速やかに避難行動をとってください。
Q4:大雨や台風にはどのように備え、行動したら良いでしょうか。
A4:雨が降ったり、風が強くなったりする前に、窓や雨戸はしっかりと閉め、風で飛ばされそうな庭木などは飛ばされないように固定したり、家の中にしまったりしましょう。雨や風が強くなってからでは、外での作業は危険です。避難が必要になったときに備えて、避難場所のほか、食料や薬、携帯ラジオなどの非常用に持ち出すものの確認もしておきましょう。 市区町村から高齢者等避難の発令があったときは、高齢者やこどものいる家庭など避難に時間を要する家庭では速やかに避難を開始しましょう。それ以外の家庭でも、いつでも避難を開始できるよう準備し、危険を感じたら自主的に避難を開始しましょう。なお、既に災害が発生している場合や、暴風や大雨等により避難場所までの移動がかえって危険な状況では、近隣の頑丈な建物などへ移動しましょう。屋外に出ることさえ危険な場合は自宅の2階以上で、がけや沢からできるだけ離れた部屋に移動するなど、直ちに身の安全を確保してください。
(エンディング:女性ナレーター)
近年、日本では気象災害が増えています。日頃からハザードマップや非常持ち出し品を確認するなど、事前の備えが大切です。詳しくは「政府広報 大雨」で検索してみてください。