特集 DV(ドメスティック・バイオレンス)と児童虐待 ーDVは子どもの心も壊すものー
- ダブルリボンマーク
- 「W(ダブル)リボンマーク」は、大阪府吹田市が、DVと児童虐待が密接に関連していることをあらためて認識し、DV防止対策と児童虐待防止対策を一体として進めていかなければならないと考えのもと、女性に対するあらゆる暴力の根絶のシンボルであるパープルリボンと児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンを組み合わせて、独自で考案されました。Wリボンマークを使用するには、吹田市に申請が必要です。詳しくはこちら。
DVが起きている家庭では、子どもに対する暴力が同時に行われている場合があります。
子ども自身が直接暴力を受けている場合は当然ですが、子どもの見ている前で夫婦間で暴力を振るうこと(面前DV)は子どもへの心理的虐待にあたります。
また、DV被害を受けている人は、加害者に対する恐怖心などから、子どもに対する暴力を制止することができなくなる場合があります。
DVや児童虐待によって、家族間の信頼関係が崩れていくこともあるのです。
「ドメスティック・バイオレンス」とは英語の「domestic violence」をカタカナで表記したものです。略して「DV」と呼ばれることもあります。
「ドメスティック・バイオレンス」の用語については、明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いです。
児童虐待とは、保護者がその監護する児童(18歳未満)に行うもので、殴る、蹴るなどの身体的虐待や、性的虐待だけでなく、心理的虐待やネグレクトも含まれます。
DVと児童虐待が同時に行われている事例には次のようなものがあります。
※(注記)ここでは、夫/父から妻/母へDVが行われている事例を示していますが、妻/母から夫/父へ、または同性のパートナー間でDVが行われていることもあります。
(1)子がDV加害者から直接暴力を受ける事例
DV被害を受けている人は、加害者に対する恐怖心から判断力や感情がまひしてしまい、子どもに対する暴力を制止できなくなる場合があります。
(2)子の前でDVが行われる事例(面前DV)
子どもの前でDVが行われること(面前DV)は、子どもへの心理的虐待にあたります。
(3)子がDV被害者から虐待を受ける事例
継続してDV被害を受けていると、感情がなくなり、加害者から言われるままに、子どもを虐待してしまうこともあります。
(4)子が加害者とDV被害者双方から虐待を受ける事例
DV被害を受けていると、加害者に対する恐怖心から逆らうことができなくなり、一緒になって子どもを虐待してしまうこともあります。
(5)加害者がDV被害者と子どもの関係を壊す事例
加害者が被害者の悪口を子どもに言い続けることで、子どもが被害者を軽んじるようになり、被害者と子どもとの関係が壊れてしまうこともあります。
※(注記)事例は、春原由紀「子ども虐待としてのDV」(星和書店)を参考に作成
DVは、子どもの成長にとって大切な安全・安心を根底から壊してしまいます。
そして、子どものこころやからだに様々な影響を与えるといわれています。
・空想の世界への逃避・激しい怒り ・常に緊張を強いられ、安全感や安心感が育たない・他者を信頼できない ・楽しいときがいつ崩れるか分からない不安で楽しめない ・自分がDVの原因だと思う罪悪感やDVを止められない無力感を感じる・自己評価が低くなる ・強者が弱者を支配するのが自然、「弱いこと」が悪い、と考えるようになる ・暴力で問題解決しようとする
DVに気づいたら・・・
DVは潜在化しやすい問題です。
周りの人から相談されたり、気づいた時には、
ぜひ「話してくれてありがとう」 「あなたは悪くない」と伝えてください。
「なんでもっと早く言ってくれないの?」 「○しろまる○しろまるだからダメなんだ!」
「あなたにも悪いところがあるんじゃない?」などと、
被害を受けている人を責めたり、話を否定しないでください。
話したり、相談してくれるのは、きっとあなたを信頼しているからこそ。
DVは自分たちだけで解決するのはとても難しい問題です。
被害にあっている人は相談をためらっているかもしれません。
相談された、被害に気づいたあなたは
被害を受けている人が専門機関に相談できるよう、
その人を支えてください。
また、身体的暴力を受けている人を見つけた場合は、
配偶者暴力相談支援センターや警察への通報に努めてください。
緊急の場合は迷わず110番通報してください。
連絡した人や、その内容に関する秘密は守られます。
虐待かもと思ったら・・・
虐待を受けている子どもや、虐待してしまっている親は、
自分から「助けて」と言いにくいかもしれません。
そもそも虐待だと思っていないかもしれません。
子どもは、殴られる、閉じ込められる、食事を与えられないなどのことをされても、
「自分が悪いからだ」と自分を責めていることがあります。
親は、虐待してはいけないと思っていても、
その行為をとめられなくなってしまうことがあります。
「助けてほしい」「誰かとめてほしい」と思っていることも少なくありません。
虐待かもと思ったら、
お住まいの市町村、児童相談所までご相談ください
「児童相談所虐待対応ダイヤル」にかけるとお近くの児童相談所につながります。
通告・相談は、匿名で行うこともでき、
通告・相談した人、その内容に関する秘密は守られます。
児童相談所虐待対応ダイヤル 189
児童相談所虐待対応 3桁ダイヤル 189 いちはやく
ひとりで悩まずに相談してください
DVも児童虐待も、自分たちだけで解決するのはとても難しい問題です。
相談してみることで、
ひとりでは気づかなかった解決方法が見つかるかもしれません。
一緒に考えてくれる専門の相談窓口があります。
プライバシーは守られますので、安心して相談してください。
DV相談ナビ #8008
DV相談ナビ(表) DV相談ナビ(裏)
DV(ドメスティック・バイオレンス)相談窓口 ひとりで悩まないで! 早めの相談が問題解決への第一歩です。 「これってDVかも...」「子どもの前で暴力がおきている...」「どこに相談したらいいか分からない...」「相手との関係がつらい...」DV相談ナビ#8008(はれれば)→最寄りの窓口へ自動転送 ※(注記)ご利用には通話料がかかります。※(注記)ご相談は、各機関の相談受付時間内に限ります。※(注記)携帯電話やPHS、公衆電話からも利用できます。一部のIP電話からはつながりません。→各都道府県の中核的な相談機関→専門家が対応いたします
その他の相談窓口
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全国の配偶者暴力相談支援センター
(携帯電話からはこちら) - 各都道府県警察又は各警察署の相談窓口
- 警察相談専用電話 #9110
(最寄りの警察署でも対応します。)
児童虐待 相談窓口 こんなときはすぐにお電話ください!「あの子、もしかしたら虐待を受けているのかも...」「子育てが辛くてつい子どもにあたってしまう...」「パパがママを殴ったと近所の子が言っている...」児童相談所全国共通ダイヤル189(いちはやく)→※(注記)一部のIP電話はつながりません。※(注記)通話料がかかります。→お近くの児童相談所→専門家が対応いたします