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ワーキンググループ1

自然災害と保護地域

1.議長

議長:山本清龍(岩手大学農学部 准教授)
副議長:Vinod Mathur(インド国立野生生物研究所 学部長)

2.テーマの概要

地球上では地震、火山噴火、地滑り、気候変動による洪水、暴風、干ばつなどの異常気象、森林火災、津波など多くの自然災害が発生しており、国立公園を含めた保護地域も例外ではない。保護地域においては自然災害を生態系のプロセスの一部と考えて生態系保護をはかる必要があるが、アジアでは保護地域内に住む住民、生業、文化があるため自然災害のリスクを軽減する措置も必要である。
一方で、保護地域を活用することで、例えば、自然災害が発生するリスクの高い場所を保護地域として土地利用の観点から居住人口の減少を図ることにより、災害リスクを軽減することや、自然災害からの復興の過程において、生態系サービスの基盤である自然環境の保全や保護地域の観光利用等により、持続可能な社会の構築を図ることが可能である。
そこで、本ワーキンググループでは自然災害と保護地域の関係性について取り上げ、自然災害の実情、生態系保全を基盤にした減災、被災後の復興について議論する。

3.期待されるサブテーマと発表

1)保護地域における自然災害

地球上で生起する自然災害については様々な学問領域において調査研究の蓄積があるが、保護地域という視点に立ってまとめられたものは2006年のIUCN報告(Ecosystems, Livelihoods and Disasters)など数が限られている。そこで、アジアの保護地域で生ずる自然災害について情報収集し情報の共有と知見の整理を図りたい。

しろまる期待される発表

  • 保護地域における気候変動と自然災害
  • 保護地域で生ずる自然災害の歴史
  • 被害の程度、経年変化
  • 要因分析など自然災害の実情に関する報告

など

2)生態系保全と減災

アジアでは保護地域内に住む住民、生業、文化があるため自然災害のリスクを軽減する必要があり、防災施設の建設、防災教育、生態系保全を基盤にした減災などいくつかの方策が考えられる。そこで、アジアの保護地域において自然災害のリスクを軽減するための知恵や方法、必要な取り組みについて情報共有を図り、減災にむけた方法論の整理を試みたい。

しろまる期待される発表

  • 災害のモニタリングと予知(Monitoring and Early Warning)
  • 災害リスク管理(Disaster Risk Management)
  • 減災(Disaster Risk Reduction; DRR)
  • 防災教育を含めたリスクコミュニケーション(Disaster Risk Communication)
  • 避難誘導など災害発生時に必要な取り組みに関する報告

など

3)東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災は想定外の津波を発生させ日本において未曾有の大惨事をもたらした。被災した地域には陸中海岸国立公園をはじめ三陸から福島県沿岸部まで多くの自然公園があり、それらの自然公園を再編成する三陸復興国立公園構想の下に復興にむけた取り組みが急ピッチで進められている。そこで、日本の東日本大震災に関する情報と地震と津波の多い日本の教訓をアジアで共有したい。

しろまる期待される発表

  • 東日本大震災にみられた自然災害の特徴
  • 被害の程度
  • 震災発生時の人の行動などの記録
  • 減災の考え方
  • 三陸復興国立公園構想

など、東日本大震災に関する報告

4)被災後の保護地域の管理と復興

アジアの保護地域では自然災害といかにつきあっていくかが大きな課題であるが、とくに被災後は保護地域の資源管理と地域の復興、次の自然災害への備えが重要である。そこで、アジアにおける自然災害発生後の取り組みについて情報共有を図り、復興にむけた有効な施策、取り組みをまとめたい。

しろまる期待される発表

  • 被災後に必要な瓦礫処理などの保護地域の管理
  • 風評被害の払拭
  • 住まい方など被災後の生活基盤の復旧
  • 文化保全
  • 観光振興に関する取組

など

5)その他

  • 新しいテクノロジーと減災
  • 公園利用者のリスク管理

など

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