第21回理学部公開講演会,開催される
実行委員長 田村 陽一(天文学専攻 助教)
千人を越える参加者で埋め尽くされた安田講堂
去る2012年4月22日(日),本郷キャンパス安田講堂にて『理学最前線—彼方にひろがる大宇宙,きらめく生命の小宇宙。』と題して,第21回理学部公開講演会を開催した。宇宙物理学から横山順一教授(ビッグバン宇宙国際研究センター),分子生物学から濡木理教授(生物化学専攻),惑星科学から長尾敬介教授(地殻化学実験施設)が,理学部ですすむ最新の研究を解説した。講演会開催中にぽつりぽつりと雨が降りだすあいにくの天候のなか,予想を大きく上回る1060名の参加があった。その対応に追われたスタッフ一同,うれしい悲鳴をあげるばかりであった。
横山教授は,「加速する宇宙」と題して講演した。昨年にノーベル物理学賞が授与された"宇宙の加速膨張"の発見という,研究者ですら頭を抱える宇宙物理学の大問題を参加者と共有し,ユーモアを交えつつ解説した。
濡木教授は,「膜タンパク質の立体構造の神経科学および創薬への展開」と題し,生命活動の根幹たる細胞膜の機能を分子レベルでひも解く最新の研究を,印象的な語り口で紹介した。
「はやぶさサンプルからわかってきた小惑星イトカワの素顔」と題した長尾教授の講演では,はやぶさ探査機が持ち帰った小惑星微粒子の分析成果,まさに理学が本領を発揮するエキサイティングな一面を解説した。
講演後の歓談会でも活発な議論があった公開講演会,次回は2012年11月4日に開催予定である。