第10回高校生のためのサイエンスカフェ本郷開催報告
角谷 良彦(情報理工学系研究科 助教)
小柴ホール前ホワイエにて大学院生と談笑する参加者
去る2011年6月12日,本郷キャンパス内の小柴ホールにて「第10回高校生のためのサイエンスカフェ本郷」が開催され,事前に申し込みのあった高校生および中学生約50名が訪れた。 内容は,地球惑星科学専攻の橘省吾助教による講演と,講演に関連した実験室の見学,さらには,大学院生との交流と盛りだくさんであった。
「ちりもつもれば惑星となる」と題した橘助教の講演は,魅力的なスライドを使用したとても分かりやすいものであった。 講演には,専門知識のない聴衆を引きつけるための工夫が随所になされており,参加者はみな真剣に講演に聞き入っていた。 研究の魅力が十分に伝わったことは,講演後の参加者の表情からもうかがうことができた。
講演の後は,各専攻から推薦された大学院生たちとグループに分かれての行動となった。 グループごとに,順次,橘助教の実験室を見学,その合間には,各大学院生が所属する専攻のセミナー室や図書室の見学を行った。 見学以外の時間は,参加者と大学院生が大学生活や研究内容について歓談し,交流を深めた。 中高生にとっては,大学を知るまたとない機会であり,大学のカリキュラムや卒業後の進路についても,活発に質問がなされていた。
今回は,サイエンスカフェとしては初めての試みとして,出張授業などの活動を行っている学生団体BAPに協力をお願いした。 そのおかげか,参加者は終始リラックスした表情で大学院生とテーブルを囲んでいた。 予定の終了時刻になってもなかなか腰を上げずに談笑し続ける参加者と大学院生の姿が,まさにこのイベントの成功を物語っていたのではないだろうか。