エコチャレンジャー 環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

第96回 中井徳太郎環境事務次官に聞く、大きな転換期を迎える環境施策の方針
新型コロナの危機ということでここ3年近くにわたり世界中が大変な状況にありますが、今ご指摘があったように、気候変動も今や気候危機ということで、世界中で自然災害が多発しているわけです...

2022年01月28日

第95回 国立環境研究所気候変動適応センター長の向井人史さんに聞く、気候変動適応の広がりと重要性、そして現在の課題
気候変動適応法が2018年にできました。地球温暖化対策推進法という、特に温暖化の「緩和」に関して定めている法律が1998年に制定されてから20年を経た後のことでした...

2021年11月24日

第94回 長崎大学熱帯医学研究所教授の山本太郎さんに聞く、ウイルス感染症の生態学的な意味と人間社会との共生
ちょうど30年くらい前になりますが、ウイルス感染症の研究を志した学生時代には、「感染症はもはやあまり意味がないんじゃないか」と言われていました ...

2020年11月20日

第93回 みんな電力事業本部ソリューション営業部部長の真野秀太さんに聞く、"電気を選ぶ"ことの意味と影響
コンセントって、水道をひねれば水が出るのと同じように、挿せば電気が流れてきますが、必ずどこかの発電所につながっています。そのコンセントの向こうの発電所に思いを巡らせたことはありますか?という問いかけです...

2020年8月20日

第92回 中間貯蔵・環境安全事業株式会社代表取締役社長・小林正明さんに聞く、「歴史的な課題」となったPCB廃棄物の処理及び福島県内の除去土壌等の中間貯蔵事業の進捗及び今後の見通し
中間貯蔵・環境安全事業株式会社という非常に長い名前の会社は、法律で役割が定められ国が出資して設立された株式会社で、歴史的ともいえる課題に取り組んでいます...

2020年3月19日

第91回 鎌形浩史環境事務次官に聞く、2020年に取り組む環境問題への対応方針
環境行政が抱える課題というのは、気候変動問題、そして昨今の海洋プラスチックごみ問題に象徴されるように循環型社会をどう形成していくかという問題、それから生物多様性をどう保全していくかなど、広範にわたっていると思います。

2020年01月20日

第90回 東北大学教授の早坂忠裕さんに聞く、気候学の最近の成果と今後の課題
もともと気候についての研究は、例えば気温や降水量など測定できるものをある程度長期間の平均値などから眺めて、地球上にマッピングするところから始まりました。それが今は、物理学・化学・生物学に人間に関する諸科学を加えて、単に現実がどうなっているかを測って地図上に落とし込むだけでなく、そのメカニズムを知ろうとしてきています。

2019年11月20日

第89回 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 大迫政浩センター長に聞く、高齢者のごみ出し支援の研究からみた循環型社会づくり
私が廃棄物の研究分野に入ったのは1991年ですから、30年に少し届かないくらい前のことです。大学院生の時は衛生工学を専攻していたのですが、実は感覚公害、つまり悪臭の研究をしていました。1991年に大学院を修了し、国立公衆衛生院という旧厚生省の研究所に入ってから廃棄物の研究を始めました。

2019年09月20日

第88回 俳優・市毛良枝さんが語る、山に登ることの楽しみと自然の素晴らしさ
私は、高度成長期に育った人間なので、日本が豊かになっていくことを"いいな"と思ってみてきた子ども時代を過ごしてきました。ただ、ある時から"行き過ぎているんじゃないか"、"このままでいいのだろうか"と思い始めていたんですね。もともと東京が大好きで、都会が大好きだったんですけど、そのうち、都会の人がいつも怒って道を歩いているような気がしてきて、社会の閉塞感を感じ始めたのです。

2019年07月19日

第87回 陶磁研究家・森由美さんに聞く、土地の土と水と薪で焼かれる陶磁器で土地の料理を楽しむ、自然に寄り添った暮らし
私は東京藝術大学大学院美術研究科の出身ですが、その前、学部時代は立教大学の理学部化学科におりました。小さい頃は化学少女でして、美術系に進学するつもりはまったくありませんでした。ただ、実家が骨董屋でしたから、自宅には古いものがたくさんあったのは確かです。

2019年05月20日

第86回 IGES北京事務所長・小柳秀明さんに聞く、中国の環境政策の現状とこれまでの進展
私が中国にかかわり始めたのは入庁後20年ほど経ってからでした。この頃、中国はちょうど経済発展の時でした。公害も非常に激しく、また十分な対策がとられていない時代でもありました。

2019年03月20日

第85回 環境省の高橋康夫地球環境審議官に聞く、2019年の地球温暖化対策を中心とした環境行政の基本方針
2019年度の大きな方向性ということでございますけれども、2019年度の環境省の重点施策というものがございます。環境をテコに"生活の質を向上する「新たな成長」"というのがキャッチフレーズです。このもとになっているのが、昨年の4月に閣議決定された第5次環境基本計画です。

2019年01月21日

第84回 東京大学サステナビリティ学連携研究機構の住明正特任教授に聞く、気象学から見た地球温暖化と"異常気象"(気象の極端現象)との関連
世界的には、エキストリームイベンツ(Extreme Events)、直訳すると「極端現象」。日本人は、正常な状態を好む雰囲気がとても強いでしょう。「異常」という言葉の裏には、「正常」があるという想いを持っているのです。

2018年12月20日

第83回 農研機構 中央農業研究センター 虫・鳥害研究領域長の後藤千枝さんに聞く、農作物の虫害対策における生物農薬のこれまでの成果
病害虫とまとめて言うことが多いのですが、専門家は、虫害と病害に分けて仕事をしており、私は虫害の方が専門ですので、今日は虫害を中心にお話をさせていただきます。

2018年11月19日

第82回 海洋研究開発機構の菊地隆さんが見てきた北極の海氷減少と環境変化
日本では、20世紀中頃から研究者個人のレベルで、アメリカなどの研究者と協力した北極での研究が行われていました。その中で、JAMSTECが最初に北極観測を始めたのは、1990年初めになります。2015年には、JAMSTEC内に北極環境変動総合研究センター(IACE)を立ち上げました。

2018年10月19日

第81回 石綿による健康影響と今後の動向を、横須賀市立うわまち病院の三浦溥太郎さんに聞く
石綿による病気には、大きく分けて、中皮腫、石綿肺、肺がん、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水の5疾患があります。1つめは、私が最初に診た石綿の患者さんが患っていた中皮腫です。一度かかると、2年後の生存率が約30%といわれます。2つめは、石綿肺という「じん肺」です。

2018年09月20日

第80回 2018年国際水協会世界会議実行委員長の古米弘明さんに、水をめぐる未来のかたちを聞く
2030年を目標年としたSDGs(持続可能な開発目標)は、2000年に採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)と同じく世界の共通目標として設定されたものですが、今回は「Leave no one behind=誰も取り残さない」というのがポイントです。

2018年08月20日

第79回 江戸川大学・国立公園研究所長の中島慶二さんに聞く、日本の世界自然遺産と国立公園のいまとこれから
よくユネスコの世界遺産と言われるのですが、実際は世界遺産条約という国家間の約束ごとです。人類共通の財産である、文化的なものと自然とを守っていこうと、2018年(平成30年)2月現在、世界193か国が条約を結んでいます(ユネスコ加盟国は195か国)。

2018年07月20日

第78回 食品ロス問題の専門家・井出留美さんに食品廃棄の課題と解決の糸口を聞く
最初に食品ロスに関わったのは、アメリカに本社があるグローバルの食品企業に勤めていた2008年です。アメリカではまだ食べられるけれども商品としては流通できないもの、例えば凹んだ缶詰やパッケージが破れた商品をフードバンクというところに寄付をする社会貢献の仕組みがあります。

2018年06月19日

第77回 国立環境研究所社会環境システム研究センター長・藤田壮さんに聞く、社会動向予測を取り入れた気候変動適応策
国環研には現在、8つの研究部門があり、その1つが社会環境システム研究センターです。国環研の研究は、前身である国立公害研究所(公害研)の頃から、自然環境の観測や解析が主でした。これに対し、社会環境システム研究センターは人間の社会・経済の活動と環境との関係に焦点をあてています。

2018年05月21日

第76回 千葉商科大学学長の原科幸彦さんに、日本初の「自然エネルギー100%大学」実現に向けた取り組みを聞く
遡るのですが、私が東京工大に在職していた2011年に東日本大震災が起こりました。その時に計画停電対応をした際、理工系大学でエネルギーを節約することの難しさを実感しました。ところが千葉商大は商科系、社会科学系の大学なので、エネルギー消費量が理工系ほど多くないのです。

2018年04月20日

第75回 琉球大学名誉教授の土屋誠さんが考える、サンゴ礁への恩返しとは
子どもの頃から虫や魚に関心はありましたが、本格的に研究を始めたのは、大学に入ってからです。私が勉強したのは東北大学ですが、大学院に入って取り組んだテーマは、宮城県の蒲生干潟の生物群集の動態解析です。蒲生干潟は、東日本大震災で大きな被害を受けたところです。

2018年03月22日

第74回 照明デザイナー・石井幹子さんが語る、人にも環境にも適した照明デザイン
私はプロダクトデザイナーになりたくて、大学でデザインを勉強した後、当時銀座にあったデザイン会社に就職いたしました。たまたま、その会社で手掛けた照明器具の試作品にあかりが灯った瞬間、大変感動したのです。私たちが目にする色も形も、照明の光でわかることに気がついたのです。

2018年02月21日

第73回 環境省事務次官・森本英香さんに聞く、2018年の環境行政の展望
環境行政も激甚な産業公害対策、国立公園管理からスタートして、長い間にどんどん変化し、今現在は「地球環境問題」、「循環型社会づくり」、「自然との共生」この3つが大きな課題になっています。 また、「福島の復興」については昨年新しいフェーズに入ったと考えています。

2018年01月22日

第72回 東京大学名誉教授・福代康夫さんに聞く、海洋における有毒有害生物の移動に伴う生態系への影響やバラスト水規制
バラスト水による侵入生物として話題になっているのは、海産生物だけではなく、ブラジルのカワヒバリガイや、ヨーロッパからアメリカに運ばれたゼブラガイなど淡水生物もあります。

2017年12月20日

第71回 ジビエ利活用アドバイザーの長田富士子さんに聞く、ジビエの魅力・狩猟活動を通した人間と野生動物との関係・地域活性化の取り組み
人間と生き物たちとの関係というか、その境界については私もよく考えます。本当に理想的なのは共存共栄ですよね。人間が山をほったらかすと、動物にも棲みにくくなり、動物が便利で美味いものもある人里に下りてくると思います。

2017年11月20日

第70回 株式会社ブリヂストン技術スポークスパーソンの原秀男さんに聞く、タイヤに関わる安全や環境の問題、交通システムを含む持続可能な社会つくりへの関わり
私どものブリヂストングループが最も大事にしているモットーは、企業が企業として良い仕事をするだけでなく、社会に良い貢献をすることです。それが企業として生き残る条件だと考えています。ESGと表現されるものです。文字どおり、Environment「環境」、Social「社会」、Governance 「ガバナンス」の重視です。

2017年10月20日

第69回 株式会社リーテム取締役会長の中島賢一さんに聞く、廃棄される有用な資源の「都市鉱山」としての活用と、リサイクル社会への道筋
日本は、世界で一番くらいの都市鉱山国家なのです。国内でリサイクルできるものはきちんと国内で、国内でオーバーフローするものは資源として売却すべきなのです。国外で環境負荷を起こすのではなく、国内できちんと再資源化し製錬で使えるようにするのが一番です。
第68回 認定NPO法人富士山測候所を活用する会の土器屋由紀子理事が語る、富士山で大気観測をする意義
富士山が日本の真ん中に位置し、かつ独立峰ということです。そのため、地球表面の影響を受ける大気境界層よりはるかに上で、人間活動の影響もほとんど受けない自由対流圏に位置しているのです。おまけに、かなり離れたところに山小屋があるくらいで、人為的な物質の発生源もほとんどなく、これ以上はない優れた観測ポイントです。

2017年08月21日

第67回 温泉と宿のライター・野添ちかこさんに聞く、日本の国立公園や温泉をはじめとする旅の魅力
私は、旅行業界の記者の仕事を経て、旅のライターとしてスタートいたしました。なかでも強く惹かれたのが温泉でした。なぜ温泉かと申しますと、温泉には人を癒す力があると感じたからです。また、温泉そのものだけでなく、周囲の自然も含めた魅力があります。さらに言えば、温泉を守る仕事をされている方もおられますし、温泉地を訪ねると多くの人びととかかわりをもつことになり、人との出会いが人生を豊かにしてくれると感じました。

2017年07月20日

第66回 国立環境研究所客員研究員の小野雅司さんに聞く、熱中症の原因、予防法や対処法
以前大きな問題だったのは、工場などの高温の作業環境で起きる熱射病、あるいは強烈な直射日光を直接浴びることで引き起こされる日射病でした。熱射病と日射病という言葉が使われることは減りましたが、まったく消えたわけではなく、たとえば人口動態統計の疾病分類では現在も使われています。

2017年06月20日

第65回 写真家・今森光彦さんに聞き、そして考える自然の見方、感じ方、自然との付き合い方
写真家といってもさまざまなジャンルがあるわけで、私の場合は対象が自然、「自然の写真家」です。自然を撮る写真家になりたかったのです。なぜかというと、子どものころからすごく自然が好きだったのです。

2017年05月22日

第64回 三菱UFJモルガン・スタンレー証券クリーン・エネルギー・ファイナンス部主任研究員・吉高まりさんに聞く、二国間クレジット制度(JCM)を含む地球温暖化対策としての排出権取引を中心とした国内外の環境金融の状況
私は大学の法学部を卒業した後、IT企業に勤めてから金融業界に転職いたしました。転職先がアメリカの投資銀行の日本現地法人で、その後ニューヨーク本社に赴任することになったのです。

2017年04月21日

第63回 認定NPO法人日本グッド・トイ委員会理事長・多田千尋さんに聞く、暮らしに木を取り入れる取り組み
私たちは、1985年に日本グッド・トイ委員会を任意団体として起ち上げました。一番の使命は、おもちゃに焦点をあて、消費者サイドに立っていいおもちゃを選び表彰するアワード(賞)をつくることでした。実は、その前段階にあたる「おもちゃコンサルタント養成講座」に取り組み、おもちゃの専門家を養成していたのです。

2017年03月21日

第62回 公益財団法人地球環境戦略研究機関・浜中裕徳理事長に聞く、環境を巡る国内外の状況と、今後の方向性
IGESは1998年、「京都議定書」が採択されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)が終わってすぐに、日本政府のイニシアティブのもとで神奈川県のご支援を得て設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。 アジア太平洋地域に焦点をあて、持続可能な開発の実現に向け、革新的でかつ実践的な政策研究を目指しています。

2017年02月20日

第61回 小林正明環境事務次官に聞く、2017年の環境行政の展望
環境省としては、東日本大震災からの復興に向けた取組みが今年も大変重要な課題ですが、今年にかける意気込みということを踏まえ、グローバルな視野に立った環境を巡る状況からお話しさせていただきます。一昨年の後半くらいから、世界は大きく動いております。

2017年01月20日

第60回 東京大学大気海洋研究所・木本昌秀教授に聞く、異常気象のメカニズム、そして地球温暖化との関係
最初に確認しておきたいのは、皆さんがご存じのとおり、天気は毎日変わります。雨が降る日もありますし、暖かい日も涼しい日もあります。また、夏の天気をとっても、少し暑い夏も少し涼しい夏もあります。

2016年12月20日

第59回 世界初・パンダ専用の人工乳を開発した、株式会社森乳サンワールド顧問の高津善太さんに聞く、動物園等における哺乳動物の人工乳導入の現状と課題
上野動物園で飼育されている哺乳類は日本動物園水族館協会の資料(2012年)では132種です。日本の動物園の数は大体90園です。仮に、それぞれの動物園での種数が上野と同じで、それぞれの種が年に1回出産するとすれば、合計11,880頭以上が毎年生まれていることになります。

2016年11月21日

第58回 inQs株式会社代表取締役社長・伊藤朋子さんに聞く、光発電分野の技術開発と環境への貢献
私がinQs株式会社を立ち上げた際のコンセプトは、見えない光を含め、身の周りに溢れている光を利用してエネルギーを作り出すことでした。その発端のところをお話させていただきます。私は大学生の時に超電導の研究をしており、送電線を通る際の電力のロス、送電ロスのことを知りました。電力が送電線を通る際に63%も失われることに対し、非常にもったいないと感じたのです。

2016年10月21日

第57回 ユニー株式会社・百瀬則子執行役員が語る、毎日のお買い物を環境によいことにつなげるスーパーマーケットの取組み
2001年に、循環型社会形成推進基本法が成立したことが大きかったと思います。弊社はこの年に環境部を設置いたしました。環境活動としてまずは法律を守ろうと考え、最初に取組んだのが地域にごみを出さないことでした。

2016年09月20日

第56回 弘前大学理工学研究科・野尻幸宏教授に聞く、地球温暖化における海の役割
地球上の二酸化炭素濃度を、過去の地球の状況あるいは現在までの変化と関連づけ科学的に把握するには、信頼性の高い証拠が必要です。大気中濃度の把握に重要なのが、氷床コアの中に気泡として閉じ込められた空気です。

2016年08月22日

第55回 東京学芸大学名誉教授の小泉武栄さんに聞く、山がもつ自然の魅力と楽しみ方
自然地理学は、地球表面の地形・気候・土壌・水・植生などを対象に研究する分野です。世界は広いものですから、地域による違いがたくさんありまして、その違いが私たちの研究対象になります。

2016年07月21日

第54回 株式会社ファーメンステーション代表・酒井里奈さんに聞く、奥州市における地域循環サイクルの取り組み
私は1995年にみずほ銀行(当時の富士銀行)に入り、主に金融部門で10年くらい仕事をした後、東京農業大学に入学したのですが、銀行に勤務中の1997年から1999年まで、国際交流基金日米センターに出向していました。NPO法案が成立した時期で、日米の草の根交流促進のプログラムオフィサーの仕事をし、すっかりハマってしまいました。

2016年06月21日

第53回 株式会社LIXILグループ代表執行役副社長・川本隆一さんに聞く、我が国の産業界の地球温暖化対策への取り組み
Japan-CLPは、持続可能な低炭素・脱炭素社会の実現のためには産業界が積極的な行動を行うべきである、という認識のもと、2009年に日本の有志企業により設立されました。加盟企業自らが率先して環境活動に取り組むことに加えて、民間企業として世の中に積極的な働きかけを行っています。例えば、政府や産業界、世間の皆さんに、民間企業としての意見を示していくことです。

2016年05月20日

第52回 東京農工大学農学部環境資源科学科・高田秀重教授に聞く、マイクロプラスチックによる海洋汚染の実態と対策
卒業研究で、東京湾の海底の泥の中から、合成洗剤などに含まれるLABと呼ばれる化学物質を発見しました。このことが、現在もつづけている研究のきっかけになったのです。

2016年04月22日

第51回 元・気候変動担当大使の西村六善さんに聞く、気候変動問題の解決に向けた方法論と今後の国際的な動向
途上国の貧困と南北間の格差の議論がとくに大きかったのは1960年代ですが、COPがはじまった1990年代にも、その背後に存在した最も大きな問題は南北問題だったのです。当時の議論を振り返りますと、南北問題の中に科学が割り込んできたというような感じでした。

2016年03月18日

第50回 公益財団法人廃棄物・3R研究財団・田中勝理事長に聞く、廃棄物の適正処理と循環型社会形成への道筋
私が廃棄物分野の研究にかかわるようになったきっかけは、アメリカの大学院に留学したときにさかのぼります。奨学金を出してくれるという大学から、研究テーマに「大気環境」か「廃棄物」のどちらかを選ぶようにという指示を受けたのです。

2016年02月22日

第49回 関荘一郎環境事務次官に聞く、2016年の環境行政の展望
環境省は大変多くの課題を抱えておりますが、振り返りますと前身の環境庁が発足したのが1971年ですので、今年が45年目にあたります。人でいえば45歳という最も働き盛りになったともいえますので、それに相応しい環境行政を押し進め国民の期待に応えたいと、このように考えております。

2016年01月22日

第48回 公益財団法人中央温泉研究所の甘露寺泰雄専務理事に聞く、日本の温泉の魅力と可能性
環境省の近年の温泉利用状況の報告書によると、源泉数、湧出量はここ数年頭打ちで、いくらか低下傾向にあります。自然湧出量は横ばい、新規の温泉掘削と動力源泉数は大幅に減少しています。宿泊人員も減少傾向で、収容定員も平成7年ころから減少しています。

2015年12月18日

第47回 国立研究開発法人国立環境研究所エコチル調査コアセンター・新田裕史センター長代行に聞く、4年が経過したエコチル調査の成果と展望
人の健康にかかわる環境要因は実に多様です。それぞれの環境要因の単独の寄与は小さくても、全体としての寄与は大きくなります。通常の環境疫学の研究、たとえば大気汚染の健康影響の研究では、大気に直接関係する要因に絞って因果関係を明らかにするのがふつうです。

2015年11月20日

第46回 東京大学大学院農学生命科学研究科の下村彰男教授に聞く、日本のエコツーリズムと地域の文化・歴史を反映する風景の意義
エコツーリズムへの関心は、ごく自然にもつようになったということでしょうか。私の研究室は「森林風致計画学」という名で、諸先輩は東京の日比谷公園や明治神宮などの設計・造園にもかかわりましたし、国立公園の制度つくりなども行ってきました。私自身も「風景計画」を研究の柱にしており、風景管理という視点からの自然保護、観光、街づくりなどを包含したものがエコツーリズムと考えているからです。

2015年10月20日

第45回 名古屋大学大学院環境学研究科の高村ゆかり教授に聞く、新たな枠組の策定が期待されるCOP21に向けた国際交渉への展望
現在は、COP21に向け最終的な交渉の局面にはいっているといえます。パリ会議まで残すところ約100日(2015年8月24日時点)、非公式会合などを別にすれば、あと10日しかありません。各国の雰囲気は、パリ会議で新しい枠組み、できれば新しい法的な文書を策定したいという強い意向で固まってきていると思います。

2015年09月18日

第44回 石坂産業社長の石坂典子さんに聞く、地域とともに進める産業廃棄物処理の取り組み
石坂産業は私の父親が創業者で、今年で48年目を迎えた会社です。私が社長を引き継いだのは13年ほど前のことでした。創業当時は、高度経済成長に伴い廃棄物は縮減することが目的化されていたように思います。廃棄物の容積を小さくするのに簡便なのは焼却で、今でも国内で7割ほどの廃棄物が焼却処理されているのです。現在も海洋埋め立てがつづけられています。

2015年08月21日

第43回 経団連自然保護協議会の佐藤正敏会長に聞く、自然保護を支援すること、そして自然災害に立ち向かうこと
ご承知のとおり、地球環境が変化し、台風、ハリケーンあるいはサイクロンなどの発生頻度が高まり、規模も非常に大きくなってきています。とりわけ、この15年くらいの変化が大きいのです。私どもの損害保険業界は、このような自然災害に対する保険金の支払い額の増大という点で、環境問題による直接的な影響を受けているわけです。

2015年07月21日

第42回 中央環境審議会会長の浅野直人さんに聞く、中環審の役割と、"環境配慮の必要性"を主流化するために大事にすること
私はもともと民法が専門で、公害被害者の救済について研究していました。加藤一郎先生が主宰されていた「人間環境問題研究会」のメンバーとして勉強したことなどがきっかけになって、1980年に当時の環境庁から依頼を受け、元の「環境影響評価法案」の国会審議を促進するための検討会のメンバーに加わったのが最初でした。

2015年06月19日

第41回 慶應義塾大学教授・伊香賀俊治さんに聞く、建築の多面的特性と持続可能性工学が目指す視点
私は大学の学部と大学院で建築学を専攻し、大学院修了後は民間の設計事務所に勤めました。大学で、省エネあるいは今でいう創エネを研究する研究室で勉強し、設計事務所で実際に設計を行い設計した建物の省エネ性能を検証する中で、持続可能性を強く意識するようになりました。

2015年05月22日

第40回 全国小中学校環境教育研究会会長の棚橋 乾さんに聞く、ESDの要素を入れた環境教育のめざすところと取組みの現状
「研究会」は、公害教育研究会の時代を入れると47年目を迎えました。最初は東京に公害教育研究会が創られ、その後、少しずつ全国に広がり、熱心な先生方が集まり活動されていました。1975年に、ユネスコのベオグラード憲章が出され、環境教育の目的や目標が明確になった頃から活動が活発化し、名称も現在の環境教育研究会に変わったのです。

2015年04月20日

第39回 東京農工大学大学院・畠山史郎教授に聞く、PM2.5をはじめとする越境大気汚染の生成過程と対処方法
最初に注目された越境大気汚染は酸性雨でした。地球温暖化やオゾン層の破壊とならぶ地球環境問題として取り上げられたのです。実は、日本海側で冬に降る雪に多くの酸性物質が含まれていることは、北陸の中学校の生徒も自由研究で明らかにしており、その起源がアジア大陸ではないかと考えられていたのです。

2015年03月20日

第38回 末吉竹二郎 国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問に聞く、金融手法を活用した環境対策の日本および世界の状況
きっかけは2000年の秋でした。ドイツ銀行の本店がある金融都市のフランクフルトで、2年に1回開かれるUNEP FIの総会にあたるラウンドテーブルミーティングがあり、私が招かれ話をしたのです。なぜ招かれたのかと言いますと、私は当時、日興アセットマネジメントで国際部門を担当しており、前年の1999年に「エコファンド」という新しい投資信託商品が売り出されました。エコファンドは、ふつうの株式投資の商品がお金にお金を産ませるのに対し、お金だけでなくて環境に配慮している企業に投資するのです。環境に優しい企業を投資でサポートする環境金融商品の第1号だったのです。それが、半年か1年足らずで1000億円を超える大ヒット商品になったのです。

2015年02月24日

第37回 鈴木正規環境事務次官に聞く、2015年の環境行政の展望
環境省が取組む仕事は年を追うごとに多岐にわたってまいりましたが、どれもが疎かにできないものと認識しています。国民の皆さまの生命や生活にかかわる問題が多く、皆さまからの期待あるいは付託に十分応えることが、環境省の使命と考えております。省内のそれぞれの局、課、室の職員が担当するテーマに一所懸命に取組んでおりますので、私としては、全員が全力を発揮できるようしっかりサポートをしたいと思っています。

2015年01月23日

第36回 鬼頭昭雄 筑波大学生命環境系主幹研究員に聞く、近年注目を集めている気象の極端現象と地球温暖化の影響とその対策
日本の気象庁が、気温あるいは降水量などを異常と判断するには、まず場所と期間を決めます。期間として、30年に1回の頻度で発生する現象を異常気象と定義しています。現在は、1981年から2010年までの30年間の値の平均を平年値としています。どうして30年かというと、世界気象機関に推奨されていることもありますが、30年だと一生の間に稀に起きると感じるのではないでしょうか。

2014年12月09日

第35回 倉阪秀史千葉大学大学院人文社会科学研究科教授に聞く、エネルギー政策の現状と今後の課題・展望
第四次計画は、原発を重要なベース電源として位置づけることで議論を呼びましたが、私が問題と思うのは、経済性が色濃く出されたことです。エネルギーの安定供給は重要ですし、供給するコストも重要なのはそのとおりですが、エネルギー計画には社会を持続させる観点も非常に重要なのです。安定供給とコストだけを考えると、石炭をたくさん燃やせばいいという結論に傾いてしまいます。実際、日本で石炭火力の計画が目白押しの状況が生まれています。これは、おそらく誤りです。温暖化対策という世界全体の流れに逆行しています。

2014年11月11日

第34回 トヨタ自動車株式会社技術統括部・河合大洋担当部長に聞く、燃料電池自動車の可能性と開発の現状
燃料電池にもいろいろな種類があり、主に5種類が研究開発されています。その中で自動車に向いているのは、薄い高分子膜で水素イオン(H+)の移動で発電する「固体高分子型」というタイプです。
ラップのように薄い高分子電解質膜が、H+だけを通す性質をもっており、その両側に触媒を塗ると、片側では水素(H2)が触媒作用でH+とe-(電子)に分かれ、e-は回路を回りH+は膜を通過します。一方、反対側では触媒作用で酸素が分解し、H+とe-と酸素(O2)が合体し水(H2O)ができるという仕組みです。水素と酸素から電気と水をつくるので、水の電気分解の逆のイメージですね。

2014年10月10日

第33回 立教大学・阿部治教授に聞く、環境教育のルーツとESDへの発展
「環境教育」という言葉が最初に文献で確認できるのは、1948年のIUCN(国際自然保護連合)の設立総会でなされた、イギリス人のトマス・プリチャードの発言といわれており、自然・生態系を保全するための教育を指していました。その背景として、アメリカを中心に1800年代後半から自然学習あるいは野外教育が始まり、1900年代にはいると自然保護あるいは自然管理の活動が進められていたことがあげられます。

2014年09月17日

第32回 NPO法人海辺つくり研究会理事(事務局長)の木村尚さんに聞く、豊かで美しい海をめざした取り組み
基本的には、海が好きだということでしょうね。
私は昭和31年生まれで、母親の実家は石川県の能登半島です。父親が仕事の関係で出張に出ると1、2年帰ってこないこともあり、母親の実家で長く過ごすことが多かったのです。
母の実家は農家でしたが、海も近く、伯父は定置網の仕事をしていました。海では漁師のおじさんたちによく遊んでもらい、魚の獲り方、潜り方など、いろいろなことを教わっているうちに海が好きになったのです。

2014年08月08日

第31回 登山家・田部井淳子さん曰く、自分で見て納得できるところが山の魅力
女性だけでヒマラヤに行こうと、女子登攀クラブを結成したのが1969年でした。当時は、組織に属していないと海外の山に登る許可が取れなかったからです。1970年にネパール・ヒマラヤが解禁になることが分かったので、女子登攀クラブとして、まず1970年に7000m級の山、その次に8000m級の山を目標としたわけです。

2014年07月10日

第30回 国立環境研究所社会環境システム研究センター・フェロー 甲斐沼美紀子さんに聞く、脱温暖化に向けた今後の対策
私が勤めています国立環境研究所は、1990年に国立公害研究所から名称変更されたのですが、そのころ、国内だけでなく地球全体で考えなければならない環境問題、たとえばオゾン層の減少、地球温暖化、越境大気汚染などが大変重要になってきていたのです。IPCCが創設されたのが1988年でしたし、1990年にはIPCCの第一次評価報告書が出されています。

2014年06月10日

第29回 日野市環境情報センター長・小倉紀雄さんに聞く、市民と行政と企業の協働による身近な環境問題への対応
私は、1974年に東京農工大学に赴任し、近くを流れる多摩川の支流の南浅川で調査をはじめました。当時は下水道が十分に発達しておらず、南浅川は上流が非常にきれいで、だんだん生活排水が入って汚れていくプロセスがわかりやすかったからです。それに、南浅川だと大学から車で1時間半もあれば源流まで行くことができ、1日で上流から最下流まで回れたからです。調査をしていた1984年に、「浅川地区環境を守る婦人の会」の方々に出会いました。

2014年05月09日

第28回 東京大学・木下健名誉教授に聞く、海洋再生エネルギー利用の現状と今後の展望
まず歴史ですが、最初に紹介したいのは、実際的な海洋再生エネルギー利用は日本の益田義雄さんが始められたことです。昭和39年、1964年のことです。海洋に浮かべる航路標識ブイが夜間にもよく見えるように光らせようと、その電源に波力を使ったのです。これが現在では世界中で広く用いられているのですから、益田さんが海洋エネルギー利用の世界の先駆者なのです。次いで、1970年頃に起きた第1次石油ショックの時、イギリスが海のエネルギーを使おうと大々的にいろいろな試みを始めました。その中心は波力でした。

2014年04月10日

第27回 日本医科大学 大久保公裕教授に聞く、花粉症の原因・影響・対応策
1964年、今からちょうど50年前に、東京医科歯科大学の耳鼻咽喉科におられた斎藤洋三先生が、日光で初めてスギ花粉症の患者さんを報告しました。それから徐々に患者さんが増えてきたわけです。大きな原因は第二次世界大戦後に植えられたスギとヒノキの人工林で、これらの木が生長し、樹齢30年以上の成木の割合が約7割にもなったのです。成木が多いと、花粉がたくさん飛ぶわけです。この状況が北海道と沖縄以外すべてでみられています。

2014年03月10日

第26回 淑徳大学総合福祉学部 北野大教授に聞く、身近な生活環境の中での化学物質の問題
私が基本的に考えているのは、化学物質は両刃の剣ということです。うまく使えば効用を最大限に発揮できるし、誤って使えば有害になるわけです。うまく付き合うには、科学的なデータに基づく情報を大事にして使い方を考えることです。確かに、過去に化学物質による被害もありました。私たちが高をくくっていたところがあるのでしょうね。有名なパラケルススの言葉があります。「すべての物質は毒である。毒でないものは何もない。摂取量によって毒にも薬にもなる。」と。リスクとは、曝露量とハザード(危険の要因)の程度で決まるのです。我々はハザードをよく知った上で、曝露を減らしていくべきなのです。研究者としては、ハザードの小さいものを開発していくことが大事です。生活者としては、曝露を減らしていくことが大事です。

2014年02月13日

第25回 谷津龍太郎環境事務次官に聞く、2014年の環境行政
1つの大きな柱は、東日本大震災からの復旧・復興で、最も大きな課題と考えています。福島を中心に、環境省としてやらなければならないことがたくさんございます。しっかりと進めてまいります。もう1つは、地球温暖化対策に改めて重点的に取り組んでいきたいと考えています。環境省のモットーとしては、1992年の地球サミットでサステイナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)が打ち出されたことを受け、それ以来、環境基本法・環境基本計画などを通じて持続可能な社会の実現を目指してまいりました。この政策理念に変わりはないのですが、今の時代背景の中で、持続可能な社会の実現のために、改めて個別の政策に落とし込む作業を、この1年をとおして進めていきたいと考えています。

2014年01月16日

第24回 三村信男・茨城大学地球変動適応科学研究機関長に聞く、地球温暖化への適応の現状と対策
IPCCは1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立されました。IPCCは、自ら研究をする組織ではありません。世界で行われている膨大な研究論文をレビューし、気候変動問題について最新の科学的認識を整理し報告することを目的にしています。気候変動枠組条約の第19回締約国会議(COP19)がポーランドで開催中ですが、COPで交渉している各国の代表らに最新の科学的情報を提供するのが重要な役目と思います。

2013年12月10日

第23回 根本崇・野田市長に聞く、地方自治体による自然共生の取り組み
野田市は東京の30キロメートル圏に位置します。江戸川と利根川に挟まれ、さらに、両河川をつなぐ利根運河に囲まれています。どれもが人工河川です。東京湾に注いでいた利根川の流路は、江戸時代初期に洪水の防御を目的に東方に移されました。江戸川は、奥州街道経由と銚子から利根川経由という、東北地方からの2つの物流ルートの確保のために切り開かれたのです。

2013年11月11日

第22回 三井住友信託銀行・高倉透取締役常務執行役員に聞く、金融が環境保全や環境創造に果たす役割
現在の三井住友信託銀行は、住友信託銀行、中央三井信託銀行、中央三井アセット信託銀行の3行が昨年4月に合併してできた会社です。 私は旧住友信託銀行の出身です。環境に対するベースとなる考え方あるいは信条に繋がる話として、入社以来、諸先輩から教えられてきたのが「住友」の歴史です。「住友」は、江戸時代に幕府から四国の新居浜にある別子銅山の経営を任せられましたが、銅の精錬で排出される亜硫酸ガスによる煙害や、燃料として大量の木を伐採したことにより、別子の山は「はげ山」になっていたのです。

2013年10月11日

第21回 環境省水・大気環境局 小林正明局長に聞く、日本の水・大気環境の課題と対策
放射性物質の除染は日本にとって経験がないだけでなく、世界的にも、これだけ密に住民が居住する中での除染は前例のないことなのです。しかし、とにかく復興のためには除染が欠かせません。環境省として、全力をあげていろいろな模索をし、いろいろな工夫を編み出しながら取り組んでいます。具体的には、震災の直後から除染についてさまざまな技術を開発し、24年度から本格的な除染作業に着手しています。

2013年09月10日

第20回 NPO法人富士山クラブ・奥島孝康理事長に聞く、「山」の魅力や価値とその付き合い方
私は生まれが四万十川の源流の地域でしたので、生まれたときからずっと自然の中で育ってきました。とくに記憶に残っているのは山と川ですね。子どものころから山とか川が好きで、大学の卒業後に教員として残ることになったとき、これで好きな読書と山歩きができると楽しい思いに浸ったのを覚えています。そういうわけで、私は生活の一部として自然との接触を楽しんでまいりました。

2013年08月09日

第19回 NPO法人国際自然大学校・佐藤初雄理事長に聞く、社会問題を解決する"自然学校"の使命
私は、教員になろうと教員養成コースのある日本体育大学に入り、そこで「野外教育」という授業に出合ったのです。授業と野外実習がありました。1年生で水泳実習、2年生でキャンプ実習、3年生でスキー実習、4年生でスケート実習が必修でした。野外教育という分野で、技術の習得だけでなく、チームワークとかコミュニケーションについて学ぶことに、新鮮さと魅力を感じました。学生時代に、子どもたちの夏休みのキャンプのリーダーをした時も、参加した子どもたちがすごく変化するのを実感したのを覚えています。

2013年07月10日

第18回 小澤紀美子東京学芸大学名誉教授に聞く、これまでとこれからの環境教育
ご存じのように、日本の学校教育の大枠は学習指導要領によって決められています。学習指導要領の1989年の改訂告示のとき(中学校1993年、高校1994年実施)に環境の内容が多く入りました。しかし、現場の先生たちが環境教育の内容を理解するのは難しいので、1991年に中学・高等学校の先生向けの環境教育指導資料(「環境教育指導資料(中・高校編)」)が策定され、学習指導要領の実施前から準備したのです。

2013年06月12日

第17回 公益社団法人全国産業廃棄物連合会・石井邦夫会長に聞く、産業廃棄物処理の現状・課題・展望
産業廃棄物は、国の統計で平成12(2000)年ころから4億トンほどの排出が続いていましたが、リーンマンショック、そして一昨年の東日本大震災もあり、平成22(2010)年度は3億8千6百万トンと、減少傾向にあります。われわれも、特にリーマンショック以降は、製造業の海外転出、産業構造の転換、3Rの推進などの影響で、取り扱う産業廃棄物は減少しているという実感をもっています。

2013年05月10日

第16回 環境再生保全機構・福井光彦理事長、環境への取り組みの経験や今後の抱負を語る
1970年代から1980年代は、大手の製造業などが産業公害対策に取り組まれていました。大手の総合商社には、熱帯林の伐採がもたらす問題への対策に取り組まれていたところがあったかもしれません。しかし、それ以外の企業では、サービス業や金融保険業も含めて、1980年代に環境問題といってもピンとこなかったと思います。

2013年04月10日

第15回 日本政策投資銀行・前田正尚常務に聞く、持続可能な社会を創る金融の役割
DBJの歴史は、戦後、日本経済及び産業の発展・活性化を目的として、日本開発銀行と北海道東北開発公庫が創られたことにはじまります。その2つの政策金融機関が統合したのが1999年10月です。その後、2008年10月に株式会社日本政策投資銀行法に基づき株式会社化されました。日本開発銀行と北海道東北開発公庫の時代には、エネルギー、都市開発、運輸・交通などへの融資を中心とし、長期的な資金供給を行っていました。

2013年03月13日

第14回 日立製作所・小豆畑茂副社長に聞く、日本のリーディング企業による環境への取組とその役割
世界共通の課題である環境問題に対処するには、環境への負荷を限りなく低減し、持続可能な社会を実現しなくてはなりません。日立は、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、「持続可能な社会」を目指すべき将来像として、「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」を3つの柱とする環境ビジョンを掲げています。そのためのマイルストーンとして、2025年に向けた長期計画である「環境ビジョン2025」を策定しています。

2013年02月08日

第13回 環境省・谷津龍太郎地球環境審議官に聞く、2013年からの環境行政
温暖化対策は各国共通の課題ですので、日本もしっかりと責任・役割を果たしていかなければいけないというのが大方針です。したがって、厳しいエネルギー事情の中でも、世界最先端の温暖化対策をきっちり実施していくという決意を、改めて示す必要があると思っています。原子力発電については、原子力規制委員会が今年の夏に新しい安全基準を示されると伺っておりますので、その基準に照らして安全性の評価を進めていただくことになると思います。

2013年01月11日

第12回 ジャーナリスト・環境カウンセラーの崎田裕子さんに聞く、持続可能な社会の実現に向けた市民の力とパートナーシップの大切さ
私は10年前のヨハネスブルグのサミット(「持続可能な開発に関する世界首脳会議」)にNGOとして参加し、今回初めて政府代表団に顧問として加わり交渉過程も見ることができました。「リオ+20」では、先進国と途上国の対立構造が明確に残っているのに驚きました。途上国と言っても、人口も多く急速に発展を遂げている国も多いですから、そろそろ本音の議論が聴かれるかと思っていたからです。すべての国が同じ立場で国際貢献する場になるには時間がかかるなと思いました。

2012年12月17日

第11回 鹿島建設・塚田高明常務執行役員環境本部長に聞く、100年をつくる会社の責任と挑戦>
先日、東京ビックサイトで土壌・地下水環境展が開催され、『「100年をつくる会社」鹿島の環境への取組み』と題して発表する機会がありました。そのときも申し上げたのですが、建設業の特徴は3つあると思います。第1に資源多消費産業です。結果的に廃棄物が出ます。第2は、製品のライフサイクルですが、「100年をつくる鹿島」に表されるように、100年先にも影響を与えることです。第3が、生態系や地域環境への直接的なかかわりが大きいことです。

2012年11月05日

第10回 中野良子オイスカ・インターナショナル総裁に聞く、国際協力と環境保全の取り組みの歴史
昨年、2011年はオイスカ創立50周年を迎え、今年は51年目ですから、語れば大変長い話しになってしまいます。NGOという言葉も日本にはありませんでした。国際協力という言葉もまれでした。創設が51年前ですから、昭和36年のことですが、それに先立つ昭和20年代は日本自身が戦争の廃墟の中から立ち上がろう、自分たちの食糧を含め、復興していこうという必死に生きた時代でした。

2012年10月05日

第9回 低炭素社会国際研究ネットワーク 西岡秀三事務局長に聞く、地球温暖化対策と政策策定に向けたプロセス
この数年、様子が大部変わってきたなと感じています。これまでは、どうやって地球温暖化を防ぐかを国際会議で決め、それに基づいて物事を進めてきました。最近は多くのところでそうですが、物事が決まらないという風潮が強くなっています。とりわけ国連の会議、リオの会議もそうでしたが、なかなか決まらないのです。

2012年09月05日

第8回 モンベル辰野会長が語る、自然に遊び、自然に学んだ人生
僕は大阪府の堺市に生まれたのですが、子どものころは身体が弱かった。小学生のとき、大阪府で一番高い金剛山の登山に連れて行ってもらえなかったくらいです。校医さんの判断で、君は居残りなさいと言われたのです。友達は楽しそうに行くのに、すごく口惜しくて。山への思いはそのころから募るようになりました。

2012年08月06日

第7回 山階鳥類研究所 尾崎清明 副所長に聞く、トキ・アホウドリ・コウノトリと人間との関係の歴史
私がトキにかかわりだしたのは1979年です。当時の環境庁のプロジェクトで、佐渡に残っていた野生の5羽を捕獲する目的で調査に行ったのがはじめでした。そして捕獲にも成功しました。同じ年に中国でトキが発見されて、1986年に日本人としてはじめて中国の生息地にはいりました。それは、日中間でトキを保護する、JICA(国際協力機構、当時は国際協力事業団)のプロジェクトの下準備でした。

2012年07月06日

第6回 林文子横浜市長、大都市ヨコハマの環境ビジョンを語る
きれいな空気や豊かな緑、美しい海や川などは、都市に魅力を与え、市民の皆様の生活を根底で支えてくれるものです。また、美しい花や鳥の姿・鳴き声は、私たちの生活に潤いを与えてくれます。私自身もバードウォッチングを趣味にしていますが、横浜市では、身近な緑や魅力的な景観の保全・創造に取り組んでまいりました。市内に残る貴重な自然環境や景観を護って、次世代に引き継いでいくのが私たちの責務だろうと考えています。

2012年06月07日

第5回 (株)エスパルス 早川会長、地域の中で育つサッカークラブの役割と環境への取り組みを語る
Jリーグの試合では、たくさんの飲み物などが販売されますが、危険防止のために、瓶あるいは缶から紙コップに移し替えて入場するようにルール化されています。その結果、たくさんの紙コップが無造作に捨てられていたのです。私どもの社員の間から、紙コップを何とかリサイクルできないだろうかという声が出てきたのです。2007年のことでした。

2012年05月09日

第4回 佐藤洋 国立環境研究所理事・エコチル調査コアセンター長に聞く、環境中の化学物質の子どもへの影響
エコチル調査の大きな目的は、環境化学物質の胎児期曝露、すなわち、胎内にいる胎児に母親が摂取する化学物質が移行し、出生後の子どもの発育・発達に及ぼす影響を明らかにすることです。社会の中に、環境中の化学物質に対する漠然とした不安があると思います。

2012年04月10日

第3回 大久保尚武 経団連自然保護協議会会長に聞く、企業経営と環境配慮の両立
自然保護協議会ができて、今年でちょうど20年になります。ご存じのように、企業にとっては公害時代が長くつづき、環境問題への配慮という意識が芽生えてきたのは1970年代に入ってからだと思います。

2012年03月05日

第2回 森口祐一東京大学教授 大震災からの復旧・復興を語る
(放射能汚染の実態把握について)
ひとことで答えるのは難しいものの、科学のセオリー通り起きていることが多いと思います。ただ、対応が十分かというと、決してそうではない。残念なことですが、今回起きている事象に関し、「想定外」という言葉がよく使われます。しかし、そうではなくて...(続きは本文をご覧ください)

2012年02月07日

第1回 南川環境事務次官 新年の抱負を語る
今年は非常に大事な年になると思っています。何よりも3.11の東日本大震災からの復旧・復興というものを急がなくてはいけないと思います。
大震災から10ヶ月ですけれども、地元の人たちからは、まだ何ら問題は解決していないのに、東京以西では早くも風化しつつあるんじゃないか、というご指摘も受けています。

2012年01月12日

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