影響調査専門調査会(第1回)議事要旨

  • 日時: 2001年5月18日(金) 15:00〜17:06
  • 場所: 官邸大客間

(開催要領)

  1. 出席委員
    会長
    大澤 眞理 東京大学教授
    委員
    大沢 真知子 日本女子大学教授
    岡沢 憲芙 早稲田大学教授
    木村 陽子 地方財政審議会委員
    小島 明 日本経済新聞社常務取締役・論説主幹
    神野 直彦 東京大学教授
    高尾 まゆみ 専業主婦
    高山 憲之 一橋大学経済研究所教授
    永瀬 伸子 お茶の水女子大学助教授
    師岡 愛美 日本労働組合総連合会副会長
  2. 議題次第
  3. 概要

    しろまる初会合に当たり、内閣官房長官、松下副大臣からあいさつが行われた。

    しろまる各委員から自己紹介を兼ねたあいさつが行われた。

    しろまる運営規則について
    影響調査専門調査会の運営について、原案の通り決定された。
    また、同規則に従い、会長代理に岡沢委員が指名された。

    しろまる本専門調査会における議論の進め方について
    閣府から本専門調査会における議論の進め方について説明が行われ、質疑応答が行われた。

    しろまる意見交換

    木村委員
    政策評価と影響調査との間にはどういう関係があるのか。
    事務局
    政策評価はその政策自体の目標に沿って行われ、影響調査は男女共同参画社会の形成の促進の見地から行われるものであり、この点で両者は異なるものと考えている。
    木村委員
    影響調査の趣旨はそもそも何か。
    大澤会長
    女性がライフスタイルの選択をする際に、社会制度や慣行が中立的になっているかどうかという観点から政府の施策が与える影響を調査することを目的としている。
    師岡委員
    社会保障についても医療や介護、福祉と幅が広いが対象をどう設定するのか。
    大澤会長
    影響調査の対象、具体的な方針については今後専門調査会において議論をしつつ決めていきたいと考えている。
    専門調査会において出された意見は男女共同参画会議に報告されることになっている。会議は、必要と認める意見を総理大臣や関係大臣に述べるという任務を負っている。
    坂東局長
    男女共同参画会議の議員の半数は閣僚であることから、この専門調査会においてなされた議論についてはフィードバックがあるものと考える。
    永瀬委員
    モデルケースの骨子ということでシミュレーションを行うことが挙げられているが、これには相当の時間と労力がかかるものと考えられる。
    高山委員
    現実的に考えて、調査にあたってはあらかじめ目途をつけておいたほうがよい。
    坂東局長
    当然モデルは典型例ということでいくつかに絞りこむことになるだろうし、あまりケースを細分化しないほうが現実的な結果を導けるかもしれない。シミュレーションを挙げているのは、年金等に関してはすでに他の審議会において議論がなされているものの、具体的なシミュレーションを行って議論を行っているわけでは必ずしもないように思うからである。
    高山委員
    ワーキングチームの位置付け、研究資金等に関してはどうなっているのか。
    事務局
    専門調査会の下部組織というわけではないが、専門調査会に必要な素材を提供するという位置付けで、実際に作業をする研究補助者には相応の報酬を出すつもりでいる。
    高山委員
    年金、社会保障、税制といった本専門調査会で扱おうとしている分野はすでに既存の研究がいくつもあるが、それらを活用するべきである。
    大澤会長
    100万円、130万円の壁といったことがよく言われるが、本当にそういうことを意識して女性は収入調整をしているのだろうか。
    大沢委員
    100万円、103万円がどこから出てくるかを知らなくても、それを意識して調整している人が多いという実感はある。
    永瀬委員
    130万円よりも103万円で調整する人が多いのは、103万円のところで企業の配偶者手当て等がリンクされていることが多いからではないか。また、税金の徴収の関係で、例えば月収が8万円を超えると源泉徴収されるためにそこで調整するというのも聞く。
    坂東局長
    年金について、しばしば3号被保険者については支払いが免除されていることが問題として取り上げられているが、これについてはどう考えるか。
    高山委員
    86年に新しい制度を導入した際に現在のかたちになったのは、それなりに公平であるという解釈がされたためである。
    小島委員
    103万円という水準を云々するよりも、そういった狭い制約を受けつつ職業選択を行わざるを得ない社会だと、能力ある人間が十分にその能力を発揮できないという事態になる。事情さえ許せば、働きたい人が能力を最大限に生かして働けるような社会の構築が必要である。控除、手当て、といった部分的な措置の中で歪んだ選択を強いるような仕組み自体をチェックしていく必要があるように思う。
    神野委員
    税制についていえば部分的な合理性と総合的な合理性が整理されないで議論される傾向にある。課税するにあたり、担税力に応じた課税という目標と、男女平等という目標をどう両立させていくかという問題である。また、課税単位と控除はまったく別物である。
    師岡委員
    この専門調査会でやろうとしているのはどういう選択をすれば得になるかということではなく、これからどのようにして個人が男女共同参画していくのかということを念頭において調査を行っていく必要があると考える。
    大沢委員
    応分の負担をするかわりに機会を与えるような、例えば女性が働き易い環境作りということで保育所の整備をするといったような施策を政府は取るべきである。女性全体という観点を忘れずに、エリートの視点による議論に終始しないように心がける必要がある。
    松下副大臣
    女性が働ける環境の構築は政治的にも重要な課題であると認識している。

(以上)

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