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第5回理学部学生選抜国際派遣プログラム

五所 恵実子(国際交流室 講師)

図1

コロンビア大学のLow Library前にて

理学部では2006年度より将来世界で活躍できる優秀な理学部生を派遣する「理学部学生選抜国際派遣プログラム(ESSVAP: Elite Science Student Visit Abroad Program)」を実施しており,今回は10名の学生が2012年3月7日から16日に米国のコロンビア大学,プリンストン大学,ロックフェラー大学を訪問した。

コロンビア大とロックフェラー大はニューヨークのマンハッタンに,プリンストン大はマンハッタンから列車(NJ Transit)で約1時間半のニュージャージー州にあるいずれも私立大学である。3大学とも理系で学際分野の研究を促進するための真新しい建物がキャンパス内にあり,大きなガラスの壁面が建物内に外の景色と太陽の光を取り込んで解放感に溢れているのが印象的であった。また,それぞれの建物内には人の交流を促進するためのカフェ,会議室の向こうに川を臨み各階ごとに異なる明るい色彩の椅子やソファの配置,外の芝生と調和が取れるよう森の中にいるようなイメージでデザインされた空間というようにキャンパスの立地条件を最大限に活かした造りとなっており,どの建物も研究室のすぐ横や下にこのような共有スペースがあることからも,米国が学際分野の発展に力を入れている様子が見て取れた。

参加した学生達はキャンパスツアー,グループや個人による研究室訪問,週末の自由時間などを通して1週間という限られた時間を最大限有効に活用し,アメリカの大学の研究環境とそこに集まる世界中の人々,そしてニューヨークのもつ文化的豊かさをも感じたようである。プログラムの実施にさいしては国際交流委員の先生方を始め,理学系研究科の先生方にご協力をいただき,また訪問先の各大学の教職員の皆様,学生さんに温かく迎え入れていただいた。この場をお借りして深く感謝申し上げたい。とくに,コロンビア大学物理学科の植村泰朋先生,プリンストン大学のステュワート・スミス研究学長には訪問日のアレンジを一手にお引き受けいただき,とても充実した訪問となった。また,プリンストン大学に客員研究員としてご滞在中の土井威志先生には夕食を共にしながらアメリカでの研究生活などについて貴重なお話を伺い,第1回の本派遣プログラムに参加した理学部生物化学科出身の中山博文さんと海老原章記さんには5年ぶりに現地で再会し,ロックフェラー大学内を案内していただいた。現在,同大学博士課程で日々研究に励んでおられるお二人の,今後ますますのご活躍を祈っている。

なお,次回の第6回理学部学生選抜国際派遣プログラムの訪問先および募集については9月にhttp://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/offices/ilo/essvap/application.html(国際交流室ホームページ)に掲載の予定で,希望者には報告書を配布している。プログラムおよび報告書についてのお問い合わせは理学部国際交流室( )まで。

プログラムに参加して

小松 慶太(生物情報科学科4年*)

図2

PPPL(Princeton Plasma Physics Laboratory)にて

今回のESSVAPに参加して,私は言葉では言い表せないほど素晴らしい体験をした。それらはおもに,以下に述べる2つの出会いに関するものである。

ひとつは環境との出会いである。私は今回,初めてアメリカ本土とアメリカの大学を訪問した。アメリカの大学はどこもひとつの町のように広大な敷地を有していると思い込んでいたが,少なくとも今回訪れた大学の中でColumbia大学とRockefeller大学に関してはそうではなかった。Rockefeller大学は東大駒場キャンパスより小さく,Columbia大学も東大本郷キャンパスより若干広い程度である。しかしながら,研究室に目を移すとその広さは日本のものとはまったく異なっており,私が訪れた研究室の多くは,日本よりも1人あたりで広いスペースを与えられていた。また,隣の研究室との共用スペースを有していたり,ひとつの巨大な実験室内に複数研究室が入居していたりと,ほかの研究室との交流が促進されるような仕組みづくりが積極的になされていた。さらに,多くの研究室には試薬づくりや実験の準備を専門に行うスタッフがおり,掃除も専門の業者が行うなど,研究者にとって研究に専念しやすい環境が整えられていた。これらの環境については,いくらか事前に情報を得ていたものの,それらを目の当たりにし,その環境を実際に使っている研究者の話を聞くと,とても新鮮であり羨ましく感じられた。無論,日本の研究環境にも良いところがあるため,すべてを真似すべきとは思わない。しかし,より多くの日本人がアメリカのような研究環境も有り得るのだと知ることは大切だと感じた。

もうひとつは人との出会いである。ESSVAPでは,参加学生がそれぞれ訪問したい研究室に直接連絡しアポイントメントをとって個別訪問を行う。そのさい,会いに行く教授は多くの場合,日本にいては論文の中でしかお目にかかれないような文字通り海の向こうの遠い存在である。しかし,実際にお会いした方々は皆とても親しみやすく,研究についても真剣に議論していただけた。議論を通して,世界の舞台は自分が思っていたほどは遠くないと実感した。また,今回の訪問では多くの学部生・大学院生とも出会い話す機会に恵まれた。彼らの出身国は,直接会話し出身国を聞いた学生だけでも,アメリカ・イギリス・ロシア・中国・韓国・イスラエル・オランダ・コロンビア・日本と,ひじょうに多様性に富んでいた。バックグラウンドは異なるものの,彼らが一様に自分の研究について活き活きと楽しそうに語る姿は印象的であり,自分も彼らのようになりたいと思わずにはいられなかった。

最後に,このような素晴らしい機会を提供してくださった東京大学理学部,渡航前から渡航後まであらゆる場面で支援してくださった国際交流室の五所先生に感謝したい。また,このプログラムでは,普段学ぶ内容は異なるが理学という共通の志をもつ9人の仲間と出会い,彼らと寝食を共にし,学術的な話題にとどまらず互いの将来のことなどを語り合うことができた。共に行動し刺激し合うことのできた9人の仲間たちにも感謝したい。私はこのような機会に恵まれ本当に幸せだった。今後も感謝を忘れずに日々努力して参りたい。

*参加当時

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