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更新日:2024年8月16日 ページID:042553
スイス・ジュネーブ市の国連欧州本部で開催されたNPT再検討会議第2回準備委員会に被爆地の市長及び平和首長会議の副会長として出席しました。
国連・各国政府関係者等に対して、スピーチや個別の面会を通じて、被爆地の平和への思いを直接訴え、具体的な核軍縮の進展を要請したほか、平和首長会議として、次代を担う若者たちが自らの平和活動を通して感じた平和への思いを発表し、意見交換を通じて参加者同士の交流を深め、今後の活動の充実につなげることを目的にサイドイベントを開催しました。
滞在期間 令和6年7月22日(月曜日) 〜 令和6年7月26日(金曜日)
(※(注記)出張期間:令和6年7月19日(金曜日) 〜令和6年7月27日(土曜日))
鈴木市長は、松井広島市長とともに平和首長会議の代表として行ったスピーチで、核保有国をはじめとするNPT締約国を前に、世界はより危険な状態へ突き進んでいることへの危機感を表したうえで、核兵器は絶対に使ってはならないこと、そして、人類が核兵器のリスクから免れるための唯一の手段は「廃絶」しかないことを訴えました。
そのうえで、米ロに対し、新STARTの後継について交渉を開始するよう要請するとともに、今回の準備委員会で、人間の安全保障の視点を中心に据えた建設的な議論を行い、2026年の再検討会議で実効性のある核軍縮の導き出すよう求めました。
最後に、人類共通の願いである、長崎を最後の戦争被爆地とのメッセージを共有しスピーチを結びました。
アメリカには227の都市が平和首長会議に加盟しており、世界中で核兵器廃絶を求め、平和を愛する市民社会の動きが広がっていることを紹介。市民社会の声を軽視せず、対話による外交努力を行い、誠実に核軍縮交渉を行ってほしいと要請するとともに、平和首長会議の取組への協力を依頼しました。また、アメリカが考える核軍縮に向けたアプローチ等について、意見交換を行いました。
アダム・シャインマン米国大統領特別代表
(7月24日)
市川軍縮会議日本政府常駐代表は、現在の国際安全保障が非常に厳しい情勢にあることを強調され、今後は、少しでも軍縮を進展させることに注力していかなければならないとの見解を示されるとともに、面会に同席した被爆地の若者に対し、被爆の実相に関する映像や資料を自分の目で見て心で感じ、それを自分の言葉でアウトプットし、今後の活動の中で、多くの人に伝えていってほしいと激励されました。
海部在ウィーン国際機関日本政府代表部大使は、被爆の実相をしっかりと理解したうえで、自分の言葉で伝えていくことが大事であり、特に外国語で伝える場合には、相手の国の立場に立って、どうすれば一番相手に伝わるか考えて、推敲する努力をすることが大切であるとアドバイスをされました。
市川日本政府軍縮大使(左)及び
海部在ウィーン国際機関日本政府代表部大使(右から2人目)
(7月25日)
核兵器廃絶に向け主導的な取組みに対する謝意を伝えたうえで、核兵器の非人道性の理解を深めるためには、被爆地を訪問し、被爆者の体験を直接聞くことが一番であるが、平均年齢が85歳を超えており、最後のチャンスを迎えようとしていること。また、各国での加盟促進に向けた協力を要請するとともに、被爆80周年の来年、長崎で平和首長会議の総会を開催することを紹介しました。
国際機関タイ政府常駐代表(左)
(7月24日)
フランシスカ・メンデス在ジュネーブ国際機関メキシコ政府常駐代表(左)
(7月24日)
ノエル・ホワイト在ジュネーブ
国際機関アイルランド政府常駐代表
(7月24日)
広島県内の高校生で構成される、平和首長会議ユース代表から中満国連事務次長に、約4万4千筆分の「『核兵器禁止条約』の早期締結を求める署名」の目録を手交しました。中満国連事務次長は、次代を担うユースに対し、意見が異なる人との対話こそが大切であり、世界で起きていることに関心を持ち、様々な考えを聞き、対話を重ねることで、平和を構築する輪を広げてほしいと激励されました。
議長厳しい国際情勢の中で開催される今回の準備委員会に対する期待を伝えたところ、議長からは、「複数の国が、相手の国を名指しで非難しており、非常に厳しい状況にあるが、私たちは、このプロセスにおける様々な利害関係者の懸念を軽減するために最善を尽くす」と述べられました。そして、「都市には市民がいて、教育や文化、その他多くの場面で、核軍縮の必要性を伝えることができる。それは核軍縮を進めるうえで、非常に重要な都市の役割だ」と話されました。
カザフスタン外務副大臣でもある議長に、同国内における加盟拡大への協力等、今後の更なる連携強化をしていきたいことを伝えたところ、国レベルで核軍縮に取り組むことも重要だが、市民社会からのインプットも非常に重要となるので、これからも平和首長会議の活動に協力していきたいと応じられました。
国連欧州本部長国連欧州本部内の常設原爆展の展示延長決定について謝意を伝えるとともに、核兵器リスクが高まっている中、被爆の実相を伝えることの重要性がますます高まっていて、国連欧州本部での常設展示は大切な役割を果していることから、引き続き原爆展示の常設展示への協力をお願いしました。
これに対して、ヴァロヴァヤ事務局長は、「現在の厳しい国際情勢の中では、核戦争、核兵器について特に若い世代に伝えていくことが大事であると考えており、今後も両市と連携していきたい」と述べられました。
UNITARセス総代表は、平和首長会議の加盟都市数の増加に触れ、今後の更なる活動強化への期待を述べるとともに、被爆80周年を迎える来年に向け、核軍縮を強く進めていく必要があるとの見解を示されました。これに対して、平和首長会議として、被爆の実相を世界に伝え続け、為政者が市民社会の声を無視することができないような環境づくりを進めるため、教育を専門とするユニタールと連携した取組を進めていくための協力を依頼しました。
キンボール事務局長は、現在、戦争のリスクが高まっており、軍縮は困難な状況に直面しているが、広島・長崎で起こったことを繰り返してはならないとの見解を述べられました。平和首長会議の米国における活動状況を紹介するとともに、被爆80周年を迎える来年の取組に関する意見交換を行いました。最後に、今後も緊密に連携していくことを確認しました。
平和首長会議サイドイベント平和首長会議が主催したNGOサイドイベントは、次世代を担う若い人たちが、平和活動を通して感じた平和への思いを発表し、意見交換を通じて、核兵器のない世界の実現を訴えるとともに、参加者同士の交流を深め、今後の活動の充実を図ることを目的に開催されました。広島の高校生で構成された平和首長会議ユース、ナガサキ・ユース代表団、ICAN、ユース非核リーダー基金プログラム参加者、そして、地元ジュネーブの赤十字でボランティアとして活動している若者の計8組が取組発表を行うとともに、平和活動を行ううえでの課題等についてディスカッションを行いました。
鈴木市長は挨拶で、国連教育科学文化機関(UNESCO)憲章の前文を引用しながら、平和の砦を築くための一歩を既に踏み出している発表者の皆さんが、その砦を強くし、そして大きく広げていくために更に取り組んでいくことへの期待を述べられました。
中満国連事務次長からは、これからの未来はユースの未来であり、未来を良くするための意思決定に若者が常に参画すべきであると述べ、ここにいる皆さんが引き続き平和活動に携わり、活動を発展させていってほしいと激励の言葉を送られました。
ユースサイドイベント「Bring Your Piece of Peace for Dialogue-With Nagasaki Atomic Bomb Exhibition @UNOG―」と題したナガサキ・ユース代表団12期生が主催するNGOサイドイベントでは、長崎の被爆の実相を伝える原爆ポスターとナガサキ・ユース代表団の活動を紹介するポスター展示を鑑賞し、平和について考え、意見交換を行うことを目的に開催されました。
鈴木市長は、「被爆地の市長、そして被爆2世の立場から世界に訴える平和への思い」をテーマに発表を行いました。
常設展示核兵器廃絶と恒久平和の実現をめざす市民の願いを国内外に発信して、国際世論を喚起し、核兵器廃絶の機運を高めることを目的に、軍縮会議が設置されている国連欧州本部において、外務省及び広島市と連携のもと、2011年より行っている被爆資料等の常設展示の視察を行いました。
役員都市広島市、長崎市、フランス・マラコフ市、フィリピン・モンテンルパ市、スペイン・グラノラーズ市、クロアチア・ビオグラード・ナ・モル市、フランス支部の6都市・1支部が出席し、各都市等における取組発表や今後の活動に関する意見交換を行いました。
閉会挨拶で鈴木市長は、10月に英国・マンチェスター市で開催される理事会では、平和首長会議として、市民社会の訴えをさらに強めていくために、今後果たすべき役割、そして取組むべきことについて皆さまと活発な意見交換を行いながら、来年の総会で新たな行動計画の策定に向けて取り組んでいくことを呼び掛けました。
会期中、会議出席者や国連関係者に被爆の実相や核兵器の非人道性、平和文化の振興に向けた平和首長会議の取組について理解を深めてもらい、核兵器のない平和な世界の実現に向けた気運を醸成するために、平和首長会議原爆平和展(バナー展示)と子どもたちによる“平和なまち”絵画展を開催した。7月22日には、高村外務大臣政務官が展示を視察され、松井会長及び鈴木副会長から展示内容の説明を行いました。
レセプション市川軍縮会議日本政府代表部特命全権大使公邸で開催されたレセプションでは、中満国連事務次長、高村外務大臣政務官等の出席の下、ナガサキ・ユース代表団、平和首長会議ユースやジュネーブ市の学生が招待され、参加した若者同士での交流を深めました。(写真:外務省)
Paper Lantern国連軍縮研究所と軍縮会議日本政府代表部の共催で開催されたサイドベントでは、広島への原爆投下で犠牲となった12名の米兵捕虜の身元を、40年以上にわたり捜索してきた森重昭氏の活動を追ったドキュメンタリー映画の上映が行われました。
ジュネーブ大学日本語学科で日本語を学んでいる大学生と、ナガサキ・ユース代表団との交流会では、次世代を担う学生同士が平和について意見交換を行いながら、相互理解を深めていきました。
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