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>ホーム>ニュース >トピックス >この記事 | last update:09/04/02 |
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早野仁司准教授が西川賞を受賞
加速器研究施設の早野仁司准教授が、平成20年度の高エネルギー加速器科学研究奨励会西川賞を受賞しました。同賞は、高エネルギー加速器ならびに加速器利用に関る実験装置の研究において、独創性に優れ、かつ論文発表され国際的にも評価の高い業績をあげた研究者・技術者に贈られるものです。今回受賞対象となった研究課題は『超伝導高周波加速空洞表面・光学検査システムの開発および観察』で、岩下芳久氏(京都大学准教授)および田島裕二郎氏(株式会社東芝)との共同受賞です。
超伝導加速空洞の高電界達成記録は、着実にあがってきていますが、安定性、成功率の向上が大きな開発課題となっています。早野氏らは、空洞内表面状態の精密観測を目的として、光学(CMOS)カメラとミラーを組み合わせ、ビーム口径以下のシリンダー内に納めた『光学検査システム』を開発しました。これによりこれまで正確につかむことが出来なかった空洞内表面の微細な欠陥を可視化し、次々とその構造や形状を解明できるようになりました。これまで欠陥位置の特定は、液体ヘリウムを用いた低温冷却試験時に、空洞外表面に温度計を配置する『温度マッピング』に頼っており、多大な労力や時間・費用がかかっていました。温度マッピング結果に内面直接観測を併用することにより、低温に冷却しての空洞性能試験を待たず内表面の欠陥を見つけ、効率よく生産にフィードバックをかける道が拓かれました。 またこのシステムの開発により、従来までの観測装置の分解能では見つけられなかった微小なサイズの内面上の異常が電界を制限する原因の一つである、ということも新たに分かりました。可視化できるようになったことで、超伝導高周波空洞の電界性能と内表面の関連に多くの知見が得られることになったことは、超伝導加速空洞の開発分野にとって画期的なことといえます。早野氏らの開発技術は、将来の『国際リニアコライダー』(ILC)計画にも大きく貢献するものと注目されています。 |
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