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「ちきゅう」について、みんなからの質問にこたえるよ
それまでアメリカの海のあなほり船を使わせてもらっていたんじゃが、日本でも、もっと高性能(こうせいのう)な船をつくりたかったんじゃ。アメリカのようにたくさんほらなくても、1か所を深くほって「地球(ちきゅう)」の中身を見てみたかったんじゃよ。
世界中の人と協力(きょうりょく)して「ちきゅう」を動かしているんじゃ!
コア研究所の冷蔵庫(れいぞうこ)の中。とっても寒い!
ちきゅう博士みんなのものじゃよ。たとえば、アポロ(アメリカの宇宙船(うちゅうせん))でとってきた月の石は、めったに行けないから貴重(きちょう)なものじゃろう?まずはとった時に活やくした研究者が一番に調べることができたのじゃが、他にも調べたい人のために分けたんじゃ。今では、ごくわずかしか残っていないが、国立科学博物館(こくりつかがくはくぶつかん)に展示(てんじ)されていて、みんなも見ることができるぞ。「ちきゅう」でとったコアは、高知にあるコア研究所の冷蔵庫(れいぞうこ)に保管(ほかん)されるんじゃ。
「ちきゅう」の後ろには名前と住所が書かれているよ
「ちきゅう」の住所はJAMSTECと同じ横須賀(よこすか)になるんじゃ。実は母港はとくに決めていないんじゃよ。世界中どこへでも行けるからの。次はキミの住んでいる近くの港に行くかも!ちきゅう博士
「ちきゅう」進水式
「ちきゅう」は、2001年(平成(へいせい)13年)の4月25日に岡山県(おかやまけん)で生まれたんじゃ。それから船の真ん中のやぐらをとりつけたり、実験室(じっけんしつ)をじゅう実させて2005年の7月29日に完成(かんせい)したんじゃ。ちきゅう博士
200人乗りなんじゃよ。いろいろなお仕事をする人が乗っている。船を動かす人、ごはんを作ってくれたりおそうじをしてくれる人、海の底をほる道具を使う人、この船を使って研究をする人、実験室(じっけんしつ)の機械(きかい)を使う人。みんなは、「ちきゅう」に乗って、どんな仕事をしてみたいかな?
地球のあなほり船「ちきゅう」の性能(せいのう)
なんて大きい船なんだ〜!
ちきゅう博士大きくなって、この船をつかって研究をしてみたい!と思ったら、ホームページをのぞいてみよう。航海(こうかい)の計画がのっていて、研究する人をぼ集しているぞ!自分がやりたい研究を書いた書類(しょるい)を送って、委員の先生にキミが選(えら)ばれれば、乗ることができるんじゃ。船のほうに興味(きょうみ)があるなら、船員学校へ行ったり、機械(きかい)や料理(りょうり)の専門家(せんもんか)になったりして、乗組員として「ちきゅう」で働(はたら)く仲間になる方法もあるぞ!1か月船に乗って、1か月陸(りく)にもどってくる、という生活になるんじゃよ。
にげろ〜!
ちきゅう博士どんな強い風でも大丈夫(だいじょうぶ)なように、設計(せっけい)されているんじゃ!と、言いたいところじゃが、台風やばくだん低気圧(ていきあつ)にたえて作業をつづけたら、とても危険(きけん)じゃろう?だから、どれくらいの風や波になったら安全なところへにげるか、基準(きじゅん)を決めているんじゃ。
海の底(そこ)までつなげるライザーパイプ(左)とあなをほるためのドリルパイプ(右)
ちきゅう博士「ちきゅう」のやぐらで吊り下げられる重さは最大1,250トンで、くっさく用のパイプ1万m分をつないでほることができる。つまり、船の上から1万m先までほれる、ということじゃな。ライザー式くっさくでは、ライザーパイプをつなげられる長さが2,500 mまでだから、水深2,500 mよりも浅い海でないとほれないんじゃ。だから、ほれるのは、海底(かいてい)から一番深くて7,500 mになるんじゃよ。
ドリルパイプを支(ささ)える青いやぐら
ちきゅう博士ほる場所のどろや土や岩のかたさによってちがうんじゃ。やわらかいとケーキの型(かた)をとるように、スポッと一気に10 m進めるが、かたいとゴリゴリけずるのに時間がかかるんじゃよ。海底(かいてい)の下は、はじめはやわらかいどろなのに、だんだん深くなるとかたい岩になっていく。やわらかいときは、1日で300 mくらい、かたくなると1日かけても50 mくらいしか進めなくなるんじゃよ。
ヒビが入ったりしてないかな?
ちきゅう博士ほるのに使うパイプは何回も使えるんじゃよ。でも、何年も使っているとサビてきたり、ヒビが入ったりして、危ないから、検査(けんさ)して新しいものと交かんしていくんじゃ。
200人が半年くらいずうっと海の上で生活していくためには、ごはんが必要(ひつよう)じゃな。船の中には大きな冷蔵庫(れいぞうこ)や食料品(しょくりょうひん)を入れておける倉庫(そうこ)があるんじゃ。新せんな野菜(やさい)やくだものは、ヘリコプターや船で運んでもらうんじゃよ。専門(せんもん)のコックさんもいる。船の上で食べるごはんは最高(さいこう)!じゃ!
ヘリコプターで船の上へ (協力:朝日航洋株式会社)
重い荷物は船に運んでもらうよ。
ライザーくっさくのしくみ
ちきゅう博士あなをほると、ほった土やどろが積(つ)みあがるじゃろう?そのほりくずで、まわりに住んでいる生物に被害(ひがい)がないように、海底(かいてい)と船を太いライザーパイプでつなげて、ほりくずを船の上まで引き上げてくるほり方を「ライザーくっさく」とよんでおる。
パイプの先たんにとりつけているビットにはあながあいていて、そこから水を強くふき出して、けずりながらほっていく。ふきでた水は、ほりくずといっしょになってパイプの外がわを上向きに船の上までもどってくる。こうして、「ライザーくっさく」では、ほりくずが海底(かいてい)に残(のこ)らないんじゃな。
ほり進んでいって、もし急にガスが出てきたら、ライザーパイプをつたって船の上までガスがふき出してしまうじゃろう?じゃから、すぐにフタができるような、大きな箱をライザーバイプの下につけておるよ。
それまでの世界記録(せいかいきろく)をさらにのばした2013年12月の写真。
その後もほり進めて最後(さいご)には3,058.5 mまでほったんじゃ!
ちきゅう博士2014年1月にほった、南海トラフの海底下(かいていか)3,058.5 mが、今は世界で一番深い場所じゃ。そこの水深は、1,939 mじゃから、「ちきゅう」の船の上からは、5,026 mもの長さのパイプをのばしたことになるんじゃ!
週に1回行う避難訓練(ひなんくんれん)
ちきゅう博士自然(しぜん)が相手じゃから、何が起こるかわからない。ぜったいに安全第一じゃ。つかれていて、ぼうっとしてけがをすることがないように、安全と健康(けんこう)にいつも気をつけているんじゃよ。
みんなで相談
ちきゅう博士どこをほったらおもしろいかなあ、とみんなで考えて、たくさんの調査(ちょうさ)をして、海底(かいてい)の様子を想像(そうぞう)し、危険(きけん)がないか、安全にほれる場所か、国内外の大ぜいの委員の先生といっしょに相談して決めているんじゃ。南海トラフをほりたいなあ、と思ってから、みんなでいろいろな準備(じゅんび)をして、実際(じっさい)にほるまで10年くらいかかったんじゃよ。
これまでに「ちきゅう」でほった場所
ちきゅう博士海底下(かいていか)をほることによって、たくさんの新しいデータがとれて、今までわからなかったことが明らかになる。
世界中の人が幸せになるような事実を知りたいんじゃ。
地面を横から見るとこんな感じ
ちきゅう博士あなをほるのは、地面に針(はり)でつつくより小さいあなをあけることになるんじゃ。ぎゃくに、ほることによって、地下にたまったエネルギーをにがしてあげることになるから、地しんは起こらないんじゃよ。
マントルを調査(ちょうさ)しているんじゃ
ちきゅう博士わたしたちの住んでいる地球は、中身をわってみたら、スイカのようになっているんじゃ。スイカは外がわの皮の部分、その内がわに白いかたい部分があって、真ん中が赤くなっているじゃろう?「ちきゅう」では、その赤い部分を「マントル」とよんでいる。温度が高く、地上で見られる岩石のもとになる、おかゆのようにどろどろしたものがゆっくりと中心から外がわに向かって流れていると考えられているんじゃ。
大きな船じゃが、長いこと同じメンバーといっしょにすごすと、つかれてしまうこともある。おいしいごはんを食べてばかりでも体によくないから、ジムで運動したり、ヘリデッキで外の風にふかれたり、広い海をながめたりするんじゃよ。みんなで、ピンポン大会をしたり、書道大会やダンスパーティ、映画(えいが)をみたり、クリスマスやお正月のお祝(いわ)いをしたり、楽しいイベントをみんなで計画しているぞ!いろいろな国の人ともなかよくなれるチャンスなので、ちがうことばを教わったり、新しいことにチャレンジしたりする人もいる。みんなも船に乗ってやってみたいことを考えてみよう!
みんなで書道大会!
パーティもやるよ